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出産したら会社への報告は?必要な手続きは?マナーからお金まで知っておきたい基本

出産後に焦らないようチェックしておこう

「出産したら、会社にどう報告すればいいのだろう」
「出産はプライベートなことだし、わざわざ会社に報告する必要なんてあるのかな」

出産前は産まれてくる子どもや自分の体調のことで頭がいっぱいで、会社のことを考える余裕がない人も多いでしょう。また、親しい人たちにだけ出産報告をすればいいのでは、と思っている人もいるかもしれません。

会社への出産報告は、単に出産した事実を伝える以上に、大切な意味を持っています。今回は、会社への出産報告のマナーとお金にまつわる出産後の手続きについて紹介します。

出産報告は良好な職場復帰のための第一歩

出産,会社,報告,手続き (写真=Yuganov Konstantin/Shutterstock.com)

会社への出産報告は、産休中に仕事をサポートしてくれた職場のみなさんへ感謝を伝える大切な手段であり、礼儀でもあります。礼儀をわきまえておけば、職場内での人間関係はより円滑になっていくのではないでしょうか。

産休後に育児休業を取得し、職場復帰を考えている人も多いでしょう。職場復帰後も、上司や同僚の協力なしに仕事と育児を両立させることは難しいものです。

エン・ジャパン株式会社が2016年に行った「女性の結婚・出産と仕事意識調査」によると、長く働ける職場環境の条件として、9割以上の女性が「職場(上司・同僚)の理解」を挙げています。

良好な職場復帰のためには、会社への出産報告は必要不可欠と言えるでしょう。

いつ、誰に、どうやって?出産報告の基本

出産,会社,報告,手続き (写真=DONOT6_STUDIO/Shutterstock.com)

・理想は産後3日以内

状況や個別の事情にもよりますが、会社への出産報告はできるだけ早い方がよいでしょう。体調に無理のない範囲で、産後3日以内にはしたいものです。

中には、会社への出産報告は落ち着いてからにしようという人もいるかもしれません。そうしているうちに、育児が忙しくなり、報告のタイミングを逃してしまったということにもなりかねません。

会社側は従業員の出産に伴うさまざまな手続きが発生します。手続きをスムーズに行えるようにするためにも早めの報告が大切です。

しかしながら、いくら早めの報告を心がけていたとしても、体調が優れないなどの理由で、報告できない場合もあるかもしれません。そのような場合は、代わりに配偶者や家族に報告してもらったり、遅れて報告する際にはお詫びと事情を可能な範囲で伝えたりと誠意を示すようにしましょう。

・まずは直属の上司、次に同僚

出産の報告をする順番は、初めに直属の上司、そして次に同僚の順で行いましょう。親しいからという理由で先に同僚に報告してしまうと、いざ上司に報告しようとした際すでに同僚から伝わっていたということにもなりかねません。不要なトラブルを回避するためにも、「直属の上司→同僚」という順番を守るようにしましょう。

また、FacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディアに出産したことを投稿する場合には、タイミングに気をつけましょう。会社に報告するよりも先にソーシャルメディアで報告することを快く思わない人もいるかもしれないからです。

・電話かメールでOK

出産報告の仕方としては、メールや電話などが挙げられます。どの方法にするかは、出産経験のある社内の人を参考にしてもよいでしょう。例えば、先に電話で直属の上司に報告し、次にメールで同僚を含めて知らせる方法があります。また、上司が忙しくてなかなか電話に出られない場合にはメールにするなど状況によって方法を考えましょう。

感謝の気持ちは必須!出産報告の内容

出産,会社,報告,手続き (写真=Robbi/Shutterstock.com)

他人の妊娠や出産は、人によって捉え方が異なるデリケートな話題です。ここでは、トラブルをなるべく回避するための出産報告の内容を紹介します。ポイントは、ママとしての立場ではなく、あくまでも会社員の立場での報告にすることです。

・伝えるべき内容

  • 出産日
  • 産休中のサポートに対する感謝の気持ち
  • 職場復帰に対するポジティブな想い

(可能なら)

  • 子どもの名前・性別
  • 子どもの写真

・避けるべき内容

  • 自分中心の話 (出産前は仕事から解放され、ゆっくり休めたなど)
  • 子どもを褒めすぎること (こんなにかわいい子は見たことがないなど)

・例文 

「実際どう報告すればいいのかわからない!」という人のために、一例を紹介します。

◯◯様

ご無沙汰しております。

この度は、忙しい時期に出産に伴う長い休みをいただきまして、ありがとうございます。

おかげさまで、◯月◯日に無事に男の子(女の子)を出産することができました。母子ともに元気で経過は良好です。職場復帰をした際には、これまで以上に皆様に貢献できるよう頑張ってまいりたいと思います。落ち着きましたら、改めてご連絡いたします。

