(写真=筆者撮影)

【連載】「会いに行けるお金の専門家 Moneylist(マネリスト)」

金融女性はキャリアの棚卸しで「やる気をなくした時」に向き合おう

金融専門キャリアアドバイザーインタビュー(後編)

「キャリアの棚卸しで重要なのは、『モチベーションが下がった時』です」

働く女性のためのお金のメディア「DAILY ANDS」は金融女性のためのキャリアイベントを3月24日に開催します(参加無料)。イベントの開催を前に、金融専門のキャリアアドバイザーに金融女性のキャリアのお悩みについてインタビューをしていたところ、「キャリアの自己分析で特に大切なのは、モチベーションが下がった時のことを言語化すること」とのお話がありました。

どういうことでしょうか? 深掘りすると、「将来不安だけれども、特にやりたいことがあるわけではない」というキャリアのモヤモヤ期にいる女性に伝えたいメッセージが込められていました。

前編はこちら

今回、取材に協力してもらったのは……

金融,女性 (写真=筆者撮影)

「ZUU CAREER」
キャリアコンサルタント
佐藤 僚介さん
大阪府出身。京都大学卒業後、三井住友銀行に入行。支店業務や法人営業に従事し、2018年5月に株式会社ZUUに参画。金融特化型キャリア支援「ZUU CAREER」のキャリアコンサルタントを務める。金融パーソン向けの営業力向上のための個別コンサルティング、営業力向上講座の講師なども行う。

「モチベーションが下がった時」からわかること

ーー「モチベーションが下がった時」が重要?

モチベーションが下がった時を聞くことでその人の正義感や価値観が浮き彫りになるんです。

もしその人のモチベーションが下がったのが「成果が出なかった時」なのであれば成果に対して価値を置いていることになりますし、「顧客が本当に必要としているかどうかわからない商品を売っている時」であれば顧客本位の営業活動ができているかどうかが重要ということになります。

その人の絶対に譲れない価値観はその人の感情がマイナス方向に振り切ったときにあらわれるものなんです。

金融女性のキャリアの棚卸しのポイント

金融,女性 (写真=筆者撮影)

ーー金融女性のキャリアの棚卸しのポイントがあれば教えてください。

とにかくマイナスの感情を言語化することです。正直人間って、プラスのことより文句の方が言いやすいという側面があるじゃないですか(笑)。そこは利用すべきなんですよね。自分の中のドロドロした感情に向き合う。

ドロドロした感情をほったらかしにしておくと、結果、新しい職場に行ってからも、また同じマイナス感情に向き合わなければいけない時が来ます。そうなるぐらいなら、早いうちから棚卸ししておいた方がいいと思います。

ただ、マイナスの感情をちゃんと吐き出そうとするとパワーが必要なので、そこを僕たちがお手伝いしています。

「なりたい自分」を見つける方法

金融,女性 (写真=前回の金融女性向けセミナーの様子、2019年1月)

ーーマイナスの感情に向き合ったら、転職活動に活かしていけばよいですか?

マイナスをプラスに寄せるだけでは対処療法的な転職になってしまいますので、自分がそういう考えを持つに至った「根本的な価値観の軸」を理解することが大切になります。そしてその延長上にキャリアがあるかを考えます。

ーー根本的な価値観の軸……?

これは、「自分ってどんな価値観の人間なのか」「どんな状態が理想なのか」の2点を深掘りすることで見えてきます。

まず前者に関しては、「人生の大きな意思決定」に向き合うのがおすすめです。例えば、

・なぜその部活に入ったのか?
・なぜその学校を選んだのか?
・なぜその家に住もうと思ったのか?
・なぜその会社に入ったのか?

など、自分が人生について何かしら意思決定をしたタイミングをいくつか挙げて、それぞれ「なぜ?」と問いかけることで自分の価値観がよくわかります。

また後者に関しては、ざっくりでいいので、10年後の自分の理想像を思い浮かべてみてください。「ここに住みたい」とか「これくらい稼ぎたい」「こんな生活をしたい」「こんな満足感を得ていたい」など、直接キャリアに関係ないことでも何でもOK。いったん現状を度外視して、理想ベースで10年後の理想の自分を挙げまくる。

それから「このままでも10年後の自分に行けそうだな」と思ったら転職をしなくてもいいかもしれないですし、「こういうところを改善したらたどりつけるかもしれない」とわかればそれを叶えるために転職をしてもいいかもしれない。

この2つの作業をすれば、「自分ってどんな価値観の人間なのか」「どんな状態が理想なのか」ということがはっきりするので、意志決定のベースが整います。

年収を下げずに転職するコツ

ーー年収を下げずに転職するコツがあれば教えてください。

スキルを活かすことです。仕事は主に「業界」と「職種」の掛け合わせで決まりますが、一般的に「職種」を変えない方が年収は下がりづらいと言われています。金融営業の人であれば、別業界の営業に転職すると年収は下がりづらいです。不動産の営業でもいいですし、人材の営業でもいいでしょう。

ーー佐藤さんご自身は金融機関の営業職から金融のキャリアコンサルタントに転職していますから、職種を変えていますね。

僕の場合、年収を上げようと思って転職していないので。年収ではなく、スキルを取りに行った転職でした。

ーーそうだったのですね!また、面接に通過するコツがあれば教えてください。

面接で高い評価を得ている人は面倒くさがらず先程もお伝えした「価値観の言語化」、いわゆる自己分析をしています。僕が「考え切れていないですよ」とか、「分析が甘いんじゃないですか?」と言っても食い下がってくる人は徹底的に自分と向き合っていたり、価値観が言語化できていて判断軸がはっきりしている人が多い。だからこそ、面接官からも「筋が通っている」という評価を受けやすくなります。

ーーZUU CAREERはそこまで言うんですね。

十分、分析しきれていない相手に対して「これでいいと思います」と言う方が不誠実だと思います。年上だろうが関係なくズバズバ言います。

金融女性にアドバイスしたいこと

金融,女性 (写真=金融女性向けセミナーに登壇した佐藤さん、2019年1月)

ーー金融女性になにかアドバイスがあれば教えてください。

僕は金融機関の方は営業職としての市場価値が高いと思っています。営業成果に対するいい意味での執着がありマーケット情報や決算書等に日常的に触れていらっしゃる分、数値ベースでの思考に慣れているのも強いです。また金融商品は商品が他社と差別化しづらいものだからこそ、その商品を買うことに対する意味付けやストーリーテリングをしなくてはならず、そういった環境にいらっしゃることは知らず知らずのうちに営業力向上につながっています。

金融女性には上記のような金融パーソンとしての明確な強みがあるので、女性ならではのキャリアに関する悩みはつきないかもしれませんが、もっとその能力やスキルは外でも活かせるということを知ってほしいです。

少しでもキャリアにモヤモヤするのであればぜひ自分と向き合ってほしい。そのためにさまざまな形でお手伝いさせていただきたいと思います。

ーーありがとうございました!

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