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離婚シングル男性と死別シングル男性との再婚、どこが違う?向き合い方を考えてみた

離婚バツイチとの再婚経験者が解説します。

「奥さんに先立たれた男性との再婚は離婚した男性より難しいよ」という話をよく耳にします。

かくいう筆者は先の結婚相手も今の交際相手も離婚シングルと、なぜか付き合う男性が離婚経験者ばかり。離婚シングルとの付き合い方はそれなりにつかんでいますが、死別シングル男性は未知の世界です。

そんな筆者が、死別シングルファザーとの結婚を綴ったエッセイ漫画を読み、離婚シングルと死別シングルの違いを考えてみました。

離婚シングルと死別シングル、その割合は?

離婚,死別,再婚 (写真=Chanclos/Shutterstock.com)

そもそも、離婚でシングルになった男性と死別でシングルになった男性は、どちらが多いのでしょうか。

厚生労働省が行った「2016年度全国ひとり親世帯等調査」のデータをもとに計算してみました。これは20歳未満の未婚の子供がいるシングル親のデータなので、子供を持たなかったカップルの離別・死別は含みませんが、おおよその傾向はつかめるのではないかと思います。

離別シングルには男女それぞれ同数の離別した配偶者がいると考えられるので、それも含めて計算すると、2016年度に結婚を経てシングルとなった男女の状況はこうなります。

  • 離別シングル女性 1943名
  • 離別シングル男性 1943名
  • 死別シングル女性 165名
  • 死別シングル男性 77名

男性だけを抜き出すと、じつに96.2%が離別シングル、死別シングルは3.8%のみという結果。離別シングル男性と出会う可能性の方が、圧倒的に多い訳です。

『初婚でいきなり2人の子持ちになりました』を読んでみた

離婚,死別,再婚 (写真=FotoDuets/Shutterstock.com)

・離別と死別の違いは「先妻さんへの葛藤」?

その極めて少ない死別シングルファザーと出会い結婚した経験を綴ったエッセイ漫画が、『初婚でいきなり2人の子持ちになりました』(ネコおやじ著、竹書房2016年)です。

結婚経験のある男性との再婚やお付き合いは、子供の有無やその子との同居の有無も大きく影響してくると思いますが、離別と死別の一番の大きな違いは「先妻さんの存在」なのでは?と感じました。印象に残ったシーンを抜き出してみましょう。

・子供たちにとっての「母ちゃん」と「ママ」

1つ目は、子供たちからの呼び名を「ママ」に決めたというエピソード。同居を機に名前呼びから「おかあさん」を指す呼び方に変えたのですが、亡くなった先妻さんのことを子供たちは「母ちゃん」と呼んでいたため、別の「ママ」という呼び名に決めたのだそうです。

著者のネコおやじさんは「先妻さんに対する嫉妬心が強く、同じ呼び名が嫌で」と振り返っています。おかあさんポジションは先妻さんから引き継いだようなものなのですが、それでも自分は自分、先妻さんとは違う存在、という葛藤があるのでしょう。さらに筆者には、亡くなった先妻さんの場所を侵さない尊重の気持ちのようにも感じられます。

・先妻さんの記憶の残る家、キッチン、そして仏間

ネコおやじさんが作中で繰り返し触れるのは、先妻さんの気配が残る生活感のある家のこと。特に心を落ち込ませてしまうのは、生前のリアルな生活を想像してしまう台所用品や、何がしまわれているか分からない、分かりたくない押し入れや戸棚。そして、どうしても入ることができなかったのが先妻さんの遺影と仏壇のある仏間でした。

おそらく先妻さんの記憶に触れるたびに、この家にはまるべきピースは本来自分ではなくて先妻さんだったのだ、という気持ちになってしまうのでしょう。

しかし、ある大きな喧嘩の後、別れを決意したネコおやじさんは初めて仏間に入り、先妻さんの日記を見つけます。闘病中の先妻さんの姿に触れ、泣きはらした後に、不思議と心がすっきりとしてやり直す決心をするシーンは感動的です。

先妻さんの存在と元妻さんの存在

離婚,死別,再婚 (写真=photobyphotoboy/Shutterstock.com)

・悪者には絶対できない先妻さん

ネコおやじさんにとっての先妻さんは、乗り越えられない大きな存在。子供たちの大事な実母、この世にはもういない仏様、そして自分よりも先に彼と結婚していた人。自分がつらい時も先妻さんの思い出は美しいままで悪者にすることはできず、どんなに頑張っても自分は「2番目」の存在。それが彼女を苦しめました。

