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その保険ホントに必要?加入前に「これだけ押さえる」基礎知識と優先すべき「3つの保障」

20代から知っておきたいお金のルール3

この記事は横山光昭氏の著書『20代から知っておきたいお金のルール』(高橋書店)の内容を抜粋したものになります。

(1)誰でもカンタンに貯め体質になる「90日貯金プログラム」とは?
(2)捨ててはいけない「給与明細」と「源泉徴収」の正しい見方をおさらいしよう
(3)その保険ホントに必要?加入前にこれだけ押さえる基礎知識と優先すべき「3つの保障」

※以下、書籍より抜粋(本記事のデータなどは2012年12月時点のものです)

保険に入らない選択肢もある

●社会保障や貯金で賄えない部分を保険でカバーする

日本は「生命保険大国」といわれるほど多くの人が生命保険に加入しています。

生命保険文化センターの調査によると、約9割の世帯が生命保険に加入し、平均で年間41万円以上を支払っています(生命保険に関する全国実態調査平成24年度)。

20年間加入すれば、保険料の額はおおよそ830万円にもなり、相当な金額をかけているわけです。

しかし、「みんな入っているから」「入っておけばひとまず安心」などの軽々な理由で、なんとなく加入している人も多いのではないでしょうか。

これまでお話ししてきたように、公的年金や健康保険など社会保障でカバーしてくれる範囲は意外と広いのです。

一例をあげると、国民年金・厚生年金は老後の生活ばかりか、病気やケガで障害が残ったとき、世帯主が亡くなったときの遺族への保障も含まれています。

さらに公的健康保険には「高額療養費」の制度があり、年齢や所得に応じて支払う医療費の上限が定められています。

民間の生命保険の役割は、それら公的な保障や貯金では賄えない部分のカバーなのです。

「生命保険は加入して当たり前」といわれたりもしますが、家族構成や貯蓄、仕事の状況によって保障の要不要は変わるうえ、いらない時期もあるかもしれません。

つど、無用な保障には加入しないことが大切です。

保険代理店等では、加入者の家庭事情等を鑑みて必要な保障額を見積もってくれます。

迷ったら、立場の中立的なファイナンシャルプランナーに相談するのもいいでしょう。

「病気」「死亡」「老後」の順に備える

●加入前に最低限押さえる基礎知識

保険には、人を対象とする「生命保険」と、人以外を対象とする「損害保険」の二種類があります。

このうち生命保険には、医療保障、死亡保障、そして老後に向けた貯蓄の三つの役割があります。

もちろん、これらすべてを兼ね備えた保険に加入する必要はありません。

「入っておけば安心」と保障を手厚くしたものの、毎月の保険料が生活費を圧迫する「保険ビンボー」になっては本末転倒ですね。

優先すべきは

1.医療保障
2.死亡保障
3.貯蓄

の順。

病気やケガは誰にでも起こりうることで、貯蓄の少ない若いときほど医療保障の保険は頼りになります。

死亡保障は、結婚したり子どもが生まれたりして、自分が死んだら金銭的に困る人ができたときに入る保険です。子どものいない共働き夫婦には不要かもしれません。

最後に考えるのが貯蓄。そう、老後資金をつくるための個人年金保険などです。

●オプションのつけすぎに要注意

生命保険は、主契約と特約で成り立っています。

主契約とは「定期保険」「医療保険」など保険のベースになる部分です。

一方の特約は、主契約につけられる”オプション”です。

医療保険に女性疾病特約や先進医療特約をつけるなど主契約ではカバーしきれない部分の保障を追加して、より自分に合った保険プランがつくれます。

特約はたくさんつけるほど、保険料は高くなります。また、特約をつけすぎて、自分がいったい何に入っているのかわからなくなることも。

無駄な特約で過剰な保険にならないよう注意してください。

死亡保障の四つのタイプを押さえる

●定期・終身・養老保険の特徴を知る

死亡保障の生命保険には「定期保険」「終身保険」「養老保険」があります。

「定期保険」は、保険期間内に死亡した場合に保険金が受け取れます。

たとえば60歳までに死亡したら1000万円受け取れる設定にしておくと、61歳で亡くなった場合には残念ながら1円ももらえません。保険料は掛け捨てとなるぶん、安く抑えられます。

「終身保険」は、死亡保障が一生続きます。人はいつか亡くなるので、掛け捨てにはなりません。

途中で解約しても「解約返戻金」が戻ってくるため、保険料は高くなります。保障を1000万円にすると保険料が高すぎてしまうので、300万円程度にしてそれをお葬式代として考えるのがよいかもしれません。

