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育休中は共働きでも扶養に入れるの?知っておくべき配偶者控除のあらまし

産休・育休の給付金は非課税!

育児休業の取得は女性のキャリア継続に重要な意味を持ちますが、悩みのタネがその間の収入減。給付金を受給できるとはいえ、フルの給与額に比べれば7割程度に減ってしまいます。

子育てがスタートし、ただでさえ出費のかさむ時期。頭の痛い思いをしますが、じつは育休期間中に配偶者の「扶養」に入れることを知っていますか?税金控除の仕組みを知って、世帯にかかる税額を抑え、収入減の期間を賢く乗り切りましょう。

「扶養に入る」の2つの意味

育休中, 扶養 (写真=Nejron Photo/Shutterstock.com)

私たちは日常的に「扶養に入る」という言葉を使いますが、そこには2つの意味が含まれます。1つは社会保険上の「被扶養者」のことで、もう1つは所得税上の「配偶者控除」のこと。育休中の「扶養に入る」とは、後者の所得税上の「扶養」を意味します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

●社会保険上の「扶養」

職場の健康保険や厚生年金に加入している場合は、被保険者の納める保険料や年金で配偶者の健康保険や年金もカバーすることができます。健康保険では「被扶養者」という扱い、厚生年金では国民年金の「第3号被保険者」という扱いになります。

健康保険で被扶養者と認定される基準は、年間収入が130万円未満かつ被保険者の年間収入の2分の1未満であること。健康保険の扶養対象となれば、年金でも第3号被保険者となる要件を満たします。

しかし、育休中は社会保険上の扶養に入る必要はありません。産休・育休中は、自分の健康保険や厚生年金に加入したままで、保険料の払い込みが免除されるからです。

●所得税上の「扶養」

共働きでそれぞれに収入がある場合、それぞれの給与から税金を引かれるわけですが、一方の収入が一定金額以下の場合は、もう一方の所得税において控除を受けることができます。配偶者の税控除は、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の2種類です。年末調整や確定申告で反映させます。

控除の対象になるかどうかは、収入の額によって決まります。フルタイム勤務の会社員などの場合、収入が多いため、配偶者控除の対象になることはあまりありません。しかし、産休や育休に入り給付金を受けている期間は、妻を配偶者として申告することで、控除を受けられる可能性が出てくるのです。

2018年、配偶者控除の制度が改正された

育休中, 扶養 (写真=NOBUHIRO ASADA/Shutterstock.com)

配偶者控除は1961年、妻の家計への貢献を考慮して控除額を引き上げ、一般の扶養控除から分離して創設された制度です。1987年には、配偶者の収入が増えたときに控除から外れることでかえって世帯収入が下がる逆転現象に配慮して、控除額の減少をなだらかにする配偶者特別控除が設けられました。

このとき、配偶者の年収上限として103万円という額が設定されました。しかし、家計の補助として働く妻の間で収入を103万円以下に抑える働き方が広まり、女性の就労を抑制する「103万円の壁」として問題となりました。

そこで、2018年の税制改革において、女性の働く意欲を後押しし就業調整せずに働ける環境を整備する目的で、配偶者控除および特別控除の年収上限が引き上げられることになったのです。一方、納税者本人の年収要件は厳しくなり、本人の年収が一定基準より高い場合は、配偶者控除が受けられなくなりました。

育休中の配偶者控除、私も受けられる?

育休中, 扶養 (写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

では、配偶者控除と特別控除の控除額を具体的に見ていきましょう。

ここからは、共働き世帯の妻が産休・育休中に配偶者控除の対象者になることを前提として、納税者本人=夫、配偶者=妻として記述していきます。また、年収要件については、給与以外の収入がない給与所得者と想定して、源泉徴収される前の全収入の合計額である給与収入額で記載します。

●配偶者控除、特別控除の年収要件と控除額

配偶者控除の対象となる妻の年収は103万円まで、配偶者特別控除の対象となるのは103万円を超えて201万円まで。夫の年収は①1120万円以下②1120万円~1170万円③1170万円~1220万円の3つに分けられ、1220万円を超える場合は控除を受けることができません。

夫の年収①~③で控除額は変わり、また、妻の年収が増えるに従って段階的に減っていきます。

控除額は次の通りです。

【配偶者控除額】妻の年収:夫の年収別控除額
103万円以下:①38万円 ②26万円 ③13万円

【配偶者特別控除額】妻の年収:夫の年収別控除額
103万円~150万円:①38万円 ②26万円 ③13万円
150万円~155万円:①36万円 ②24万円 ③12万円
155万円~160万円:①31万円 ②21万円 ③11万円
160万円~166万7999円:①26万円 ②18万円 ③9万円
166万7999円~175万1999円:①21万円 ②14万円 ③7万円
175万1999円~183万1999円:①16万円 ②11万円 ③6万円
183万1999円~190万3999円:①11万円 ②8万円 ③4万円
190万3999円~197万1999円:①6万円 ②4万円 ③2万円
197万1999円~201万5999円:①3万円 ②2万円 ③1万円

妻の年収が103万円までの場合の配偶者控除と150万円までの場合の配偶者特別控除では控除額が変わらないことに気付いたでしょうか。

つまり、妻は150万円まで収入を増やしても、控除額において不利益を受けないようになった、ということです。

●出産育児期に受ける公的給付は収入に含まれない

産休中や育休中には、出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金などの公的な給付を受けることができます。これらの給付金は非課税扱いで、配偶者控除を判断する際の収入額とは見なされません。

そのため、妻の年収額としては、産休・育休に入る前と終わった後に得た給与収入だけを合計すればよく、納税の年度内に産休や育休の期間が含まれていれば、配偶者控除を受けられる可能性が高いのです。

出産育児期には配偶者控除を受けられる可能性が大

育休中, 扶養 (写真=LeManna/Shutterstock.com)

配偶者控除を受けることができれば、収入の減る時期に大きな助けになりますよね。産休や育休を迎える人は、配偶者控除や特別控除を受けることができるかどうか、まずは自分と夫の給与収入を計算してみましょう。

給与収入のみで生活していると会社が納税処理を行ってくれるので、年末調整や確定申告に無自覚になりがちです。配偶者控除が受けられることを確認したら、機会を逃さず申告して上手に節税しましょう。

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