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確定申告で受けられる所得控除にはどんなものがある?

正しく知ろう、確定申告と所得控除

税金は、簡単に言うと、所得額(稼いだ金額)から控除額(かかった経費)を差し引いて計算します。このため、控除がたくさんあるほど最終的には納める税金が少なくなるわけです。

今回は、確定申告で申告できる所得控除についてお伝えします。所得控除の中には、年末調整で申告が済むものもあれば、確定申告をしなければ受けられないものもあります。

会社員の方は、年末調整しているから大丈夫と思わずに、確定申告をしたほうが良いのか確認しながら読み進めてみてください。

確定申告をすると受けられる所得控除について

会社員の給料は、確定申告では「給与所得」に分類されます。会社員は所得に応じて「給与所得控除」が認められていますから、給料の全額が税金計算の対象になるわけではありません。給与所得控除は、会社が年末調整で自動的に算出してくれます。

ほかにも、「配偶者(特別)控除」や「扶養控除」、「社会保険料控除」なども聞いたことがあるかもしれません。これらを含む所得控除の主なものを見ていきましょう。

確定申告をしないと受けられない控除

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●雑損控除

まず、「雑損控除」です。ちょっと聞きなれない言葉かもしれませんね。雑損控除とは、「災害や盗難、横領などで資産に損害を受けたとき」に、損害の一定額を控除として差し引けるものです。最近は自然災害が多いですから、覚えておきましょう。

雑損控除は、金額が大きくなる可能性が高いので一年で控除しきれない場合は、3年を限度に翌年以降も差し引くことができます。また、雑損控除とは別に、年収1000万円以下の人が災害にあった場合は、「災害減免法による所得税の軽減免除」と比べて有利なほうを選べるようになっています。

■医療費控除

次に、「医療費控除」です。医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までに支払った「医療費」が10万円を超えると、最大200万円まで控除してくれるものです。病院に行った時に思い出しましょう。

2017年1月1日からは、医療費控除の特例として「セルフメディケーション税制」の適用が始まりました。前述の医療費控除と選択制ですが、ドラッグストアなどで買った特定医薬品の購入金額が1万2000円以上の場合、8万8000円を上限に控除できるようになりました。

いずれも従来は、確定申告時に「領収書」を添付すれば良かったのですが、2017年分からは「明細書」が必要になっているので、注意しておきましょう。

●寄附金控除(ふるさと納税など)

さらに、「寄附金控除」です。「ふるさと納税」が登場してから、一気に注目されるようになった控除ですね。寄附金控除とは、「特定のところへ寄付をしたら、その寄付金額-2000円」を控除できるというものです。

納めた税金に対する見返りを「返礼品」として受け取れるのですから、ふるさと納税の熱狂ぶりも分かります。現在は、「ワンストップ特例制度」によって、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けることができますが、確定申告が必要な人はふるさと納税を検討してみるのもいいでしょう。

●住宅借入金等特別控除 

最後は、「住宅借入金等特別控除」です。いわゆる「住宅ローン控除」ですね。じつは、この控除だけはほかの所得控除とは違って「税額控除」になります。税額控除とは、計算して出てきた税金額から直接差し引ける控除なので、所得控除よりも大きな減税効果があります。

控除限度額は居住年度によって異なりますが、現在はローン残高の1%を最大40万円まで、10年間控除できます。また、所得税で控除しきれなかった場合は住民税を控除できますが、初年度に確定申告が必要なので忘れないようにしましょう。

確定申告をしなくても、年末調整で手続きを済ませられる控除

●基礎控除

まずは「基礎控除」です。簡単に言うと、「誰もが一律に差し引ける経費」で、金額は38万円となっています。このため、税金計算上は年収38万円までなら「所得0円」となり、給与所得控除の最低65万円と合わせて、年収103万円までは所得税が発生しません。103万円が、働くうえで一つの壁になっているのは、このためです。

基礎控除の38万円は、うれしいことに2020年から48万円に上がります(逆に、年収2400万円を超える場合は基礎控除が下がります)。 基礎控除は給与所得控除と同じく自動計算してもらえるので、書類添付の必要はありません。

●生命保険料控除

「生命保険料控除」は年末調整でもできる控除ですが、大きく分けて3種類あります。

・一般の生命保険料控除……最大4万円(死亡保険など)
・個人年金保険料控除……最大4万円
・介護医療保険料控除……最大4万円

生命保険料控除は、上記3種類を別々に使うことができ、最大12万円を控除できます。同じような控除に「地震保険料控除」があり、これは生命保険料控除とは別で、最大5万円の控除です。保険に入っている場合は、しっかりと控除してもらいましょう。

●そのほかの控除

このほか、次の所得控除も年末調整で申請することができます。

  • パートナーの合計所得が123万円以下の場合などに受けられる「配偶者控除」「配偶者特別控除」
  • 扶養家族がいる人のための「扶養控除」
  • 個人型確定拠出年金(愛称iDeCo)を利用している人などのための「小規模企業共済等掛金控除」
  • 自分や配偶者・親族のための社会保険料を支払っている人のための「社会保険料控除」

賢く利用しよう

「節税」を考えるなら、「どれだけ経費を積み上げられるか」が支払う税金を減らすポイントとなります。所得控除の仕組みを理解し、賢く利用していきましょう。

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