(イラスト=木村豪)

【連載】「恋する株(ストック)彼氏」

#07 ひと口含むだけでドキドキ胸に火を灯す男

いいお酒は ふたりの距離を グッと近づけるんだぜ

●株(ストック)彼氏 #07のスペック
ナンバー(証券コード):2533
名前:オエノンくん
業種:食料品
性格:ガッツがある、ハイパーポジティブ
交際タイプ:みんなでワイワイするのが好き

グイグイ来るオエノンくん

「今夜、うちで飲み会やるんだ。藤川も来るっしょ」
「は?今日の今日なんていきなり過ぎる。わたしにだって予定ってものが」
「どうせミホちゃんと飲むんでしょ?ミホちゃんも一緒に連れておいで。みんな喜ぶし」

こんな強引な誘い方でも、まったく嫌な気を起こさせないのがオエノンくんの不思議なところ。酒屋さんの2代目として、地元のみんなから愛されている。

さびれかけていた商店街も、オエノンくんの働きかけで、お年寄りが朝から集まる喫茶店や、一人暮らしのOLさんが自分のために買っていくようなお花屋さんがオープンし、息を吹き返したように賑やかになってきた。

「最近は、若者のアルコール離れが進んでるって言うだろ?でもな、一緒に酒を飲むことで分かりあえることもあるんだぜ。もちろん無理やり飲ますのは論外だけどな」

オエノンくんは、お酒のことならなんでも知ってる。

「ユミちゃんは、あんまりお酒が強くないんだけど、なんか飲みやすいお酒ある?」
「ちょっと待ってて」

キッチンでしばらくゴソゴソして戻ってきたオエノンくんは、赤い飲み物をユミちゃんに持ってきた。

「飲んでみて」
「うわぁ。サッパリしておいしい!なんですか、コレ?」
「梅酒にアセロラジュースを混ぜたんだ。これなら美容にもバッチリだぜ」

ちょっとちょっと、ユミちゃんの目がハートになってるんですけどー。

落ち着く鍛高譚

「藤川にはコレな。ちょっと風邪気味だって言ってただろ」

渡されたのは、レモンの入ったあたたかい飲み物。ひと口含むと、じんわり心まであったかくなる。

「ふ〜」

なんだか肩の力が抜けるな。

「藤川の好きな鍛高譚をホットレモネードで割ってみたんだ。けっこうイケるだろ?」

そうそう、鍛高譚は、わたしが生まれて初めて飲んだお酒。”たんたかたん”っていう音の響きが好きで飲み始めたのがキッカケだけど、独特のシソの香りは、ぶどうの品種がどーのこーのとワインのウンチクを語るようになった今でも、「やっぱコレだね」と落ち着いちゃうのです。

お酒でドキドキ?

「ねえねえ、オエノンくん」

ちょっとお酒が回ってきたわたしは、オエノンくんとゆっくり話したくて声をかけたのに、

「お、ちょっと待ってて。田中!おかわりだろ?三年古酒43%のいい泡盛が入ったんだけど、いってみる?」

つい不満そうな顔をしちゃったわたしのおでこをコツンとはじいて「あとでリキュール入りのデザート持ってくるから待ってな。藤川は、いつも飲んだあと、甘い物を欲しがるもんな」

なんだかドキドキしてるのは、お酒のせいかな?

<ちょっと真面目に分析>

株式会社オエノンホールディングスは、発売35周年を迎えた「博多の華 むぎ」や、25周年を向かえた「鍛高譚」など、家飲みでは欠かせない定番酒として不動の地位をもつお酒を造っています。

今後はコアの酒類事業に加え、発酵技術を核とする「バイオテクノロジー」を活かした酵素医薬品事業へも新展開をもくろんでおり、みんなが知っている”チューハイ”の会社とはちがった一面を見せてくれそうです。

2月8日に発表された’18.12期の業績は、北海道地震による影響で、工場閉鎖となったことが打撃となり減益着地でしたが、’19.12期は、チューハイ人気も手伝って増益予想となっています。

株価は去年の5月の高値518円から、一方的にだだ下がり、クリスマスには328円と40%近くも下がりましたが、今年に入って徐々に買い戻され、380円台まで回復しました。家飲み嗜好の高まりや、夏場に向けての缶&瓶チューハイ需要が高まれば、株価も一段上を目指すかもしれません。

(次回は3月11日更新予定)

***

この連載では、株式投資スクール講師の藤川里絵さんが、気になる株(ストック)の銘柄を彼氏に例えて紹介します。隔週月曜正午更新予定。

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