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厚生年金の扶養は本当にお得?仕組みや手続き方法、注意点を解説

厚生年金の扶養制度を賢く利用!

会社員や公務員が加入している厚生年金は老後の大事な収入となります。この厚生年金に扶養という制度があることをご存じでしょうか?

扶養制度を上手に利用すると家計改善に役立ちますが、その制度はちょっとだけ複雑で難しいものになっています。

今回の記事では分かりにくい厚生年金の扶養制度について、できるだけ分かりやすくまとめます。家計改善の助けになると思いますので参考にしてみてください。

厚生年金の扶養って何?

まずは厚生年金の扶養の概要を簡単に確認しましょう。

●扶養される方の年金保険料負担がゼロに

通常は誰もが何らかの公的年金に加入し、その保険料を支払わないといけません。厚生年金の扶養制度を利用すると、扶養される方の年金保険料は免除されます。

扶養する方の保険料はそのままです。「扶養する方ではなく、扶養される方に恩恵がある」ということに注意してください。世帯の支出を減らすと考えると良いでしょう。

●保険料負担ゼロでも老後の年金の一部を受け取れる

ここまでで、「年金保険料を支払わないと老後の年金がないのでは?」と思われた方もいるかもしれません。でも大丈夫です。老後の年金は扶養される方にも用意されています。

厚生年金の扶養制度で保険料支払いが免除された方は、老齢基礎年金の受け取りがあります。これは自営業者などが加入している国民年金の老後年金で、最も基本的な年金です。2018年の満額は年間77万9300円でした。

会社員などの年金である厚生年金と比べると受け取れる金額は少ないですが、そもそも保険料負担はゼロなので、お得でしょう。

厚生年金で扶養に入れる条件

扶養,厚生,年金 (写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

厚生年金の扶養制度を利用するには、一定の条件を満たす必要があります。

●扶養する側が会社員か公務員でないとダメ

扶養制度が用意されているのは会社員や公務員が加入している厚生年金だけです。自営業者などが加入する国民年金にはこの制度はないので、扶養する方が会社員か公務員でないといけません。

●生計を一(いつ)にする

扶養制度を利用するには、扶養する方とされる方が「生計を一(いつ)にする」ことが必要です。これは同居していなくとも、生活費を共有していれば大丈夫です。

転勤などで扶養する方とされる方が同居できなくなったとしても、仕送りなどで生活費を共有していれば制度を利用することができる可能性があります。

●扶養に入る方の年収が一定以下

扶養に入る方の年収が一定以上あると扶養制度は利用できません。細かいルールがありますが、基本的には扶養される方の年収が130万円以下(額面)であることが必要です。

なお、扶養される方がパートなどで働いている場合、パート先の企業規模や雇用条件によっては扶養される方自身が厚生年金の加入者になる可能性があります。その場合、扶養からは外れますので注意してください。

厚生年金の扶養、どうやって手続きをするの?

扶養,厚生,年金 (写真=Tom Wang/Shutterstock.com)

厚生年金の扶養に入るための手続き方法を確認しましょう。

●扶養する方が勤務先で手続き

扶養の手続きは、扶養する方が行います。「国民年金第3号被保険者関係届け(兼 健康保険 被扶養者(異動)届)」を提出します。これは勤務先に用意されているので、人事部や総務課などの窓口で手続きをしてください。

●証明書類も一緒に添付

勤務先によっては同時に証明書類の提出を求められる可能性があります。住民票や扶養される方の所得証明書などです。

証明書類は必ず必要というわけではありません。勤務先が世帯の事情を承知している場合など、提出せずに済む場合もあります。必要な書類が何か、勤務先の窓口で確認しておくと確実でしょう。

厚生年金の扶養制度の注意点

扶養,厚生,年金 (写真=violetblue/Shutterstock.com)

厚生年金の扶養制度はお得に思えるかもしれませんが、少し注意したいことをお伝えします。

●扶養される方の老後資金の備えがほしい

厚生年金保険の扶養に入ったからといって、「2人分の年金」が受け取れるわけではありません。先述しましたが、扶養される方が受け取れるのは「老齢基礎年金」といって、通常、厚生年金保険に加入している人が受け取れる年金の一部に過ぎません。その金額は決して多いものではありません。

当然ながら自分で厚生年金保険に加入した方が、将来受け取れる年金額は多くなります。もし厚生年金保険の扶養に入る場合でも、別途貯蓄をしっかり行うなど、老齢基礎年金以外にも老後の資金を用意した方が望ましいでしょう。

●両親を扶養に入れるときは年収要件により注意

生計を一にしていれば両親も扶養に入れられますが、この場合年金も収入に含まれます。

60歳以上の方を扶養に入れる場合は180万円まで収入があっても大丈夫ですが、給与も年金も受け取るとこの金額を超えてしまう可能性が高くなります。

扶養制度を理解し家計の改善に

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厚生年金における扶養制度を利用すると、世帯の社会保険料負担を大きく減らすことができますが、将来受け取れる年金額は一部であるということに注意しましょう。制度を理解し、上手に利用したいですね。

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