(写真=Yulia Grigoryeva/Shutterstock.com)

キャッシュ・フロー計算書を分かりやすく理解しよう・後編

図解入門ビジネス 最新 決算書の基本と分析がよ~くわかる本5

この記事は金井正義氏の著書『図解入門ビジネス 最新決算書の基本と分析がよ~くわかる本)』(秀和システム、2018/11/30刊)の内容を抜粋したものになります。

・『図解入門ビジネス 最新 決算書の基本と分析がよ~くわかる本』シリーズ
(1)わかりやすい「損益計算書の見方」きちんと理解しよう
(2)「貸借対照表」で見るのはどこ?2つおさえれば読めてくる
(3)ネットでたまに話題になる「のれん」ってなに?
(4)キャッシュ・フロー計算書を分かりやすく理解しよう・前篇
(5)キャッシュ・フロー計算書を分かりやすく理解しよう・後編

※以下、書籍より抜粋

前編はこちら

●フリーキャッシュフロー(純現金収支):営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー

さて、投資活動によるキャッシュ・フローの区分の合計値は、マイナス(赤字)の会社が一般的だと説明しました。

では、どれぐらいの金額のマイナス(赤字)だと妥当なのでしょうか?

具体的には、投資の金額は、どれぐらいが妥当な金額なのでしょうか?

この妥当な投資の金額を考える際に、参考になるのが、フリーキャッシュフローという用語です。

漢字表記だと、純現金収支と記述されます。

フリーキャッシュフローの定義は、いくつかありますが、一番簡易でわかりやすいのが、以下の定義です。

<フリーキャッシュフローの定義>
フリーキャッシュフロー(純現金収支)=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー

さて、フリーキャッシュフロー(純現金収支)は、プラス(黒字)の会社が多いのでしょうか?

それとも、マイナスの会社が多いのでしょうか?

多くの会社では、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス(黒字)で、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス(赤字)の会社が多いので、このプラス(黒字)の値とマイナス(赤字)の値のどちらが大きいのかという議論になります。

一般的には、フリーキャッシュフロー(純現金収支)がプラス(黒字)の会社が多いです。

そして、フリーキャッシュフロー(純現金収支)がプラス(黒字)の会社は、堅実だという評価になるようです。

では、なぜ、堅実だという評価になるのでしょうか?

まず、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス(黒字)なので、本業には、問題ありません。

それから、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス(赤字)です。

したがって、将来の営業活動によるキャッシュ・フローの獲得に貢献する競争力を得るために、投資もし ているということになります。

しかし、投資の金額は、営業活動によって得られるキャッシュ・フローのプラス(黒字)の金額以下なので、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローだけを考えると、キャッシュが増えています。

つまり、本業は問題ないし、将来の営業活動のキャッシュ・フローの獲得に貢献する投資もしていて、かつ、会社には、キャッシュがどんどん増えるということになるので、堅実という評価になるわけです。

●財務活動によるキャッシュ・フロー:資金調達をしているのか

財務活動によるキャッシュ・フローの区分には、財務活動をした結果のキャッシュが表示されています。

では、財務活動とは、どんな内容なのでしょうか?

財務活動と言うと想像しにくいかもしれないので、会社の資金調達やそれに伴う返済を想定すると良いでしょう。

具体的には、借入金、社債、増資が該当します。

また、資金調達ではないですが、株主に対する配当を支払った場合や自己株式を取得した場合にも、この財務活動によるキャッシュ・フローの区分に表示されます。

では、財務活動によるキャッシュ・フローの区分の合計値は、プラス(黒字)の会社が多いのでしょうか、マイナス(赤字)の会社が多いのでしょうか?

財務活動によるキャッシュ・フローの区分の合計値は、マイナス(赤字)の会社が一般的です。

これは、どんな会社が多いということを意味しているのでしょうか?

財務活動によるキャッシュ・フローの区分の合計値が、マイナス(赤字)ということは、資金調達よりも、借入金の返済をしたり、株主への配当金を支払って、キャッシュが社外に流出していることを意味しています。

それでは、財務活動によるキャッシュ・フローの区分の合計値が、プラス(黒字)の会社とは、どんなことをしている会社でしょうか?

財務活動によるキャッシュ・フローの区分が、プラス(黒字)ということは、銀行から借り入れをしたり、増資をしたりして、キャッシュが社内に流入していることを意味しています。

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金井 正義(かない・まさよし)
1964年生まれ。1988年、慶応義塾大学経済学部卒業。1993年に、金井公認会計士事務所を設立して、代表に就任。「独立起業の支援」と「円滑な事業承継の実現」を中心的な事業として推進し、「日本の雇用の増大」と「ビジネスにおける夢の実現」に貢献することを目標として、事務所を経営している。

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