「養老保険」は貯蓄性の高さが特徴です。契約期間内に死亡した場合はもちろん、満期になれば「満期保険金」として保険金が支払われます。保障が厚いぶん、定期保険、終身保険に比べ保険料がもっとも割高です。

保険料の払い方には、一定期間で払い終える方法と、一生涯払い続ける方法があります。毎回の保険料は、一定期間で払い終えるほうが高くなります。

●毎月定額を受け取れる「収入保障保険」が人気

以上三つの生命保険に加え、最近人気なのが「収入保障保険」です。

決まった期間での死亡・高度障害に対し、定額の保険金をお給料のように毎月受け取れる保険です。

死亡の時期によって保険金の総額が変わり、保険期間満了に近づくほど額が減ります。

そのため、常に一定額を保障する定期保険より保険料は安くなります。

これらの種類とそれぞれの特徴を理解すれば、賢い保険選びができるでしょう。

死亡保障の保険は貯蓄にも使える

●おすすめは「低解約返戻金型終身保険」

生命保険を解約したときに戻ってくるお金が「解約返戻金」です。

保険料は「死亡保険料」「貯蓄保険料」「付加保険料(保険会社の手数料)」で構成されていますが、解約時にはこのうちの「貯蓄保険料」が戻ってくることになります。

貯蓄にも使える生命保険で私がおすすめしているのは「低解約返戻金型終身保険」です。

これは、保険料の払込期間中は解約返戻金が低く抑えられる代わりに、払込期間が満了すると一般の終身保険と同等の解約返戻金がもらえるタイプの保険です。

途中で解約したときの返戻金が少ないぶん、保険料が安く設定されているので、返戻率が高くなります。

つまり、保険料払込期間中に解約しなければお得な保険なのです。

子どもの教育費を貯める「学資保険」の代わりに、この低解約返戻金型終身保険で貯蓄するのも一法です。

●「低解約返戻金型終身保険」を使った貯蓄シミュレーション

たとえば20代から月1万円を10年間払い込んで(この間に亡くなったら200万円程度の保険金が出ます)、しばらく置いておきます。期間満了後は、寝かせるほど返戻金が増えていきます。

子どもが生まれてすぐにスタートしたとして、大学に入学する18年目には解約返戻金が、払い込んだ保険料の1割程度増えています。

この場合、120万円が約132万円になっているのです。

大学入学時は、他で学費を工面できれば、この保険の解約をさらに先に延ばし返戻金を育てるのもよいかもしれません。

使い道が限定されているわけではないので、留学や結婚資金などに回せます。

このように、生命保険を貯蓄の一環として使う方法も検討してみてください。

医療保険は状況に合わせて賢く選ぶ

●医療費の自己負担額には上限がある

入院したときに給付金を受け取れるのが、医療保障の生命保険です。

病気やケガの種類にかかわらず、1回の入院について支払う入院給付金の限度日数などが決められているので、それを超えるぶんは受け取れません。

医療保障のうち「がん保険」は、入院給付日数の上限がありません。

がんは他の病気と違い再発や転移を繰り返すことがあり、治療も長引きがちだからです。

「入院で何十万円もかかった」と聞いたりしますが、そこでぜひ覚えておくべきなのが健康保険の高額療養費制度です。

月収50万円未満の場合、この制度を利用すれば、医療費がどんなにかかっても1か月の自己負担額は9万円程度。

これを超えたぶんは戻ってくるのです。

しかも治療が長引いた場合は、自己負担の上限額が下がります。

過去1年以内に高額療養費に該当する月が4回以上になると、上限額が4万4400円になるのです。

とはいえ、入院中は仕事ができず、収入が減ってしまうこともあるでしょう。医療保障は、入院中の所得補償としてとらえることもできます。

会社員なら健康保険の傷病手当金で給与の3分の2が出ますが、自営業者にはそれがありません。これらを総合して必要な保障を考える必要があります。

●どこまでカバーしてくれるのかをチェックする

女性特有の病気に手厚い「女性疾病特約」や、先進医療の技術料を保障する「先進医療特約」などが昨今人気の特約です。

ただし、どこまでカバーしてくれるのかは商品によって違います。

たとえば乳がんの手術で、切除は保険でカバーするけれど、乳房再建は「美容整形」だから保険金が出ないというケースもあります。

加入する商品にはどのような特徴があり、どこまでカバーしてくれるのかをしっかり確かめておくことが大切です。

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横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント。株式会社マイエフピー代表取締役。『年収200万円からの貯金生活宣言(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』など著書多数。webで日本経済新聞社、ダイヤモンド社、総合情報サイト「All About」の連載を後悔するとともに、メルマガ「貯めて増やす 横山式実践型メルマガ2.0」も講談社「現代ビジネス」で配信。

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