(写真=George Rudy/Shutterstock.com)

自分の城を持ちたい30代独身女性はあえて「賃貸」を選ぶ?生涯費用を比較

賃貸と購入のメリット・デメリットを比較してみた

30代の独身女性が「自分だけの城」と思える家に住みたいと思ったとき、「賃貸」にするのか「購入」するのか迷うことはありませんか?

購入がよいのか賃貸がよいのかは、どちらかが圧倒的に優勢になれない永遠のテーマと言えるかもしれません。日本では、「いつかは持ち家」という風潮があり、「やっぱり賃貸は家賃がもったいない?」と揺れてしまうことも・・・・・・。

そこで今回は、賃貸と購入のメリット・デメリットや生涯費用の比較例、賃貸を選択した場合に便利なことなどにスポットを当ててお伝えします。シングル女性の住居選びの参考にしていただければ幸いです。

賃貸か購入か。メリット・デメリット

30代独身,女性,賃貸 (写真=Photographee.eu/Shutterstock.com)

学生から社会人になり、アパートやマンションなどさまざまな賃貸物件に住んできた方も多いでしょう。しかし、あらためて「自分の家」と言える場所で暮らしたいと考え始めると、果たして賃貸と購入のどちらがよいのか判断できないという方もいると思います。

まずは賃貸と購入、それぞれのメリット・デメリットを再確認してみましょう。

・賃貸のメリット

  • 将来的なライフスタイルの変化に対応できる
  • 初期費用を抑えられる
  • 住宅ローンなど借入する必要がない

賃貸の大きなメリットの一つは、将来発生するかもしれない家族構成の変化にも柔軟に対応しやすい点でしょう。独身女性が「家を構える」場合、ある程度の覚悟を持って判断すると思われますが、パートナーと同居する、家族が増えるなど暮らしに変化が訪れる可能性はないわけではありません。

手狭になったら広い住まいに替える、逆に、広すぎるならコンパクトな住まいに替えるなどライフスタイルに合わせて変えられるのは重要なポイントです。

また、住宅購入のように一気に大きな金額が動くことがありません。敷金、礼金、前家賃などの初期費用はかかりますが、住宅ローンや頭金などの金額と比較すると初期費用は抑えられます。

・賃貸のデメリット

  • 長く住んでも所有はできない
  • 使いにくくなっても自由に直せない
  • 引越しが多いと初期費用がかさむ

賃貸は、どんなに長く住んでも自分の資産にはなりません。また、所有物ではないため、内装や設備機器を自由に変えることはできない点がデメリットとなるでしょう。

賃貸の場合、気軽に「場所を変えられる」という手軽さがある反面、引越しが多くなると敷金などの初期費用がかさむことになります。

・購入するメリット

  • 自分の不動産資産になる
  • リフォームなどで自由に手を加えられる
  • 長期的な家計管理ができる
  • 税制優遇がある

購入の最大の魅力は、なんといっても「家が資産になる」ことでしょう。「持ち家」というと、社会的な信用度が高まるイメージもあるかもしれません。内装の模様替えや古くなった設備を入れ替えるなど、自由にリフォームできる点も魅力です。

住宅ローンを組むと借入金ができますが、税制の優遇措置をうけることができたり、返済計画が決まることで将来にわたる家計管理もしやすかったり、老後のシミュレーションをしやすい点はメリットと捉えることもできます。

・購入するデメリット

  • 住み替えを容易にできない
  • 固定資産税など維持費がかかる
  • 大きな借入金を抱えることになる
  • 返済が困難になる可能性がある

購入した場合、一般には簡単に住み替えはできないでしょう。そのため、職場が変わったときには、通勤が困難になる可能性があります。転勤や転職する予定はないと考え、職場の近くに家を購入する、または職場への通勤に便利な場所に家を購入した場合は、後々困ることになるかもしれません。

また、家を購入すると、所有している間は毎年固定資産税がかかります。不具合が出てきた設備を修理したり、古くなってきた内装をきれいにしたりなど、長く住むための維持管理費も必要になります。

さらに、住宅ローンを利用している場合は、大きな借入金を抱えることになります。購入時には計画性を持って決めたとしても、将来的に収入が不安定になる可能性がないとは言えません。場合によっては返済が困難になる事態も起こり得ますが、住宅ローンを組んでいる場合、容易に契約内容を変更することはできません。

賃貸も購入も、それぞれにメリット・デメリットがあり悩ましいところです。購入して資産になることは喜ばしいけれど、何十年と続く住宅ローンの支払いが滞りなくできるかどうかはやはり心配なもの。「やっぱり賃貸で気楽にいく?」というのが、30代シングル女性の本音かもしれませんね。

意外な結果?「賃貸」と「購入」の生涯費用を比較

30代独身,女性,賃貸 (写真=OlegDoroshin/Shutterstock.com)

