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【2019年版】扶養範囲内で働く条件を解説!メリット・デメリットとは

賢く利用して税金をもっと安く!

結婚や出産を機に、働き方を正社員からパートへ変えることを検討する人も多いです。そんなとき、会社員である夫の扶養範囲内で働くかどうか悩むところですよね。

扶養範囲の条件は、所得税や住民税などの「税金」と健康保険や年金などの「社会保険」とで異なります。この記事では、扶養範囲内で働くための条件や計算方法、メリット・デメリットについて解説します。

税金の扶養とは?

パート勤務などにより、十分に生活するだけの収入がない家族を扶養家族にすることで、世帯主の税金が安くなる所得控除を受けられます。

妻を扶養家族に入れるときに利用できる税制を「配偶者控除」と言います。また、子どもや、仕送りをしているなど生活の面倒を見ている親がいる場合に利用できる税制を「扶養控除」と言います。

社会保険の扶養とは?

扶養, 範囲 (写真=Tiko Aramyan/Shutterstock.com)

社会保険の面では、妻が夫の扶養に入ることで、本来、妻自身が健康保険や年金に加入して保険料を払うべきところを、夫の保険料のみで、保険や年金のメリットを受けることができ世帯の保険料を抑えることができます。

扶養に入るための年収やほかの条件は?

夫の扶養範囲内で働くときの条件として「○○円の壁」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。近年、法改正が繰り返され、壁の金額は変化しています。それぞれの「壁」について見ていきましょう。

●103万円の壁

妻の年収が103万円以下の場合、妻自身が所得税を納付する必要はありません。また、夫の扶養に入ることができるので、夫が「配偶者控除」を受けることができ、所得から38万円が差し引かれるため、夫の税負担が軽くなります。一方、妻の年収が103万円を超えると、妻自身が所得税を納付する必要があります。

●106万円の壁

2016年10月に新たにできた壁です。社会保険の加入対象が広がり、以下の条件にすべて該当すると、妻自身が社会保険に加入することになり、夫の扶養に入ることができなくなります。

(1)1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上であること
(2)1カ月あたりの決まった賃金が8万8000円以上であること
(3)雇用期間の見込みが1年以上であること
(4)学生でないこと
(5)従業員数が501人以上の会社で働いていること

年間の収入だけではなく、パート先の従業員数や労働時間など複数の条件があります。扶養範囲内で働く場合は、これらをしっかり押さえたうえで働き方を決めるとよいでしょう。

●130万円の壁

妻が「106万円の壁」に該当しないときの次の壁です。妻の年間の収入が130万円以上(月の収入10万8333円超)になると、妻自身が社会保険に加入することになり、夫の扶養に入ることができなくなります。

●150万円の壁

2018年1月の改正により新たにできたのが「150万円の壁」です。

妻の年収が103万円を超えたとしても、150万円を超えるまでは夫は「配偶者特別控除」と言って、38万円の所得控除が受けられるというものです。

しかし、2018年の法改正により、配偶者特別控除を受けるための夫の収入条件が追加されました。そのため、夫の年収によっては所得控除が使えず、夫の税金が増えてしまうケースもあります。

以下の表は夫と妻の年収から、夫の所得控除がいくらできるのかをまとめたものです。それぞれの収入を当てはめて確認するとよいでしょう。

扶養, 範囲

扶養, 範囲

交通費は年収の計算に含まれる?

通勤のために必要な交通費が給与と一緒に支給されるケースも多いと思います。税金の「配偶者控除」または「配偶者特別控除」を受けられるかを判断する103万円・150万円の壁の計算の際、この交通費は年間の収入に含めません。また、社会保険の106万円にも交通費は含みませんが、130万円の壁の計算には含めます。

「壁」によって交通費を含めるか否か異なりますので注意が必要です。

扶養範囲を超えてしまったら

それぞれの壁である扶養範囲を超えた場合、上記で解説したように税金、社会保険とも扶養から外れることになります。また、税金の上では、妻の年収が103万円を超えると、妻自身に所得税がかかります。しかし、103万円を超えた部分に税率を掛けて所得税を算出するため手取りが大きく減るわけではありません。

一方、社会保険については106万円または130万円の壁を超えてしまうと妻自身が社会保険に加入し保険料を支払うことになるため、手取り額が大きく減ることになります。

将来を見据えて働き方を決めよう

扶養に入るため、年収の壁を意識しながら働くことがメリットになるのかデメリットになるのかは、人により異なります。

考え方としては、家庭の事情などで勤務時間が限られる人は「壁」を意識して働くのもよいと筆者は思います。しかし、勤務時間に特段制限がない人は、壁を超えてさらに多く収入を得られることで、将来の年金受給額が増えるというメリットがあります。

人生100年時代とも言われるように、私たちが今生きているのはかなりの長寿社会です。限られた収入源に頼っていくのは危険とも言えるでしょう。もし働けるなら「壁」を気にしない方がマネープランの観点では得策です。今だけを見るのではなく、将来を見据えたライフプランを立てながら、働き方を考えていきましょう。

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