(画像=谷本理恵子著、エムディーエヌコーポレーション)

思わず買いたくなる 女性に喜ばれるマーケティングのコツとは

女性の心をくすぐる「売り方」のポイント

最近では、物事の決め方や買い物の傾向などにおいて男女のボーダーラインがあまりなくなってきているものの、女性向けにサービスや商品を提供したい場合、押さえておきたいポイントがあります。この記事では、『プリンセス・マーケティング 「女性」の購買意欲をかき立てる7つの大原則』(谷本理恵子著、エムディーエヌコーポレーション)より、女性向けマーケティングにおいて大事にすべき考え方を紹介します。

マーケティングの視点から女性特有の心の動きを知る

インターネット通販の運営責任者として、6年にわたってWebマーケティングの世界で活躍してきた著者。ダイレクト出版認定セールスライターになったことをきっかけに独立し、現在は、セールスコピーライターとして、セミナーやオンラインサロンなどを通じて女性特有の購買心理を活用した文章やデザインの見せ方を伝える活動をしています。

本書は、売れる見せ方や伝え方を追求してきた著者自身の体験と、何人もの女性にインタビューしてきた経験から得た女性向けマーケティングのポイントがまとめられています。

特に「女性」をターゲットにしたビジネスをされているのであれば、これまで男性中心で考えられてきたマーケティングの常識を少し疑ってみると同時に、もっと「女性に特有の心の動き」について、敏感になっていただければと思います。(4ページより引用)

本書では説明の性質上、「多くの男性は」「ほとんどの女性は」などといった表現で解説されています。商品企画やブランド提案、販売促進などの企業活動において男性と女性の購買心理の違いを理解しておくことは、さまざまなタイプの顧客とコミュニケーションを図る上で重要であると言えるでしょう。

女性向けに「ストーリー」を伝えるコツとは

例えば買い物をしているときに、いきなり商品の説明をされても、今ひとつ心が動かないということがあります。しかし、その商品のストーリーを知ることで、自然に引きつけられていくことはありませんか。

人の感情は、論理的な説明だけではほとんど動きませんが、「物語」の主人公に、心が揺さぶられ、触発されることはよくあります。先に気持ちが動くからこそ行動が起こるのです。(14ページより引用)

より感情を動かしやすいアピール方法の一つとして、商品にまつわる「ストーリー」を伝えるという手法があります。しかし、著者が語る「これまでのストーリー」は男性が主人公のヒーロー物語を扱うものばかりであったのだとか。女性もヒーロー物語が嫌いではありませんが、同じ結末を目指すにしても好むディティールが少し違ってくることを本書で説明しています。

●ヒーロー物語に出てくるヒロインに女性は共感するのか

少なくとも、ヒーロー物語に出てくるヒロインは、男性が憧れる幻の女性像であり、現実感のないキャラクターであると著者は伝えています。では、女性たちが心から共感し、感情移入できる物語の典型とは一体何なのでしょうか。それは、プリンセス・ストーリーであると著者は言います。

●プリンセス・ストーリーとは自分らしい生き方を探す冒険

今いる場所に漠然とした違和感を覚え、何かのきっかけで「自分が何者であるか」に気づき始める。そして、過去の暮らしを捨てて「自分が本来、当然いるべき」だと感じている新しい世界に向けて旅に出る……。

つまり、プリンセスは自分らしさを取り戻して自己充足することが究極の目的であり、ヒーローのように名誉や財産を得ることがゴールではないのだとか。自分らしい生き方を探し始める内面の冒険がプリンセス・ストーリーであるとしたら、その本質を捉えた商品やサービスを作っていくことが重要であると言えそうです。

男性と女性では「共感」の意味合いが異なる

売るための文章を書きたい場合、顧客に「そうそう、私のことをよく分かっている」と共感してもらう必要があると著者は言います。これは、女性同士の会話でよく聞く「分かる、分かる、そうだよねぇ」という共感の言葉に代表されているかもしれません。

女性たちは、多くの場面で、自分の「感情」が満ち足り、その状況を保つことができる方向性を指向します。極論を言えば、他の人とコミュニケーションを取っているときでさえ、女性の興味や関心は「自分の内面」に向いているのです。(64ページより引用)

多くの男性は自分を客観視し、比較検討する中で状況を正確に把握するのが得意であると言います。そのため、相手の問題を把握し、解決しようという視点のコミュニケーションになりがちです。

しかし、自分にフォーカスする傾向にある女性にとっては、「共感」とは現状を承認しあうことなのです。問題を指摘するのではなく、商品やサービスに「あなたは間違っていない」というメッセージを与えることがポイントになります。

このように本書では、男性と女性では「共感」の意味合いがどのように異なっているかという点を解説しています。

最初の直感とその後の一貫性を意識する

女性が買い物をするとき、「これだ!」とピンときたものに出会って衝動買いをしたという話をよく耳にします。

多くの女性は客観的に正しい判断をしたいのではなく、「自分にぴったり」を求めているため、第一印象で「ピンッとくる」「ときめく」という直感が最も大切です。(120ページより引用)

商品の購入を検討するとき、男性は加点法で考え、女性は減点法で見ていくのだと著者は言います。多くの女性は、第一印象で引きつけられたあと、「あれ、何か違うかも?」という違和感によって減点していくのだとか。つまり、売り手側はこういった違和感や減点が重ならないように、商品の魅力を分かりやすく伝えることや、一貫性を持たせることが重要なのです。

自分の「仕事」を女性視点で見直してみよう

サービスを提供する側が企業であれ個人であれ、すべての仕事は顧客の幸せにつながっているもの。もしその「仕事」が女性向けであるとしたら、女性に好まれるストーリーや共感や直感のポイントを押さえて、より女性に喜ばれるサービスや商品を提供していきたいものです。

タイトル:プリンセス・マーケティング「女性」の購買意欲をかき立てる7つの大原則
著者:谷本理恵子
発行:エムディーエヌコーポレーション
定価:1500円(税抜)

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