(写真=DAILY ANDS編集部)

年末ギリギリの寄付は危ない?「ふるさと納税」で失敗しないポイントを専門家に質問!

食べきれなかった!ということがないために

前回、ふるさと納税の仕組みを学んだゆるキャラ「あんずちゃん」。返礼品をめぐって、寄付する側、過熱する自治体、自粛を求める政府の間でさまざまな思惑が交錯する現状に、ちょっと頭がパンク気味……。返礼品ではないけれど、あまーい桃を食べてひと休み。

お腹も満たされて、あんずちゃんのやる気も復活!「もっとふるさと納税のことを知って、賢く使いこなしたい」ということで、ふるさと納税経験者であり、ふるさと納税に関する著書もあるファイナンシャル・プランナーの高山一恵さんに寄付のポイントを教わりに行きました。

前回の記事はこちら

登場人物紹介

ふるさと納税, 失敗 (写真=DAILY ANDS編集部)

高山一恵さん:写真左。全国で女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えているファイナンシャル・プランナー。Money&You取締役。
あんずちゃん:写真中央。DAILY ANDSのゆるキャラ。株とお酒が好き。
くすいともこ:写真右。女性向け金融メディア「DAILY ANDS」編集長

ふるさと納税、返礼品合戦はよくないこと?

ふるさと納税, 失敗 (写真=DAILY ANDS編集部)

くすい(以下、く):高山さん、こんにちは!今日は、お友達のあんずちゃんも連れてきました。

あんず(以下、あ):はじめまして!ふるさと納税のこと、いろいろ教えてください。返礼品で得するここだけの話とか。(笑)

高山(以下、高):くすいさん、こんにちは。あんずちゃん、はじめまして。ふるさと納税に興味があるなんて、いいところに目をつけましたね。実際に寄付したことはあるの?

あ:私はまだありません。最初は、豪華な返礼品がもらえるなんてラッキーぐらいにしか思ってなかったんだけど、地方を応援するのが本来の目的だと聞いて、どこに寄付をしたらいいのか迷っていて……。

く:あんずちゃん、ちゃんとわかってるんだね!返礼品ありきだと、何のための寄付金なのかわからなくなってしまうもんね。高山さんは、現在の返礼品合戦をどう考えていますか?

高:確かに過熱してますよね。返礼品の割合を寄付金の3割以下にという政府の要請にもうなずけます。でも、一概に悪いことだとも思えないんですよね。

返礼品合戦を一概に「悪」とは呼べない理由

く:なぜですか?

高:返礼品目当てとはいえ、実際に多くの寄付金が集まり、活性化につながった自治体があるのも事実なんです。都会から地方へというお金の流れができたことは、いいことです。ただ、問題は返礼品の質ですかね。

あ:質の悪いものがあるってこと?

高:そうではなくて、その土地と全く関係のないものが返礼品リストに載っているケースもあるんです。

く:高価な家電とか、ほかにもニュースで話題になっていますね。

高:まあ、家電は一例として、波紋を呼んだ返礼品はいろいろあります。地元の特産品ではないものがいくら売れても、地元の企業や生産者にはお金が回って来ないので、手放しでは喜べません。でも、特産品であれば、全国各地にアピールできるチャンスにもなるし、作っている人たちにもしっかりお金が入ってくる。本来の趣旨通りなら、素晴らしい仕組みではあるんです。

働く女性にうれしいふるさと納税の返礼品って?

ふるさと納税, 失敗 (写真=DAILY ANDS編集部)

あ:寄付するなら、ちゃんとその土地にお金が回るものを選びたいなあ。ともちゃんは北陸出身だから、やっぱり地元に寄付したい?

く:そうだねー。少しでも地元のためになるのなら!

あ:でも、都会育ちで田舎がない人はどうやって寄付先を選べばいいのかな。

く:うーん、それは難しいね。「DAILY ANDS」の読者層は働く女性が多いんですけど、高山さんオススメの返礼品はありますか?

高:仕事が忙しい女性は、料理する時間もあまりなく、生鮮食品をもらっても腐らせてしまう傾向があるようなので、食材はちょっともったいないかな。

く:どきっ!

あ:ともちゃんっ(笑)。

高:くすいさん、お仕事忙しいですもんね。

く:……フォローありがとうございます……。

高:そんな家事に時間をかけていられないっていう女性にオススメなのが、化粧品です。と言っても、一流ブランドのものではなく、地元の特産品などを生かした自然派化粧品です。豊富なラインナップの中から自分の肌に合いそうなものを選んでみてはいかがでしょう。

あ:地元産の化粧品なら、寄付金の行き先もはっきりしてるし、安心だね。

こまめに返礼品と交換できる「ポイント制度」もおすすめ

く:ほかにもあれば教えてください。

高:温泉旅館などに泊まれる旅行券もいいですよ。温泉がある自治体で返礼品にしていることが多いようです。自分へのご褒美に、温泉に入ったり、おいしいものを食べたりして、日常を忘れる時間も大切ですよね。

あ:海の見える露天風呂も捨てがたいけど、情緒ある温泉街を浴衣で散歩するのもいいなあ……。風呂上がりには冷えたビール。地酒もいいなあ……。

く:あんずちゃんっ!現実に戻ってきて!(笑)

あ:はっ。失礼しました。

高:あとは、ポイント制度を導入している自治体もあるんですよ。人気の返礼品になると、品切れになってしまうこともあって、欲しいときに欲しいものが手に入るとは限らないんです。

く:確かに。タイミングが難しいです。

高:でも、ポイントを貯めておくと、入荷したタイミングで交換できるというわけです。ポイントは一気に使わなくても、小出しに使って返礼品と交換することもできるので、便利ですよ。

あ:すごーい!

