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所得税の控除はこう覚えよう!OL向けに所得控除の種類と計算方法を解説

年末調整、控除の内訳をご存知ですか?

自分は会社員だから、税金は会社が年末調整してくれているから大丈夫……。そんな風に思って何もしないでいるあなた。実は損をしているかもしれませんよ。

例えば、体調を崩し、思いのほか医療費がかかってしまった……なんて年もあるでしょう。その年に10万円以上の医療費がかかった場合は、医療費控除を利用することで所得税の負担を軽くすることが可能です。

適切な申請をするだけで税金の負担を減らせるのですから、手続きをしないのは損ですよね。今回は所得税の負担を軽くしてくれる「所得控除」について見ていきましょう。

所得税の計算方法おさらい

年末調整, 所得税, 控除, 種類 (写真=PIXTA)

所得税はざっくり以下の流れで求めることができます。

1. 課税所得を計算
全体の収入から所得控除の金額を差し引きます。

2. 課税所得に税率を掛け所得税を計算
(1)で求めた課税所得に決められた税率を掛けます。

3. 計算された所得税から税額控除を差し引く
(2)で求めた所得税から、配当控除などの税額控除を差し引きます。

詳細な所得税の計算方法については、事例を用いながら以下の記事で説明しています。

参考:年収別に税金を計算してみた。所得税はこうやって計算しよう

ここで覚えておきたいことは、支払う税金の金額をできるだけ節約するには、収入ではなく「課税所得」を少なくする必要があるということです。課税所得を減らすには「所得控除」の種類をしっかりと理解し、「課税所得」を少なくする。そうすることによって、支払うべき所得税を抑えることにつながります。

所得控除の一覧と控除額の計算方法について

年末調整, 所得税, 控除, 種類 (写真=PIXTA)

所得控除とは、「個人のさまざまな状況によって、税金の負担を軽くしてあげよう」と政府が国民に配慮するために設けられた制度で、全14種類あります。給与所得者のための「給与所得控除」、生命保険に加入している人のための「生命保険料控除」など。この中から自分に当てはまるものを申請しましょう。

申請については、勤務先に書類を提出すればよい「年末調整」と、自ら税務署に書類を提出する必要がある「確定申告」の2パターンがあります。

以下に年末調整で手続きが終わる11の所得控除と、確定申告が必要な3の所得控除について、概要とそれぞれの計算方法を紹介します。

●年末調整で手続きができる11の所得控除

1. 基礎控除
誰にでも適用される38万円の控除です。特に申請する必要はありません。

2. 生命保険料控除
生命保険料や介護医療保険料あるいは個人年金保険料を支払った場合に利用できます。年間の保険料が2万円以下であれば全額、2万円以上の場合はきめられた割合の控除を受けることができます。

3. 地震保険料控除
損害保険などにオプションとして加入できる地震保険の保険料についても控除を受けることができます。(損害保険控除は2006年に廃止)年間に支払う保険料が5万円以下の場合は全額、5万円以上の場合は一律5万円を控除することができます。

4. 社会保険料控除
支払った社会保険料、給与や年金から差し引かれた社会保険料の全額を控除することが可能です。

5. 扶養控除
その年の12月31日時点で16歳以上、所得が一定以下であるなど所定の条件を満たす「扶養家族」を養っている場合に利用できます。控除額は扶養家族の性質によって異なり、38万円から63万円となっています。

6. 配偶者控除
配偶者控除は、納税者に配偶者がいる場合に受けられる所得控除です。配偶者控除を受けるには、納税者の所得が1000万円以下で、配偶者の年間所得が38万円以下であることなどの制約があります。控除額は納税者の所得や配偶者の年齢により13万円から38万円までの間で決められています。例えば、納税者本人の所得額が900万円以下で、配偶者の年齢が70歳未満であれば、控除額は38万円となります。

7. 配偶者特別控除
納税する人の配偶者に38万円以上の収入がある場合でも、少しでも納税者の負担を減らせるようにともうけられているのが配偶者特別控除です。納税者の所得金額と配偶者の所得金額の組み合わせにより、1万円から38万円の間で決められた金額の控除を受けることができます。

8. 小規模企業共済金等掛金控除
共済契約に基づく掛金等を支払った場合に適用される控除です。確定拠出年金(iDeCo、企業型確定拠出年金)を利用している人は掛金が全額対象になります。その年に支払った金額の全額を控除することが可能です。

9. 障害者控除 
納税者やその家族が障害者である場合に受けられる控除です。納税者が障害者である場合は27万円の控除を受けることが可能です。

10. 勤労学生控除
納税者自身が勤労学生である場合に受けられる控除です。控除額は一律27万円です。勤労学生控除を受ける場合は、特定の学校の学生である必要があります。

11. 寡婦控除、寡夫控除
配偶者と死別、あるいは離婚した後婚姻しておらず、扶養家族がいる人が受けられる控除です。このような人のことを「寡婦」「寡夫」と呼びます。状況により27万円、あるいは35万円(寡夫の場合は27万円のみ)の控除を受けることが可能です。

●確定申告が必要な3つの所得控除

1. 雑損控除
災害や盗難によって損害を被った場合に使える所得控除です。控除額は損失額や所得額によって異なります。「生活に通常必要でない資産」への損害は該当せず、例えば別荘や貴金属などは対象になりません。

2. 医療費控除
10万円以上医療費がかかった場合に200万円を上限に控除を受けることが可能です。ただし、保険金等で賄われた部分に関しては控除の対象となりませんので注意が必要です。

3.寄附金控除
国や地方公共団体、特定公益増進法人などに寄附を行った場合に適用される所得控除です。控除の金額は「次のいずれか低い金額マイナス2000円」となります。

a. その年に支払った特定寄附金の合計額
b. その年の所得金額等の40%相当

ふるさと納税の返礼品をお得に受け取れるのも、寄附金控除を利用することができるためです。ふるさと納税の場合、確定申告をしなくても控除を受けられる制度(ワンストップ特例制度)もあるので、必ずしも確定申告をしなければいけないわけではありません。

利用できる制度はどれ?忘れずに申告しよう

年末調整, 所得税, 控除, 種類 (写真=PIXTA)

●所得控除と何が違う?税額控除とは?

このほかに所得税の負担を軽くするものとして税額控除とういうものもあります。

税額控除は、課税所得に税率を掛けて所得税を計算した後に、計算された所得税の金額から最終段階で差し引かれる控除のことを指します。

例えば、「配当控除」は株式の配当金を受け取った場合などに適用されます。

●利用できる制度はどれ?

年末調整や確定申告は少し面倒に感じるかもしれませんが、これだけで所得税の負担が軽くなるのですから何もしないのは損といえるでしょう。

年末調整は勤め先の企業が年末にかけて実施しています。確定申告は3月15日(2019年の場合)が申告期限であり納期限となっています。確定申告を行う場合、申告期限前の約1ヵ月間税務署内に設置される申告相談を利用することも可能です。

所得税控除の正しい知識を身につけて、賢く税金とお付き合いしていきましょう。

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