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健康保険の扶養の仕組みを分かりやすく解説。扶養に入るための3つのポイント

扶養をうまく利用するための基礎知識

「扶養制度」を上手に使うと健康保険料などの家計負担を減らすことができます。扶養にもいくつか種類がありますが、今回は特に「健康保険の扶養」について、仕組みや利用の条件を分かりやすく紹介します。

健康保険の扶養とは?健康保険料が無料に

扶養,健康,保険 (写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

まずは健康保険における扶養とはどういうものなのか、説明します。

病院にかかった時、私たちが支払う医療費の負担は3割で済みますよね。これは、健康保険に加入しているためです。日本では誰もが公的な健康保険制度のいずれかに加入しないといけません。

基本的に加入者には保険料の支払い義務が発生しますが、扶養に入ると保険料を支払わなくても健康保険の恩恵にあずかることができます。

扶養する方に直接恩恵があるわけではありませんが、世帯で見ると健康保険料の負担が減り、家計の負担軽減につながります。

健康保険の扶養に入るための3つのポイント

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扶養制度は保険料負担なしで健康保険に加入できるお得な制度ですが、利用するにはどのような条件があるのでしょうか。主に3つの条件がありますので、それぞれ確認してみましょう。

●パートナーが会社員か公務員である

扶養制度があるのは会社員や公務員向けの健康保険制度だけであり、自営業者等が加入する「国民健康保険」には扶養制度がありません。そのため、扶養している方が会社員か公務員でないと扶養制度は利用できません。

●生計を一(いつ)にする

扶養する方とされる方は、「生計を一(いつ)にする」必要があります。

「生計を一にする」とは、必ずしも同居して一緒に生活しているというわけではなく、生活費を共有しているという意味です。仮に単身赴任などで別居していても、生活費を共有していれば扶養制度を利用できる可能性があります。

●扶養に入る方が一定以下の年収

扶養に入りたくても、一定以上の収入がある場合は対象から外れてしまいます。年齢により若干違いがありますが、基本的には130万円以上の収入がある方は扶養に入れません。

扶養に入るために必要な手続きは?

扶養,健康,保険 (写真=Mangostar/Shutterstock.com)

扶養制度を利用するには、扶養する方が「健康保険被扶養者(異動)届」を勤務先に提出する必要があります。この書類は勤務先に用意されていますが、一緒に証明書類の提出を求められる可能性があります。どんな書類を用意しないといけないのでしょうか?

●続柄の確認のための書類

戸籍謄本や住民票を提出し、扶養する方とされる方の続柄を証明します。

●収入の確認のための書類

扶養される方が収入要件を満たしてるか確認するため、扶養される方の所得証明書などを提出します。

●仕送りの確認のための書類(別居している場合)

別居している場合は生計を一にしていることを証明するため、預金通帳のコピーなどを提出します。

なお、これらの添付書類は勤務先によっても異なる可能性があります。詳細は勤務先に確認しましょう。

日本年金機構 健康保険被扶養者認定事務の変更にかかるお願い

扶養される方が収入を得ている場合は要注意

扶養,健康,保険 (写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

先ほど扶養される方は130万円までなら収入を得ていても扶養に入れられると述べましたが実は近年、事情が変わってきました。収入が130万円以下でも扶養から外れてしまう可能性が出てきたのです。一体どうしてでしょうか?

●法改正で新たな基準が

これまで多くの企業は正社員だけを健康保険などの社会保険に加入させればよかったのですが、法改正で加入対象者が広がりました。企業の規模や労働条件が一定以上となる場合、パートなど非正規雇用の従業員も社会保険に加入させる義務が発生したのです。

扶養される方がこれに該当すると扶養から外れ、自分で社会保険料を負担することになります。扶養される方でパート等の収入がある方は注意が必要です。

●社会保険加入の条件

新しい条件のうち、主なものを以下に挙げます。

  • パート先の従業員が501人以上
    (※労使合意がある場合は500人以下も対象)
  • 週20時間以上の労働
  • 月額8万8000円以上の給与

他にも条件はありますが、この3点が主なものです。月8万8000円以上の給与が要件としてあるため「106万円の壁」と言われています。

扶養される方がパート等の給与を受ける場合は気を付けましょう。

厚生労働相 平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)

扶養を上手に使い家計負担を減らそう

扶養,健康,保険 (写真=Princess_Anmitsu/Shutterstock.com)

家計において、健康保険などの社会保険料は決して軽い負担ではありません。扶養制度はこの負担を一気に減らすことができる有効な制度です。

長い目で見て女性がキャリアアップするためには、健康保険の扶養のためだけに年収をおさえるのは考えものですが、仕事をセーブしなければならない時期もあるでしょう。もし利用できそうなら一度検討してみましょう。

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