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これなら分かる!iDeCo「税金」のメリットを超カンタンに説明しよう

公的年金だけでは不十分?老後の暮らしを豊かにするiDeCo

人生100年時代。

老後の暮らしに備えて、iDeCo(個人型確定拠出年金)を始めた方もいるのではないでしょうか?

始めている方も加入しようか悩んでいる方も、iDeCoのメリットとデメリットをきちんと理解したうえで、どのくらい節税効果があるのかを分かりやすく見て行くことにしましょう。

iDeCoの税金面でのメリットは3つもある

年金,iDeCo,税金,確定申告 (写真=Nattakorn_Maneerat/Shutterstock.com)

2017年1月から制度が変わり、20歳以上60歳未満のほとんどの人が加入できるようになりました。ですが、「実際、何が得なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

まずは、3つのメリットを紹介します。

1)掛金が全額所得控除できる

iDeCoに加入して掛金を払い続けている間、掛金を所得から控除することができます。

生命保険料控除と同様に、iDeCoは小規模企業共済等掛金控除として掛金を所得から差し引くことができます。しかも、1年間の掛金が全額控除されます。

所得は所得税や住民税の課税金額を決めるベースとなる金額です。控除で所得が低くなると、税金も少なくなります。生命保険料は控除額の上限が決められていることを考えると、全額控除のメリットは大きいですね。

2)運用して増えた分には税金がかからない

定期預金や普通預金の利子、投資信託などの運用益は源泉分離課税という仕組みで20.315%が差し引かれています。一方、iDeCoは利子や運用益が非課税です。

ただでさえ利率の低い時代、増えた分に課税されるかされないかは大きな違いです。iDeCoは将来のための積立ですので、当然期間も長くなります。長期的に見ると、大きな差になっていくでしょう。

3)受け取り時にも控除を受けられる

加入期間10年以上、原則60歳になった時点で受給資格が得られます。受け取り方法は、一時金か年金、または一時金と年金の併用を選ぶことができます。

一時金として受け取る際は「退職所得控除」、年金として受け取る際は「公的年金等控除」の対象になっており、所得控除が受けられます。

上記のように、iDeCoは掛金を払っているときから受け取るときまで、3つの税制面でのメリットを受けることができます。

iDeCoに加入している場合としていない場合の税金の差は?

年金,iDeCo,税金,確定申告 (写真=Roman Samborskyi/Shutterstock.com)

同じ収入でiDeCoに加入している場合と加入していない場合で、どのくらい税金に違いが出るのでしょう。

以下の条件で、計算してみましょう。iDeCoの掛け金は月2万円(年24万円)に設定します。

税込年収:500万円
居住地:東京都
扶養家族:0人
職業:会社員
社会保険料等控除:90万円として計算(基礎控除を含む)
生命保険料控除:一般の生命保険4万円+医療保険4万円=8万円

●まずは「課税所得」を計算してみよう

課税される所得を計算してみましょう。

iDeCoに未加入の場合は【未加入】、加入している場合は【加入】として、それぞれ計算していきます。

1.税込年収から会社員の必要経費としての給与所得控除を差し引き、給与所得控除後の金額を計算します。

【未加入】500万円—(500万円×30%+18万円)=332万円
【加入】500万円—(500万円×30%+18万円)=332万円

この金額は変わりませんね。

2.給与所得控除後の1.の金額から社会保険料等控除を90万円として差し引きます

【未加入】332万円—90万円=242万円
【加入】332万円—90万円=242万円

ここまでは変わりませんが、次以降から注意して見ていきましょう。

3.さきほど2.で出した生命保険料控除、地震保険料控除、住宅ローン控除、小規模企業共済等掛金控除を差し引き、課税所得を計算します。

【未加入】242万円—8万円(生命保険料控除)=234万円
【加入】242万円—8万円(生命保険料控除)—24万円(iDeCoの掛金控除)=210万円
※iDeCoの掛金控除は「小規模企業共済等掛金控除」となります。

●「所得税」と「住民税」の納税額を計算しよう

課税所得が出たところで、所得税と住民税の納税額を計算してみましょう。

・所得税
まずは所得税から。

納税額は国税庁のHPで見ることができます。

さきほど3.で出した課税所得が【未加入】は234万円と【加入】は210万円なので、「195万円を超え330万円以下」の場合を見ていきます。

「195万円を超え330万円以下」の場合の税率は10%、控除額は9万7500円になります。

【未加入】所得税=234万円×10%—9万7500円=13万6500円
【加入】所得税=210万円×10%—9万7500円=11万2500円

所得税の差額は、2万4000円になりました。

・住民税
次に、住民税を見ていきます。 課税所得に住民税率をかけると、納税額が算出されます。

【未加入】住民税=234万円×10%(住民税の所得割率)+5000円(住民税の均等割分)=23万9000円
【加入】住民税=210万円×10%(住民税の所得割率)+5000円(住民税の均等割分)=21万5000円

