(写真=webサイトより)

いらないものを捨てて、新しく始めるための考え方

働き方を“取捨選択”しながら見直そう

働き方改革が進む昨今、自分らしい働き方をしたいと考えている人は多いことでしょう。しかし、具体的にどんなことを取捨選択していけばよいのか、よく分からないものです。

『本位力の働き方』(高知子著、みらいパブリッシング)より、無駄を取り除き、新しく始めるための考え方を紹介します。

重要ではないものを“取り除く”働き方

大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社した著者は、チームの一員として会社の表彰台に登壇したり、アドバイザリー契約数1位取得などを経験したりと、第一線で活躍してきました。10年目を機に同社を退職し、現在は、高原社会保険労務士・行政書士事務所の代表を務めるかたわら、大阪産業創造館の専門家として、多くの創業者を成功に導く支援に取り組んでいます。

会社員時代に第一子を出産して、すぐに職場復帰した著者ですが、限られた時間の中で仕事を続けることは、想像以上に大変だったようです。第二子出産を前に、一度力を抜いて自分を振り返り、その結果、当時の会社を辞める決断に至ったといいます。

自分にとって重要でないものを“取り除く”という考え方を持ってみることです。言うなれば「自分本位」の働き方を模索するということです。(11ページより引用)

著者にとって、退職は、いわば“取り除く”という選択。これから何をすべきで、何をすべきではないのか、自分本位に働き方を模索することで、今、必要なものが入ってくる余裕ができるのだとか。

受動的セミナーより能動的読書で学ぶ

会社員であっても起業家であっても、自己管理のもとで仕事を主体的に進めていくためには、ある程度の知識を持つことが必要になってきます。

土台となる知識がないと、新しい知識を組み合わせて価値やアイデアを生み出していくことは難しいでしょう。自分の人生の選択肢を増やしていくためにも、学び続けることは必須の時代であると言えます。

スキルアップしたい、これから起業しようと考えている人は、まずセミナーに参加することが多いかもしれませんが、意外にも、受動的なセミナー参加より、能動的に本を読む学びのほうが、効率がよいと著者は言います。

起業前後は、このように本を読む時間を優先しており、セミナーなどに参加することはほとんどありませんでした。(中略)その点、本は自分で読めます。(18ページより引用)

セミナーは、大勢の人を対象としているため、テーマ全体を広く学ぶ設定が多いものです。しかし、人によって深堀りしたい項目は違っています。

例えば、セミナーが3時間だとすると、その中の一部分を詳しく知りたいという場合、関係のない時間が無駄になってしまいます。その点、本は自分のペースで読むことができ、時間のロスがありません。

だからと言って、セミナーが無意味であるというわけではなさそうです。著者の場合、むしろ、最近のほうがセミナーを有益に取り入れているのだとか。選択肢を自分で選べるようになり、動機が明確になってからセミナーに参加すると、受動的ではなく能動的に学べるようになるようです。

情報収拾の仕方も、その時々の自分の状態や環境に合わせて、無駄を“取り除く”選択をしていくことが大事でしょう。

目先の欲にとらわれない

本著には、ほかにも“取り除く”物事や考え方が紹介されています。

自発的に行動していくプロセスの中で、損得とは別のプライオリティ(優先順位)に気づくことも大切なことです、そのためには、目先の欲にとらわれすぎてはいけません。 (46ページより引用)

自分を成長させるために、欲は大切です。一生懸命に働き、行動するための良いエネルギーになることもあるでしょう。さらに、社会貢献につなげる気持ちが軸にあれば、多くの人の共感を得ることにもつながります。

しかし、同じ「欲」でも、自分が良ければ他人はどうでもいいといった、自分本位の欲であったとしたら、話は違ってきます。

著者は、目先の欲や利己的な欲は、取り除くべきであると語ります。自らの利益を優先して行動するのではなく、相手の利益を優先する。その後に、自分の利益を考えるほうが、長い目で見て大きなリターンを得られるというのです。

他人にために良かれとビジネスを判断していくことは、口で言うのは簡単であっても、実際のところはなかなか難しそうですが、それでも、自分ができる範囲で共感できる人とチームを組み、まずは相手の利益のために自分の時間を使うとよいと著者は言います。

利己欲のための競争ばかりを追いかけてしまうと、そこから新たな悩みが生まれて、結果的に不幸をもたらしてしまうこともあるのだとか。自己中心的な判断や態度によって視野が狭くなり、誤った行動にもつながったりしがちなので、そんな欲は常に取り除いていくほうが賢明であると言えそうです。

ロールモデルを自分仕様に組み合わせて始める

新しい働き方を求めて、いらないものを取り除くために、起業という選択肢を選ぶ人もいることでしょう。

しかし、本やセミナーでいくら勉強しても、自分のキャリアにぴったり当てはまらなかったり、規模が大きすぎてあまり参考にならなかったり。そんなきっかけで、足が止まってしまうということもしばしばあるものです。

自分のロールモデルは何人かの人を組み合わせて構築すればよいもので、同じ属性に固執する必要もありません。(134ページより引用)

やりたいことや得意分野、資金源など、人それぞれ違って当たり前です。共感できるロールモデルを組み合わせて、まずは行動していく。何かをしようと思考して行動し、努力をし続けることがシンプルに大事なことであると著者は言います。

起業してすぐは、できないことが多かったり、成果が出るまでに時間がかかったりすることもあるでしょう。しかし、行動して自信を積み重ねていくことで、案外すんなり進めていくことができるようです。

起業は誰かに用意されたことをするのではなく、新たな価値を生み出していくプロセスの積み重ねです。長い人生を自分らしく働いていくために、まずは今の自分に必要ないことを取り除いたうえで、新たなスタートを切ることもよいのかもしれません。

タイトル:『本位力の働き方』
著者:高原知子
発行:みらいパブリッシング
定価:1400円(税抜)

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