死というどうにもならない理由で永遠に失われてしまった先妻さんの存在は、死別シングルとの再婚ならではの大きな壁なのでしょう。

・元妻さんに感じる同志感・連帯感

一方の離婚シングル。筆者はお付き合いした男性を通して間接的に3人の元妻さんを知っていますが、ネコおやじさんのような葛藤は抱えたことがありません。

それは「別れた元妻さんなら悪者にできるから」という理由でもなくて、筆者が元妻さんに対して感じるのは、圧倒的な同志感、連帯感なのです。「元妻さんのいた家」も経験していますが、そこに感じるのは「元妻さんの存在感」ではなく、むしろ「大きなものを失った男の空白」です。

そう感じる大きな理由は、「離婚男性は一度結婚を自分で壊してしまった、元妻さんに立ち去られてしまった問題児だから」であるような気がします。どうやら筆者は、相手の男性よりも元妻さんに近い立ち位置で、彼らを見ているようなのです。

離婚シングル男性と死別シングル男性、違いはここ?

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・離婚シングルは「事故車」

若い女性たちに「能動的に人生を選び取ろう!」と呼びかける『愛は技術-何度失敗しても女は幸せになれる。』(川崎貴子著、KKベストセラーズ2015年)で、著者の川崎さんは結婚相手として「バツイチ・子あり男性」を勧めつつ、彼らのことを「事故車」と表現しています。

川崎さんはご自身も子供を連れての離婚を経験されているので、自戒も込めつつこの表現を使ったのだと思われますが、結婚生活を自らの意思で終了させてしまった「事故車」とばかり付き合ってきた筆者も、この表現には非常にうなずけます。事故車、もしくは事故歴のあるドライバーといったところでしょうか。

・離婚シングル男性の「元妻の話」は最大の情報源

そのような観点からすると、離婚シングル男性の元妻さんは、いわば事故車の前のオーナーです。この事故車を十分に経験した「先達」です。

したがって、離婚シングルの語る元妻話は、立場を変えて解釈すると、前のオーナーがまとめた「事故歴のレポート」のようなもの。彼が女性とのコミュニケーションでどんなところにつまずきがちなのか、考え方にどんなクセがあるのか、相手とあつれきが生じた時にどんな行動を取るのか、すべてが記載されていると思っていいでしょう。

前出の川崎さんは「彼が有責の場合は離婚理由をしっかりと確認せよ」と戒めていますが、このような男性の最大の有責は、自分の有責に無自覚であることです。元妻だけが一方的に悪いストーリーを語り出す人は要注意です。彼が元妻さんの話を語り出したら、問わず語りで自由に語らせ、熱心に聞いた方がいいと思います。彼は自分でも思いもよらなかったところまで、知らずに語り出すと思いますよ。

もちろん、彼を疑ってかかれとか批判的な目で見ろとかいうことではありません。それでは何のために付き合っているのか分かりませんから。

それでも、元妻さんに対しリスペクトとフラットな気持ちを持って相手男性の話を聞くと、別の機会の彼の行動と照らし合わせた時、(元妻さんの気持ちも分からなくはないなぁ……)としみじみ思うことも少なくありません。彼とどう付き合っていくかを考えるのは、そこからが勝負です。

・死別シングル男性は先妻さんとの向き合い方がカギ?

一方、死別シングル男性は自分で運転を誤って事故を起こしたというよりは、いわば避けられない天災や不慮の事故で同乗者を失くしたようなもの。離別シングルとは事情が異なるのでしょう。死別シングル男性と関係を継続していけるかどうかのカギは、彼が先妻さんにどのような折り合いをつけているかによるのではないかと感じました。

ネコおやじさんの結婚相手は、先妻さんの仏間は自分で掃除し、先妻さんに関わることは彼女に決して強要しませんでした。子供たちのフォローもしっかり果たし、ネコおやじさんのつらい気持ちも受け止めました。

離婚の危機に彼女に伝えたのは「誰でもいい訳じゃない、お前だから俺にはお前が必要なのだ」ということ。一番重要なのは、「先妻の代わりではなく、お前が必要なのだ」としっかり自覚している男性であること、なのではないでしょうか。

過去のある人間同士の向き合い方

離婚,死別,再婚 (写真=Miramiska/Shutterstock.com)

過去がまっさらな人間は、男性にも女性にもいません。記事中、離婚シングル男性のことを「事故車」と書きましたが、筆者も一度離婚を経験しましたので、同じく「事故車」の1つです。運転のクセもあると思いますし、事故による車体のゆがみもあると思います。

それでも、自分が傷を抱えていることや相手が女性と別れた歴史を持っていることを、怖がり過ぎる必要はないのです。自分の気持ちがどう揺れてどこに進むのか目を離さないこと、相手が過去の痛みとどのように向き合っているのか見極めること。それができれば、相手とどの地点まで一緒に進めるのか、見えてくるのではないでしょうか。死別でも、離別でも。

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