高:ただ、有効期限があるので注意が必要です。期限内に使わないと、ポイントが失効します。せっかく寄付したのに、返礼品を受け取り損ねたということにならないようにしましょうね。

く:自然派化粧品に旅行券、それとポイント制度。働く女性にとって有効に使えるものばかりですね。

あ:どれも腐らないものだし、ズボラな私たちでも安心だね……。(笑)

ふるさと納税ポータルサイト、おすすめは?

ふるさと納税, 失敗 (写真=DAILY ANDS編集部)

高:あんずちゃんは、どんなものに興味があるの?

あ:えーと、欲しいものがいろいろあって、選べないっ。

く:返礼品を紹介するポータルサイトもたくさんあるもんね。オススメのサイトはありますか?

高:「ふるさとチョイス」には1400以上の自治体の返礼品が掲載されているから、あんずちゃんのようにいろいろなものに興味がある人にぴったりだよ。

あ:1400も!返礼品はどれぐらいあるんですか?

高:約20万点の中から選べるんだよ。

あ:に、20万!? ますます選べなくなっちゃう。

高:検索機能が充実しているから、大丈夫!欲しい商品名を入れて検索できるのはもちろん、自治体から選んだり、寄付金の使い道から探したりすることもできます。例えば、「子供・青少年」というジャンルを選ぶと、子供たちの教育や文化活動などに寄付金を使う自治体が出てきます。

く:明確な目標を持って寄付したい方にぴったりですね。

高:そうですね。最近は、返礼品が地元の特産品なのかどうかを確認してから掲載しているようですし、ふるさと納税の本来の趣旨に沿った「正統派」のサイトです。

見やすくて使い勝手のいいポータルサイトはここ!

く:ほかにはどんなサイトがありますか?

高:「さとふる」は、返礼品の掲載数自体はそれほど多くないですが、見やすくて、使い勝手がいいサイトです。

あ:どれどれ……わー、すごい!トップページに、ステーキとかカニの人気ランキングが載ってる。おいしそう!

く:ほんとだ!ネットショッピングのサイトみたい。買い物をしているような感覚になっちゃいそうです。

高:寄付金を払う際に、ドコモ、au、ソフトバンクの携帯料金とまとめて決済できるメリットもあります。

く:支払いの手間がかからないのはうれしいですね。

高:あと大手で言うと「ふるなび」ですかね。契約している自治体のみの掲載ですが、ギフト券やパソコンなど、お得な返礼品が多いのが特徴です。

年収400万円だと、いくらまで寄付できる?

あ:サイトを見てると、あっちにもこっちにも寄付したくなっちゃう!

高:あんずちゃん、ちょっと待って!控除される寄付金には上限があるの知ってる?

あ:えっ?

高:たくさん寄付したからって、その分税金を払わなくてもよくなるというわけではないんです。例えば、あんずちゃんが年収400万円で独身だとすると、寄付できるのは控除上限額の4万3000円まで。ここから実質負担の2000円を引いた4万1000円が所得税と住民税から控除されるというわけです。年収や家族構成などによって違うから、総務省のふるさと納税サイトやポータルサイトで自分の上限額を確認してみてくださいね。

あ:わかりました!本当に寄付したいところを選ばないといけないね。

年末ギリギリの寄付は危ない?

く:寄付金を控除してもらうためには、原則として確定申告が必要で、2019年度の税金から控除してもらうには、今年の12月31日までに寄付しないといけないんですよね?

高:その通りです。年末に慌てて寄付したけど、翌年度の受付になってしまったという失敗談もよく聞きます。

あ:手続きにそんなに時間がかかるの?

高:例えば、銀行振込の場合、自治体から専用の納付書が届くまで約1週間。それを使って寄付金を振り込みますが、確定申告に必要な受領証明書は、自治体が入金を確認してから発行・郵送されるので、届くのに時間がかかることもあるんです。

く:寄付の申し込みをした日が受領日にはならないんですね。

高:そう!重要なのは受領日なんです。年内に寄付の申し込みをしても、やり取りに時間がかかってしまうと、受領日が翌年の日付になってしまうおそれもあります。これでは、2019年度の確定申告に間に合わないので、気をつけましょう。

あ:余裕を持って寄付することが大事なんだね。もっと簡単に寄付できる方法はないのかな?

高:便利なものがありますよ。「Yahoo!公金支払い」です。

く:クレジットカードで、税金や公共料金を支払えるサイトですね。

高:そうです。クレジットカードの分割払いも使えますし、T-POINTから支払うこともできるんです。さらに、「ポイント即時発行」と組み合わせることで、寄付を申し込んだその日のうちに、返礼品と交換できるポイントがもらえます。

あ:便利な時代になったなあー。

ふるさと納税で失敗しないためのアドバイス

く:最後に、ふるさと納税で失敗しないためのアドバイスをお願いします。

高:今後、返礼品の規制は厳しくなると思うので、高価な返礼品が欲しいという人は早めに寄付をした方がいいかもしれません。でも、大事なのは、なんのための寄付かということ。ふるさと納税本来の趣旨も考えて、寄付の目的を自分の中でクリアにしておくといいですね。

く:そうですね。目的は人それぞれでも、最終的に地方の活性化につながる取り組みなので、細く長くでも続けていきたいです。

あ:ともちゃん、まずはどこに寄付するのか、一緒に選ぼう!

(おわり)

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