(イラスト=木村豪)

【連載】「恋する株(ストック)彼氏」

#03 耳元で、愛をささやく吐息が欲しくなる、イケボな彼

耳を澄ましてごらん キミだけに聴こえる 僕からのラブソングだよ

●株(ストック)彼氏#03のスペック
ナンバー(証券コード6823)
名前:リオンくん
業種:電気機器
性格:社交的、行動派
交際タイプ:落ち着きがあり、安心感を与えてくれる

彼の声がないと眠れない

眠れない夜、目を閉じていつも思い起こすのは彼のちょっとかすれたハスキーな歌声。静まり返ったベッドルームで突然襲ってきた孤独な気分が、カフェオレに入れた角砂糖のように、ほろほろと溶けていく。

いつのまにか眠りに落ち、迎えた翌朝、リオンくんのかすかなぬくもりだけが残っている。またきっと、世界のどこかで眠れない誰かのために、歌声を届けに行ったのでしょう。

リオンくんは、耳が聴こえづらい人のために、音を届けるのが仕事。お年寄りはもちろん、先天的に難聴の子どもたちにも、音がクリアに聴こえる世界の素晴らしさを知ってもらうことが生きがいのナイスガイです。

リオンくんの「リ」は理学の理、「オン」は音響学の音を表すもので ”理学に深く根ざした音響と、その関連する分野をさらに開拓する心意気を持つように”という願いを込めてつけられたそう。

イケメン過ぎる理念

「全ての行動を通して 人へ 社会へ 世界へ貢献する」 これが、リオンくんの理念。自分の利益よりも、だれかのために、社会のために、と行動する彼の姿は、凛としてほんと素敵。

難聴の人がいると聞けば、世界のどこへでもひとっ飛び。耳が聴こえづらくて、先生の話に反応できない子どもがいると知り、ベトナムまで駆けつけたことも。

「先生の声が聴こえるようになり、みんなが笑っているときに、一緒に笑えるようになった子どものうれしそうな顔は、ぼくを最高の気分にしてくれるんだ」

目をキラキラさせてそんな話をする彼の顔こそ、わたしを最高の気分にしてくれる。 「それでそれで?」 いつまでもそんな顔の彼を見たくて、ついついまた話をせがんでしまうわたし。

今年わたしの心に残った音は……

「そういえば、2018年の”こころに残った音”はどんな音だったか、調査をしてみたんだ」 どこまでも”音”にこだわるリオンくん。音を科学する立場から、人がどんな音を記憶しているのか興味を持ち、なんと2011年から毎年この調査をしているそう。

「1位はね、”日本列島を直撃した猛烈な台風、記録的豪雨の音”だったんだ。たしかに今年は異常なほどに災害が多かったよね。風や雨の音は人を怖がらせてしまうんだよ」

少し顔を曇らせて、困ったようにうつむく姿に、なんともいえない色気を感じてしまう。

「2位は”40歳で引退した平成の歌姫への惜別の声”。ぼくも安室ちゃんの引退はとても残念だったから納得だよね」

ちょっと待って!安室ちゃんのファンだったなんて聞いてない!

「3位はね……」

ヤキモチを焼くわたしにはまったくお構いなしで、話を続ける彼の声が、だんだん子守唄に聴こえてきた。そうそうこの声、2018年わたしのいちばんこころに残った音は、リオンくんが耳元でささやく甘い声。来年も、再来年も、ずっとずっと聴かせてほしい。

<ちょっと真面目に分析>

1948年、日本で初めて量産型補聴器を発売したリオン株式会社。最適な音を届けることにとことんこだわり、「デジタル補聴器」、「防水耳かけ型補聴器」、「自動騒音抑制方式」、電池のプラスマイナスに関係なく作動する「おまかせ回路」など、世界初・日本初の技術を貪欲に採用。つねに補聴器界の最先端を走り、現在も国内シェアトップを誇ります。

補聴器をはじめとする医療機器のほか、音響・振動計測器や、微粒子計測器などの環境機器にも強く、最近はこの微粒子計測器の需要が旺盛で売上比率を拡大。

企業理念のひとつとして、”社会貢献こそが究極の目的であり、収益の確保と投資はそのための手段にほかならない"と唱えており、難聴スポーツ選手の支援や、南アフリカへ補聴器寄贈など、非常に社会貢献に積極的なのも特長のひとつ。

業績は好調で、2019年3月期も過去最高純益を更新予定。株価は、全体相場の下落に引きずられ、今年4月には3,000円を超えていたものが、2,000円近くまで下がっています。リオンの業績そのものは好調で、新型の「軟骨伝導型」補聴器の売上も順調となれば、そろそろ見直し買いが入ってもよさそうです。

(次回は1月14日更新予定)

***

この連載では、株式投資スクール講師の藤川里絵さんが、気になる株(ストック)の銘柄を彼氏に例えて紹介します。隔週月曜正午更新予定。

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