賃貸と購入では、生涯費用にどれくらい大きな違いがあるのでしょうか。実際にシミュレーションしてみましょう。

  • 35歳から80歳までの45年間で賃貸と購入を比較
  • マンションに居住すると仮定
  • 購入の場合、住宅ローンフラット35を契約

・賃貸・・・・・・マンション家賃10万円の場合

(4回の引越しをすると仮定)

  • 家賃:5400万円
  • 入居初期費用(引越し回数分):約80万円
  • 賃貸更新料:約200万円
  • 引越し費用:約60万円
  • 合計の支払い額=5740万円

・購入・・・・・・マンションの金額3500万円の場合

(35年ローン 金利1.45% 元利均等払い ボーナス・頭金なし)

  • 返済総額:4465万円
  • 購入諸経費:約200万円
  • 維持管理・税金など:約1800万円
  • 途中リフォーム費用:約500万円
  • 合計の支払い額=約6965万円

購入の場合は、税制優遇があることを想定すると、10年間の住宅ローン控除を利用できます。購入の支払い総額から10年間の住宅ローン控除280万円を差し引くと、6685万円になります。

購入:6685万円
賃貸:5740万円

シミュレーションの結果は、賃貸のほうが総額として低くなりました。ただし、あくまで例として比較したものであり、購入の条件や家賃の条件が変われば、結果も変わる可能性があります。

購入の場合、所有している間にどのくらいの維持費やリフォームが必要となるかは一概には想定できない面がありますので、参考として捉えておいてください。

一般的には、住む期間が短くなるほど賃貸のほうが費用を抑えられ、期間が長くなればなるほど、購入のほうが費用を抑えられる逆転現象になるといわれています。

生涯費用に視点を向けると、ある一定の期間までは賃貸のほうが総支払い額は有利に見えますが、購入でも賃貸でも、それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にはどちらが優位と決めることは難しいものです。

「賃貸でよかった!」と思える便利なこと

30代独身,女性,賃貸 (写真=L Julia/Shutterstock.com)

持ち家に憧れを持っている方は多いようですが、じつは賃貸にしかない便利なこともあります。ここからは、「賃貸でよかった!」と思えることにスポットを当てて紹介します。

・転勤・転職したら気軽に引越しできる

転勤や転職した場合、賃貸なら通勤に便利なエリアに住まいを替えることが容易にできます。家を購入している場合は、通勤時間や交通費が余分にかかってしまうことになります。

やむなく購入した家から離れなくてはいけない場合も、すぐに売れるとは限らず、賃貸に出すことも簡単ではない場合があり、身動きができなくなってしまう可能性もあります。

・家族構成の変化に間取りを合わせられる

長い年月のなかでは、将来的にパートナーと暮らす、親を引き取るなど予定していなかった家族との同居などライフスタイルの変化が訪れるかもしれません。賃貸なら1LDKから2LDK、3LDKと間取りを柔軟に変化させ、家族構成が変わっても対応することが可能です。

・住宅設備や内装が劣化したら築浅物件に移れる

賃貸している物件が古くなったと感じてきたら、新しい設備を備えた築浅物件に移ることができます。

購入した場合は、設備が劣化すればリフォームをすることになり、比較的大きな費用がかかります。また、マンションの共有施設が最新のマンションに比べて物足りないと感じても、共有施設は自分で簡単に変えることはできません。最新設備の賃貸物件に引っ越せるのは「賃貸でよかった!」と思う瞬間かもしれません。

・ご近所関係が悪くても引越しで解決

もしも、ご近所にトラブルメーカーがいて、お付き合いを避けたいとき、引越しをすることで解決できることがあります。

購入した家だと、町内からなかなか脱出できるものではありません。そのため、ある程度は我慢してお付き合いを続けていくことに・・・・・・。賃貸は困ったご近所問題が発生したときにも対応しやすいと言えるでしょう。

・不具合は大家さんがメンテナンス対応

ボイラーが故障したり、暖房が使えなくなったりなど設備に不具合が生じたときには、大家さんがメンテナンスをしてくれるケースが多くなっています(賃貸契約による)。自分の持ち物ではないことで、メンテナンス費用がかからないというメリットがあります。(ただし、賃貸契約によります)。

賃貸には賃貸ならではの利便性があります。暮らし方を考えたときに、購入よりも賃貸のほうが「しっくりくる」という人もいるかもしれませんね。

30代独身女性は将来を見据えた選択を

30代独身,女性,賃貸 (写真=Leszek Glasner/Shutterstock.com)

賃貸と購入のどちらがよいのかは、いろいろな見方がされているもので、きっぱりと「こちら側」と言い切ることはできません。都市部と地方では、不動産の価格に違いがあるため、暮らす地域によっても最適な選択肢は変わるでしょう。

30代独身女性の「自分の城」選びは、将来を見据えた検討が重要なポイントになります。じっくり考えて、最善と思える選択をしたいものです。

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