(写真=筆者撮影)

「出世したい?」銀行4年目女子に尋ねてみたら

銀行4年目女子のキャリア座談会・前編

「銀行離れ」。2月に発表されたリスクモンスターの「就職したい企業・業種ランキング」で三菱UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行がそれぞれ順位を大きく下げる結果となるなど、近年、就職先としての金融機関に対する見方が変化しています。

実際、金融機関で働く女性たちは自身のキャリアについてどう考えているのでしょうか?銀行に勤めて4年目の女性2人を招き、話を聞いてみました。

座談会参加者プロフィール

銀行, 女性, キャリア (写真=筆者撮影)

薫さん:A銀行4年目、本店営業事務を担当。就活時はマスコミ志望だったがうまくいかず、内定が出たA銀行に就職。写真左。
彩華さん:B銀行4年目、個人営業を担当。就活時から金融志望で希望の会社に就職できた。写真右。

※いずれも仮名。以下、敬称略

金融機関に入ったきっかけ

銀行, 女性, キャリア (写真=筆者撮影)

——金融機関に入ったきっかけを教えてください。

薫:もともと金融機関には全然、行きたくなかった(笑)。ただ、就職活動でなかなか受からなくて、長く募集しているのが金融機関でした。私、もともとマスコミ志望だったんです。新聞社とNHK。

彩華:私は薫さんとは真逆で、もともと金融に入ろうと決めていました。学生時代、塾講師をずっとやっていて、勉強してお金になるのがすごく面白くて。また、金融機関ならもし将来仕事を辞めてもファイナンシャル・プランナーとして独立することができると思ったんです。その知識は自分や自分の家族のためにも使えますし。あとは、歩合給の部分があって、頑張った分、ボーナスが入ってくるのもいいなと思いました。

金融機関に入社してよかったことは?

——金融機関に勤めてよかったと思うことは何ですか?

薫:思っていた以上にいろんな業種があったことかな。この業種は合わない、と思ったときでも異動できる。

——自分に合わない部署にいたこともあったんですか?

薫:はい、最初に配属された店頭での営業は個人的には合わなかったと思います。結局、営業って体育会系で、自分はこのお客様に売りたくない、と思っても売る必要があったんですが、あまりそういうのが合わなくて……。その次の営業している部署の事務はとにかく細かい作業が多くて合わなかった。書類の不備とかもとても細かくて……だから金融には行きたくなかったんですよ(笑)。「これくらいいいじゃん」って思ってしまう。

彩華:わかる!「レ点」一つ、足りなかったらお客様から自筆でわざわざもらいにいかないといけない、とかね。

薫:私はどうしてもミスしがちで、多分向いていなかったと思います。でも、今の部署は楽しいですよ。

——今の部署はどういうところが楽しいんですか?

薫:今の部署は営業マンから電話がかかってきて、手続き方法を教えたり、いろいろ調べたりするのが役目なのですが、私、もともと人と話すのは好きなんです。目の前の困っている人を助けられると、役に立っている感があるんです。

彩華:薫さんのポジションってホント、営業マンにとってはありがたいんですよね。いつも助けられています、ありがとうございます。(笑)

銀行, 女性, キャリア (写真=筆者撮影)

——彩華さんは金融機関で働いてよかったと思うことは何ですか?

彩華:うーん、何だろう……。(少し考えてから)金融の知識が身につくことですかね。例えば、投資信託を売っているのですが、売る以上、商品について勉強しないといけないので自分でも買ってみたりもして、だいたいどれくらい利益が出るかなどがわかるようになりました。運用して増えたお金で好きなものを買えるのも楽しいです。

金融機関で働いていて、大変だと思うこと

——逆に、仕事で大変なことはどんなことですか?

