(画像=fullempty/shutterstock.com)

捨ててはいけない「給与明細」と「源泉徴収」の正しい見方をおさらいしよう

20代から知っておきたいお金のルール2

この記事は横山光昭氏の著書『20代から知っておきたいお金のルール』(高橋書店)の内容を抜粋したものになります。

・『20代から知っておきたいお金のルール』シリーズ
(1)誰でもカンタンに貯め体質になる「90日貯金プログラム」とは?
(2)捨ててはいけない「給与明細」と「源泉徴収」の正しい見方をおさらいしよう

※以下、書籍より抜粋(本記事のデータなどは2012年12月時点のものです)

給与明細の中身がよくわからない…

●「支給」「控除」「勤怠」それぞれの意味

会社から毎月渡される給与明細。

もしや銀行に振り込まれる額だけ確認して、明細はよく見てない…なんてことはありませんか。

ここでは、常識として知っておきたい「給与明細」の中身についてお話ししていきましょう。

給与明細は「支給」「控除」「勤怠」の三つのパートに分かれます。

「支給」は、会社からあてがわれるお金の名目です。大きく「基本給」と「手当」に分かれます。

時間外勤務、いわゆる残業に対しては必ず手当がつきますが、家族手当・地域手当・資格手当などの諸手当は、会社が独自に定めるものです。

たとえば、ほとんどの会社が支給している「通勤手当」も、じつは必ず支払われるものではありません。あくまで会社が独自に定める「手当」であり、法律で決められているわけではないのです。

「控除」は、天引きされるお金の名目。主に「社会保険料」と「税金」です。

これらはどの会社にいても強制的に差し引かれるお金です。

「社会保険料」は健康保険、厚生年金、雇用保険で、40歳以上になると介護保険が加わります。

「税金」には所得税と住民税があります。

「勤怠」は、給与計算のもととなった出勤日数や有給休暇、欠勤日数、残業時間などの細目です。

●給与明細は最低1年間保管しよう

給与明細にはこのように、大事な情報がたくさん詰まっています。

給与明細や源泉徴収票は、自分の収入を証明する貴重な資料です。

給与明細は最低1年分、源泉徴収票は引退するまで保管しておきましょう。

なにより、これらを正しく見ることで、ご自身のマネー意識が格段にアップするはずです。

「年末調整」って何のためにやるの?

●会社員の税金の納め方はじつは特別

12月になると、年末調整のための用紙を会社に提出しますね。あれは所得税の額を確定して、精算するための資料です。

所得税とは、個人が1月1日〜12月31日の1年間に得た所得に課される税金のことです。

自営業などの個人事業主は、2月ごろに確定申告の準備をします。

1月から12月までの1年間に所得がどれだけあったのかを計算し、税額を確定させ、税務署に申告しているのです。

一方、会社員が確定申告をするのは、住宅を購入してローンを組んだときや、高額な医療費を支払ったとき、給与が2000万円を超える、など限られた場合だけです。

本来は自分で行うはずの納税・申告ですが、会社が代わりに行ってくれているのです。

毎月の給与から税金分を引く「源泉徴収制度」と、所得確定後に精算する「年末調整」のおかげで、会社員は知らず知らず所得税をきちんと納めているのです。

●納めすぎた税金が年末調整で戻ってくる

源泉徴収によって毎月納めている税金の額は、じつは概算です。

給与は毎月同額とは限らず、控除の対象となる家族が増えたり減ったりもするので、月々の額は固定できないのです。

そこで、源泉徴収税額表に従って仮の額を天引きしています。

多めに徴収しているので、所得税額が確定したときに、多く取りすぎたぶんを個人に還付することになります。

年末調整前には、会社に「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」を提出します。

会社が把握していない生命保険料や地震保険料、配偶者の所得などを知らせるためです。これによって税額が正しく計算できるわけです。

「所得税」の額ってどうやって決まるの?

●会社員の「必要経費」と「控除」

自営業の場合、利益を得るためにかかったお金を必要経費として計算し、申告します。

一方、会社員の場合は経費ではなく、その代わりともいえる「給与所得控除」という、収入に応じた一定額の控除(差し引くこと)が決められています。

たとえば、収入が300万円なら300万円×30%+18万円=108万円が「必要経費」として認められているわけです。

この金額はだいぶ多く見積もられています。スーツ代や、仕事にかかわる本代などを全部足しても、100万円以上使う人はほとんどいませんよね。

この必要経費の他にも、所得税計算の際に控除される「所得控除」と「税額控除」があります。

所得控除のうち、すべての人に関係するのが「基礎控除」です。

これは「健康で文化的な生活を送るための最低限度の所得」のことで、すべての納税者に保障され、一律38万円です。

つまり、給与所得控除額の最低額65万円+基礎控除38万円=103万円までの収入なら、所得税はかからないことになります。

収入から給与所得控除額と所得控除額を差し引いたものを「課税所得」といい、この金額に税率を掛けて所得税額を出します。

こうして算出した所得税額から控除されるのが住宅ローン控除、配当控除などの「税額控除」です。

会社員が確定申告すべきケースとは

●忘れると罰則または損することも

会社員でも、給与の年間収入が2000万円以上ある、複数の事業所などから給与をもらっている、副業で20万円超の所得がある人などは確定申告が必要になります。

これは義務なので、怠るとペナルティが課せられることがあります。

また、義務ではなくても、確定申告をしたほうがよいケースもあり、よく知られているのはマイホームを購入・増改築したときの「住宅ローン控除」です。

この控除を受けるには、1年目は自分で確定申告をする必要があります。2年目以降は年末調整でできます。

1年間に支払った、本人あるいは家族の医療費が一定金額以上の場合は「医療費控除」ができます。

対象となる医療費は入院費、治療費や通院の交通費、薬代、出産費用などです。

年末に結婚したり子どもが生まれたり、年末調整後に扶養親族が増えたりした場合も控除額が増えるので忘れずに申告しましょう。

年の途中で退職し再就職していない人は、たいてい税金を納めすぎているので、確定申告をすれば納めた税金が戻ってきます。

確定申告の時期は通常2月16日〜3月15日ですが、納めすぎた税金を取り戻す「還付申告」は2月15日以前でも受けつけてもらえます。

また、5年間さかのぼれるので、その期間で申告を忘れているぶんがあれば、取り戻せるかもしれません。

確定申告は、国税庁が開設している「確定申告 書等作成コーナー」を使えば簡単にできます。

たとえば医療費控除を申請する場合、「源泉徴収票」と医療機関で受け取った「領収書」を用意するだけです。

まず、前年にもらった給与と控除額を、源泉徴収票を見ながら入力します。続いて医療費控除ページを開いて、医療機関と医療費をすべて入力します。

数字に誤りがなければ、還付金が自動的に計算され、確定申告書のできあがりです。

Webサイトより※クリックするとAmazonに飛びます

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント。株式会社マイエフピー代表取締役。『年収200万円からの貯金生活宣言(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』など著書多数。webで日本経済新聞社、ダイヤモンド社、総合情報サイト「All About」の連載を後悔するとともに、メルマガ「貯めて増やす 横山式実践型メルマガ2.0」も講談社「現代ビジネス」で配信。

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集