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あなたはやってない?その嫉妬が「お金持ちになる状況」を破壊してしまうワケ
お金の不安からいますぐ抜け出す方法3
この記事は大嶋信頼氏の著書『「お金の不安」からいますぐ抜け出す方法』(総合法令出版)の内容を抜粋したものになります。
・『「お金の不安」からいますぐ抜け出す方法』シリーズ
(1)ムダ使いはなぜ起こる?「考え方」だけでお金が貯まるようになる
(2)「お金がないのに買ってしまう」を防ぐ分かりやすい「物ごとの見方」とは
(3)あなたはやってない?その嫉妬が「お金持ちになる状況」を破壊してしまうワケ
※以下、書籍より抜粋
こんなに怖い!〝嫉妬の発作〟
●後輩への嫉妬で会社を辞める
ある男性は、職場で上司から可愛がられていて、出世コースを順調に歩んでいました。
ところが後輩が上司から褒められるのを見た瞬間に、「ビビビッ!」と嫉妬の発作を起こして破壊的な人格に変身してしまいます。
そうして「こんなくだらない仕事やってられない!」と手を抜くようになってしまいました。
すると、上司はますます自分よりも後輩を可愛がっているように見えて、発作がどんどんひどくなります。
「あんたのやり方は間違っている!」と上司と喧嘩をしてしまい、せっかく出世の道を歩んで給料も順調に上がっていたのに、「もうこんな所で働いていられない!」と退職してしまいました。
それを見ていた周りの人は、「なんで辞めちゃうの?」とびっくりします。
でも嫉妬によって破壊的な人格に変身している本人は、「あんなひどい上司の下で働いていられない!自分は間違っていない!」と自分の言動を反省することもできなくなってしまっていたのです。
その男性は、仕事ができて頭の働きも平均以上のはずでした。
ところが嫉妬の発作を起こした途端にどんどん仕事ができなくなり、後先のことも考えられなくなって人間関係や将来まで破壊してしまいました。
嫉妬の発作はそれほどまでに強烈なのです。
●ありもしない浮気を疑って旦那を追い詰める
ある女性は、旦那さんの仕事が順調に進んで稼ぎが上がってきたというときに、「あんた、また浮気したでしょ!」と疑いをかけて、夫婦喧嘩で夜も寝かせないということをしてしまいます。
実は10年前にこの女性の友達と旦那さんが飲みに行ったという事件から、大変な夫婦喧嘩に発展していました。
「もう離婚だ!」という状態にまでなったのですが、子どもたちのことを考えてなんとか喧嘩はおさまりました。
ところがその後、旦那さんが仕事でうまくいくようになって、うれしそうな顔で帰ってくることで、奥さんの脳内では「私はこんなに大変な思いをして子育てしているのに誰からも認められない。あんたはずるい!」と嫉妬の発作が起きてしまっていたのです。
そして10年前のことが昨日のことのように思い出されて、「あんた!また浮気したでしょ!」と疑ってしまったのです。
子どもも大きくなってきて、「これから旦那に頑張って働いてもらわなきゃ!」と言っていた矢先なのに、旦那さんは奥さんから責められることで仕事に対するやる気がなくなってしまいました。
夜も眠れなくなり、うつ状態になって会社に行けなくなってしまったのです。
ここで重要なのは、「浮気をした旦那が悪い」とか「嫉妬の発作を起こした奥さんが問題」ということではありません。
奥さんは「経済的に大変」とわかっていながら、嫉妬の発作によって経済的なことが眼中になくなってしまったということです。
嫉妬の発作はお金持ちになる状況を簡単にひっくり返してしまうのです。
●〝嫉妬の発作〟の観点からいじめを考える
以前、テレビでフクロウの成長を追ったドキュメンタリー番組を放送していました。
4羽のひな鳥の中で、1羽だけが弱っている様子です。その1羽も母鳥から餌をもらっていたのですが、ほかの元気な3羽に突っつかれて高い木の上の巣から落ちてしまいました。
これは動物の専門家が見れば、動物的な本能で「弱い遺伝子を残さないようにする」という行動だそうです。
この行動も〝動物的な嫉妬〟として考えてみると面白いなと思いました。
弱っているひな鳥は、親鳥からの「この子はかわいそう」という哀れみである〝愛情〟を受けます。
ほかの強いひな鳥たちは「弱いくせに、お前だけ愛情を受けやがって!」と嫉妬の発作を起こして、「破壊してやる!」となってしまうのです。
私は、「これって子どものいじめと一緒だよな」と思いました。肉体的に強いヤンキーの生徒が、ひ弱な生徒を小突き回して、学校に来られなくしてしまいます。
一見、ただの「弱い者いじめ」に見えますが、実際はヤンキーが決して得ることのない「かわいそう」という哀れみを、ひ弱な子が周囲から受け取っていると感じることで、発作が起きてしまっているのです。
破壊的な人格に変身しているときは「自分は正しいことをやっている!」という感覚で、「嫉妬している」という自覚はまったく持てません。
それこそ「種の淘汰(弱い個体を排除すること)をしている」とか「遊んで鍛えてやっている」と勝手な理由付けをしていじめ続けてしまうのです。
もちろん、いじめを動物的本能だから仕方ないと言うつもりはありませんが、嫉妬の発作という観点から見ると、このようにも考えることができるのです。
大嶋信頼(おおしま・のぶより)
米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。心理カウンセラー/株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研修生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、株式会社アイエフエフ代表取締役として勤務。心的外傷治療に新たな可能性を感じ、株式会社インサイト・カウンセリングを立ち上げる。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療している。カウンセリング歴25年、臨床経験のべ8万件以上。