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源泉徴収票で見るべき4つのポイントとは?正しい見方をOL向けに解説

源泉徴収票は税金の「成績表」

給与所得者であるサラリーマンやOLの皆さんは、総務や経理部門に年末調整の手続きは終わった頃でしょうか。年末調整が終わると会社から源泉徴収票が発行されることになります。

ファイナンシャル・プランナーである筆者は日頃、マネー相談を受ける時、必ず源泉徴収票もしくは確定申告(B票)の写しを提出してもらうようにしています。これは、相談者自身のお金の「入り」を「収入」と「所得」に分けて知ってもらうためです。

なぜ、「収入」と「所得」の違いを知ることが大切なのでしょうか?「源泉徴収票」の見方を紹介しながら解説します。

そもそも源泉徴収とは?仕組みを解説

●源泉徴収とは?

企業はあらかじめ給与から所得税などを差し引き、従業員に代わって税金を国に納めています。このことを「源泉徴収」と言い、あらかじめ徴収された税金を「源泉徴収税」と言います。

ここで意識していただきたいのが「あらかじめ」というワードです。所得税は基本的には1月1日~12月31日を1年とし翌年2月16日〜3月15日に確定申告をすることにより決定します(2018年分は2019年2月18日〜3月15日となっています)。このため、本来は12月31日を過ぎないとその人が納税すべき金額は分かりません。

●年末調整で正しい税金額を計算

企業は、国税庁の定める源泉徴収料額表に従って源泉徴収をしています。そのため、実際には扶養親族の増減といった控除項目や控除額の変動などにより、本来の納税すべき金額と企業が源泉徴収してしまった金額に差が出てくる可能性があります。そこで、会社は「年末調整」をして「1年間前払いした所得税の過不足額を調整」することになります。

年末に担当部署から、家族の情報や住宅ローンの残高証明、生命保険料の控除証明などを求められるのは、納税者の所得から控除できる項目や金額を知るために必要だからです。

年末調整とは、いわば「サラリーマンの簡易確定申告」と位置づけることができます。

●源泉徴収票とは?

源泉徴収票とは、私たちに「所得税の納税額をお知らせするための書類」となっています。所得税法にて企業側に交付が義務付けられているのですが、受け取る側にとっては、自分の納税額や社会保険料額を知る大切な書類となります。

源泉徴収票で見るべき4つのチェックポイント

では、源泉徴収票の見方について確認しましょう。

見るべきポイントは「収入」と「所得」の違いを知ることと、収入と所得の差額がなぜ生まれるのかを知ることです。そのために、下記4つの項目をチェックしましょう。

imageTitle (図=筆者作成)

●(1)収入がいくらか?をチェック

(1)はこの源泉徴収票を発行している企業が個人へ支払った、毎月の給与と賞与の合計額になります。非課税対象の交通費などは、ここには含まれません。

●(2)給与所得控除の金額をチェック

(2)は(1)から給与所得控除額を差し引いたあとの数字です。給与所得控除とは、自営業者でいうところの「必要経費」になるものですが、会社員などの給与所得者の場合、実際にかかった経費を算出するのではなく、所得に応じてあらかじめ決められた計算式で控除額を求めます。

給与所得控除の算出方法は国税庁のHPで知ることができます。ただし、2020年から控除額が改正されますので、今後については図をご確認ください。

画像縮小 (画像=DAILY ANDS編集部)

例えば、収入が480万円の人の場合、「360万円超660万円以下」に当たりますので、「収入金額✕20%+54万円」で給与所得控除額を求めることができます。

▼収入が480万円の人の給与所得控除の計算式
480万円×0.2+54万円=150万円

150万円が所得控除額になりますので、480万円から150万円を差し引いた「330万円」がこの方の「所得」となります。

●(3)給与所得控除以外の控除項目をチェック

(3)は給与所得控除以外の控除項目の合計額になります。基礎控除、配偶者控除または配偶者特別控除、扶養控除などの人的控除の他、(5)の社会保険料や、生命保険料控除などの物的控除もここに合算されます。

先ほど求めた「所得」から、給与所得控除以外の控除項目の金額を差し引くと、それがその方の「課税所得額」となります。この金額に以下の所得税率を掛けて、税額を算出します。

画像縮小 (画像=DAILY ANDS編集部)

例えば、課税所得額が280万円の場合、「195万円超330万円以下」となりますので、税率は「10%」、控除額は「9万7500円」となり、所得税額は下記の計算式で求められます。

▼課税所得額が280万円の人の所得税額
280万円✕0.1-9万7500円=18万2500円

さらに2037年までは復興特別所得税(2.1%)も加算されます。

▼課税所得額が280万円の人の復興特別所得税額
18万2500円✕0.021≒3800円

課税所得額が280万円の人は、所得税を18万2500円、復興特別所得税を約3800円、支払う必要があるということになります。

●(4)支払っている税金額をチェック

所得税と復興特別所得税の合計が、(4)に記載されます。誰もが(4)をなるべく低く抑えたい、と思うことでしょう。給与所得者に認められた控除で大きな効果があるものとして、「住宅ローン控除」と「確定拠出年金」があります。2つともよく耳にする制度だと思いますが、なぜ利用される制度なのかは、最大のポイントがこの、「節税効果があるから」なのです。

源泉徴収を読めるとどんなメリットがある?

よく、「給与と手取りは違う」といわれますが、なぜ違うのかを大まかにでも知っておくことで、その差額はどこへ行くのか、何に使われるのか、自分に恩恵はあるのか、と考えをめぐらせれば、金融リテラシーは向上するはずです。

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