薫:「これくらい平気でしょう」っていうのが通用しないところ。金融機関だから仕方がないとは思うんですけど、ほんのちょっと違うだけでもすごく大問題で、何もかも絶対に間違えてはいけない。私は大雑把な性格なので「それぐらいいいじゃん……」って思ってしまうけど、そういう雰囲気は一切ないですね。

彩華:カルチャーショックだよね。こんなに厳しいのか……って。

薫:もしかしたら他の会社もそうかもしれないけれど、飲み会の席次とかもね……座る人をあらかじめ幹事が考えておいて、当日はその順番に座るように促して……。

彩華:私が気になるのは休暇を取るときかな。「お忙しい中、穴を空けて申し訳ありません」と言う。休暇から戻ってきてからも「休暇を頂きありがとうございました」と申し訳なさそうにしている。日常的にとにかく謝っていますね。(笑)

「出世したくない」と思っている人が多い

銀行, 女性, キャリア (写真=筆者撮影)

——今の会社で出世したいと思いますか?

薫:できるに越したことはないと思うけど……。

彩華:したくない、と思っている人が多いんじゃないかな?営業で上がってきている女性で結婚している人はいないです。育休は取れると思うけど、数字達成に対するプレッシャーが大きいので、そこまで稼ぎたいとは思わないです。

——金融機関で出世するためにはどういうことが必要ですか?

彩華:うちの支店だとパフォーマンスの見せ方が重要です。支店長がトップ、その下の各部に部長がいて、さらにその下に課長がいて、課長代理がいる。そうなるとさすがに支店長は営業マン一人ひとりの仕事ぶりを見られないので成果を出していることを伝えることが重要ですし、極端に言うと、どんなやり方をしていても数字が出ていれば評価されます。

薫:数字はすごく大切だし、社内の人脈的な部分もあると思う。上にいる人と似ている考えの人が出世していく。銀行は別の銀行と合併しているケースが多いので、どこの系列出身なのか、とか。出身大学が一緒だったなど、そういった共通点があると上の人と繋がりやすいです。

出世で気になる“ガラスの天井”

銀行, 女性, キャリア (写真=筆者撮影)

——薫さんは出世についてどう思いますか?

薫:コースによっては”ガラスの天井"があって……。

——“ガラスの天井”とはどういう意味でしょうか?

薫:私はいま全国転勤しないコースにいるのですが、どれだけ頑張って仕事をしても、転勤があるコースの人の出世スピードにはついていきようがないんです。私と同じコースの先輩がめちゃくちゃ頑張ったとしても、上の方のリーダーは全国転勤ありの人。私たちはその人たちの指示に従うだけ。

彩華:やっぱり数字を出す人が一番で、営業が出世しやすい。全国転勤ありのほうが営業の人が多くて、昇給するスピードも早いんですよね。

——出世したくない、って思う気持ちが少し分かったかもしれません……。

彩華:ある男性の同僚は、私には「いつか転職して辞めるでしょ?」って言うのに、男性の同期には「お前は課長代理を目指していけ」と言っていました。そもそも男性か女性かで期待感も違うと思う。私は金融機関で仕事を続けていこうとは思っています。ただ、営業だと残業がたくさんあるし、数字のプレッシャーも大きいので、プライベートがままならないです。出産や結婚があったら、営業じゃない部署に行きたいなぁ。

後編は「10年後の理想のキャリア」

2人の話を聞いると、今の勤務先で出世したいと夢を抱いているわけではなく、また2人の周囲にはそのようなキャリアを目指す女性はほとんどいないのだろう、と感じました。ただ、もちろん組織内で出世することだけがキャリア形成ではありません。後編では、お二人が10年後に向けて、どのようなキャリアを目指したいか?について尋ねてみました。

後編に続く)

3月24日、金融女性向けキャリアイベント開催

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3月24日(日)の午前10時から、元大和証券・楽天証券のファイナンシャル・プランナー久富有里加さんをお招きして金融女性向けのキャリアアップイベントを開催します。鎌倉市在住で、結婚・出産後も輝きながら働いている久富さんの「自分らしいキャリア」を手にするまでのストーリーをお伺いします。モデレーターは元新聞記者で結婚後もITベンチャーで働くDAILY ANDS編集長くすいともこ。女性が自分らしく輝き続ける方法とは?

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