引き続き休暇をいただくためご迷惑をおかけしますが、これからもどうぞよろしくお願いします。

ここで紹介した例文を自分なりの言葉でアレンジして使ってみましょう。

お金に関わる出産後に必要な手続き6つ

出産,会社,報告,手続き (写真=Honeybee49/Shutterstock.com)

会社への報告のほかに、忘れてはいけないのがお金に関わる手続きです。会社員が出産した際にはどのような手当があるのか、自分でしなければいけない手続きはあるのか、などをしっかりと押さえておきましょう。

・産前産後休業取得者申出書

手続きする人:会社側

条件:妊娠していること

就労時間の要件を満たしている会社員の場合、毎月払う健康保険料・厚生年金保険の保険料を会社と折半して支払っています。産前産後休業期間中は、本人も会社もこれらが免除されます。産前産後休業中に提出する必要があります。

・健康保険扶養追加手続き

手続きする人:会社側

産まれてきた子どもを健康保険に加入させる必要があります。共働きの場合、収入の高い方の扶養に入れることが一般的です。

・出産育児一時金

手続きする人:会社側、場合によっては本人

条件:妊娠4カ月(85日)以上で出産をしたこと
※早産、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象として含まれる

受け取れるお金:健康保険の被保険者が出産した場合、生まれた子ども1人につき42万円(産科医療補償制度に未加入の医療機関などで出産した場合は40.4万円)が支給されます。

「直接支払制度・受取代理制度」では、被保険者ではなく、出産した医療機関が出産育児一時金を受け取ります。被保険者は退院時に出産育児一時金を差し引いた額を医療機関に支払います。

また、医療機関ではなく、自分で直接一時金を受け取りたい場合は出産後に被保険者の方から協会けんぽ支部に申請する必要があります。

・出産手当金

手続きする人:会社側

受け取れるお金:月給の3分の2程度が支給されます。

出産日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)より42日(多胎妊娠の場合98日)前から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間が対象です。

・育児休業等取得者届出書

手続きする人:会社側

条件:1歳未満の子どもがいること
※労使協定の締結によりその他の条件がある場合があるので、会社に確認しましょう。

有期雇用労働者の場合は、以下の条件があります。

  • 育児休業開始時において、同一の事業主の下で1年以上雇用が継続していること、かつ、子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用される見込みがあること
  • 子どもの2歳の誕生日の前までに、労働契約期間の満了または契約更新されないことが明らかでないこと

育児休業を取得する場合は、遅くとも開始1カ月前までに会社に伝えるようにします。この手続きによって、育児休業期間中の社会保険料の支払いを本人、会社側ともに免除してもらえます。保険料が免除されていても、社会保険に加入していることには変わりはないので安心です。

・育児休業給付金

手続きする人:会社、希望する場合は本人が行うことも可能

条件:

  • 1歳または1歳2カ月未満の子どもがいること
  • 育児休業後の職場復帰を前提としていること
  • 育児休業期間中に毎月、休業開始前の1カ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
  • 育児休業中の就業日数が各支給単位期間ごとに10日(10日を超える場合は、就業している時間が80時間)以下であること
  • 育児休業を開始した日より前の2年間の被保険者期間が12カ月(※)以上であること
    (当該期間中に第1子の育児休業や本人の疾病などがある場合は、受給要件が緩和される場合がある)

(※)育児休業開始日の前日から1カ月ごとに区切った期間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月を1カ月とする。

有期雇用労働者の場合は、上記に加えて、以下の条件があります。

  • 育児休業開始時において、同一の事業主の下で1年以上雇用が継続していること、かつ、子どもが1歳6カ月までの間に労働契約が更新されないことが明らかでないこと

受け取れるお金:育児休業中に原則として月給の67%(育児休業開始から6カ月経過後は50%)相当額を給付金として受け取れます。

また、2017年度の法改正で、「パパ・ママ育休プラス」制度が始まりました。原則として、子どもが1歳になるまでしか取れなかった育児休業期間が、1歳2カ月まで(2カ月はパパもしくはママのプラス分)延長されます。1人当たりが取れる育児休業期間は1年間で変わりません。

パパ・ママともに育児休業を取る場合、育児休業給付金はもちろん、それぞれの雇用保険から給付してもらうことができます。

条件や手続きは、個別の状況によって異なる場合があります。必ず会社の担当部署に確認するようにしましょう。また、今回紹介したもの以外にも、会社や自治体によっては出産祝い金があるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。

会社への出産報告はみんなのため、そして自分のため

出産,会社,報告,手続き (写真=Vladimir Badaev/Shutterstock.com)

会社への出産報告はお世話になった人たちに感謝を伝えるだけでなく、保険料免除やお金の受け取りをスムーズに行うための役割も果たしてくれます。お金にまつわる手続きの多くは会社が行ってくれますが、従業員からの出産報告が遅くなれば、その分手続きが滞ってしまっても文句は言えません。会社への出産報告は、お世話になっている人のためだけでなく、自分のためのものでもあるのです。

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