住民税の差額も2万4000円になりました。

所得税と住民税の差額を足すと4万8000円になり、iDeCoに加入している場合は所得控除で年間4万8000円のメリットが受けられることが分かります。

例えば、40歳でiDeCoに加入し、60歳まで20年間にわたり掛金を払い込んだ場合は、4万8000円×20=96万円の節税になるという訳です。

さらに、iDeCoの運用益には税金がかかりません。

通常の定期預金や普通預金の利子、投資信託などの運用益には20.315%の税金がかかるので、同じ金額を運用したとしても運用益から20.315%の税金が必ず引かれてしまいます。

定期預金や投資信託を同じように運用してもiDeCoを利用するだけで、運用益のすべてを老後の年金資金にあてることができるのです。

iDeCoのデメリットも3つある

年金,iDeCo,税金,確定申告 (写真=VH-studio/Shutterstock.com)

メリットが多いiDeCoですが、デメリットも3つあります。

1.目的が限られている

iDeCoは将来の年金を目的とした制度です。そのため、加入後は60歳になるまで原則引き出すことができません。

生活資金や住宅資金、教育資金など他の必要資金とのバランスをみながら、無理のない掛金を考えましょう。

2018年1月から、月単位でなく、年単位で掛金を支払うこともできるようになったので、自分のスタイルにあった金額と支払い方法を検討すると良いでしょう。

2.掛け金の運用がマイナスになる可能性もある

iDeCoでは、掛金をどこに投資して運用するかは自分で決めることになります。元本が確保される定期預金や保険、運用状況によりリスクのある投資信託など自分の運用方針に合わせて商品を選ぶことが必要です。

ただ、複数の商品に分散投資もできるので、期待できる利回りを考えることで資産運用への知識を深められるとも言えます。

3.所得がない人は注意が必要

注意してほしいのが、所得控除は課税所得がある人が受けられるメリットだということです。専業主婦など収入がない人は、このメリットを受けることができません。

ただ、運用益の非課税や、受け取り時の公的年金等控除はメリットとなりますので、節税だけでなく老後資金として利用するのであれば検討する価値はあるでしょう。

ほかにも、手数料がかかる点や勤務先の企業年金制度などにより掛金額が異なる点などもありますので、制度の概要をよく確認しましょう。

iDeCoの掛金控除の具体的な手続き方法は?:所得税篇

年金,iDeCo,税金,確定申告 (写真=Kritsana Karakate/Shutterstock.com)

最後に、iDeCoの控除手続きを見ていきましょう。

会社員は、源泉徴収として先取りされている所得税を年末調整することで、還付や追徴が行われます。

会社から配られる「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」の「小規模企業共済等掛金控除」欄に、1年間で支払った掛金を記入します。そこに、10月以降に国民年金基金連合会から送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付して提出します。

なお、年末調整後に渡される「源泉徴収票」の「社会保険料等の控除」欄の上部に記載されている「内○○○円」の欄に掛金が記載されていれば、控除され還付されていますので、しっかり確認しましょう。

もしも年末調整でiDeCoの掛金控除の申請を忘れたとしても、確定申告で所得税の還付を受けることができます。

一方、個人事業主は会社員のように年末調整はされません。

確定申告を行う際、iDeCoの掛金を記入することになります。確定申告書の「所得から差し引かれる金額」の「小規模企業共済等掛金控除」欄に1年間の掛金額を記入します。10月以降に国民年金基金連合会から送られてくる「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添付し、管轄の税務署に提出しましょう。

iDeCoの掛金控除の具体的な手続き方法は?:住民税篇

年金,iDeCo,税金,確定申告 (写真=Flamingo Images/Shutterstock.com)

住民税は年末調整や確定申告で1年間の課税所得が確定されると、翌年度に支払う仕組みになっています。

会社員は6月頃に会社から配布される「住民税決定通知書」に基づいた住民税額が6月の給与から差し引かれます。「住民税決定通知書」の所得控除欄にある小規模企業共済欄にiDeCoの前年の掛金額が記載されていることを確認しましょう。

個人事業主は市町村から「住民税決定通知書」と「納税書」が送られてきますので、同じように所得控除欄の小規模企業共済欄の記載を確認し住民税を支払いましょう。

iDeCoの制度を理解して自分らしい人生を歩もう

年金,iDeCo,税金,確定申告 (写真=Khongtham/Shutterstock.com)

人生100年時代と言われる今、退職金と公的年金だけで思い描く老後を暮らしていくのは難しい時代になりつつあります。

早い段階から資産準備を始めるのは、大きなアドバンテージになるでしょう。

制度をよく理解したうえで、自分らしい老後に向けた一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

すでに加入している方は忘れずに手続きをして、メリットを最大限に活用しましょう。

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