(写真=髙橋 明宏)

人生も仕事も家族も身につけるものも「愛するもの」に フォトグラファーMARCOさん

フォトグラファーMARCOさん第2回

人気フォトグラファーのMARCOさん。ビビットで繊細な写真は10代の女性を中心に人気を博しています。第1回目のインタビューでは、2018年8月に新しく出版された写真集についてのエピソードや、プロのフォトグラファーとしての仕事の姿勢についてお話をお聞きしました。

今回はMARCOさんとお金、支えてくれる家族、そしてご自身の人生についてお聞きします。

また、インタビューの最後には、DAILY ANDSのテーマでもある「人生は投資の連続」というテーマに寄せて、MARCOさんの人生における投資とは?をおうかがいしました。

本当に好きなものだけを買う ハイセンスな感性は強い愛着から生まれる

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――MARCOさんはファッションやスタイル、持ち物などもとてもファッショナブルだと感じます。SNSを拝見すると、お子様もとってもオシャレだな!と感じます。ファッションや身の回りの持ち物についてこだわりはありますか。

ありがとうございます。

特に意識しているのは絶対的に気に入ったものだけを身の回りに置くようにしていることです。日常的に目に触れるものが自分の意識や気分にかなり影響を与えるので、洋服や小物、日用品に至るまで、好きなものだけに囲まれていたいと思っています。

あとは、子どもが生まれると落ち着いたファッションをする人が多くなるのかなと思うのですが、私は子どもが産まれたからってこれまでと変わらない自分でいたいし、あえて攻めたいと思うんです。

ちょっと尖っているかもしれませんね(笑)。

――洋服などを購入する時に、特に意識なさることはどのようなことでしょうか。

あります。「これくらいでいいかな」とか「ちょっとお得かな」というくらいのものであれば買わないようにしています。

SALEだから買うということはありませんし、使えそうだから買うということもほとんどありません。だいたいの買い物は一目惚れで、即決できるくらい気に入ったものしか買わないんです。迷うなら買わない。買い物がすごく早いんです。あえてお買い物に出かけることもなくて、たまたま出会ったものをポンって買う感じ。

逆に必要なものを買うのにはすごく時間がかかっちゃうんです。例えば急に保育園で必要になった子どもの洋服を買おうとしたら、ネット上の子ども服サイト全部見たんじゃないかっていうくらいとことん探しちゃうんです。

比較してコレ!じゃなくて「絶対的にコレ!」って思ったものを買いたいから、探し出すとなかなか見つからないんです。妥協した買い物はしたくないんです。

夫婦揃って良いと思わないと買わない 「一生モノ」だと思って大切にする

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――値段に限らず、本当に好きになったもの、惚れたものだけを購入されるんですね。他にそう思われるものはありますか。

ありますよ!

家具などもそうです。家具は一生モノのつもりで吟味して買っています。今は安価でカジュアルにオシャレな家具もたくさんあり、購入して数年経つと飽きる・壊れるなどから捨てる・買い換える人が多いと思います。

私も若い頃はそうでしたが、もう大人だし、本当に気に入った良いものを長く使いたいと思えるようになりました。

家具などを購入する時は主人と私のお互いが「それ、超いい!」って共通認識を持てるものが見つかるまで絶対に買わないようにしてます。

私は「一目惚れするほど気に入ったか」を重視しているし、

主人はそれを「どこよりも安く手に入れる方法をとことん探す」人。

時間はかかるけど妥協のない買い物を常に心がけています。

ただ、この考え方が洋服や家具などだけにかかわらず、日常品にも及んじゃっているんです。例えば包丁やおたまなどの生活必需品も気に入るまで買わないとこだわってしまって、使いたいときに使えないこともあるんです。

そこはうまくバランスを取らないといけないところではありますね。

バランスが大事 好きなモノのコレクションにはお金を使うこともある

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――どうしてもコスメが好きで使いきれないコスメを買う人もいます。並べておくのは綺麗ですが、最後まで使い切れずインテリアのようになっている人もいます。

それは考え方次第かなと思っています。私自身はそこまでお化粧をたくさんしないので必要最低限のものしか揃っていませんが、趣味で必要のないコレクションをしてしまう気持ちは分かります。

私も以前ほどではありませんが、人形やボタンなど、必要にないものをコレクションしていますし。

製造中止になっても愛用のカメラは修理し続けて使う カメラは10年来の相棒

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――お仕事で使うカメラなどの機材はいかがでしょうか。

ずっと同じものを使っています。

新しいカメラやレンズに変えようと思って別のものを試すこともあるのですが、「何か違う」「しっくり来ない」と思うのでずっと変えられないんです。

撮影で使うものはストレスなく自分に合うものを使いたいと思っているので、お仕事で使うデジタルカメラは年々スペックが上がっていくので必要最低限の買い替えはしています。ただ、作品作りに使用しているアナログカメラやレンズは同じものを15年くらい使っています。

もうなくなってしまったメーカーのものなのでメンテナンスが多少大変ですが、アナログのカメラは頑丈です。

あまりメカ自体に興味がないこともあり、究極で言うとどんなカメラでも一緒だと思っているところがあって……。

だから自分の身体の一部のように思えるカメラを使い続けたいです。

――MARCOさんはものすごく気に入ったものしか買わない・愛があるように感じます。MARCOさんご自身はどのようにお考えでしょうか。

そうですね。私にとって何かを購入する・使う時に大事にしているのは「愛着」なんだと思うんです。好きかどうかが判断基準ですね。

結婚・出産しても作風は変わらない私でいたい

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――クリエイターのお話をお聞きすると、結婚・出産を経て作品に変化が出てきたと感じる場面があるとおっしゃる方もいます。MARCOさんはご結婚・ご出産を経てお仕事や作品に変化を感じる場面はありますか。

結婚したからとか、出産したからとかで雰囲気が優しくなったと言われるのはちょっと違うかなと思う部分があります。結婚しても、出産しても撮りたいもの、撮りたいと思う景色は写真を始めた当初からあまり変わっていません。

それよりも日々の変化のほうが大きい。天気とか場所とかの影響のほうが大きく受けています。

ただ、物理的に出産後は子どもといる時間が多いからカメラを構える時間が減った、というのはありますね。逆に区切られた短時間で集中力高く向き合えるようになったという面もあります。撮影のスタイルが年々変化しているので、それとともに変わっている何かはもちろんあります。

家族が協力してくれる 感謝

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――読者の中にはMARCOさんと同じようにお子様を育てながら自分のお仕事・やりたいことに向かって頑張っている方々もいらっしゃるのですが、子育てとの両立はいかがでしょうか。

それは私も難しくて悩んでいることです。仕事もたくさんしたいし充実させたいけど、子どもとの貴重な時間もおざなりにはしたくない。

私には今2人の子どもがいますが、保育園に預けている時間だけでは仕事が終わらないので、お迎えに行ってご飯を食べさせて、寝かしつけた後、夜2時3時まで仕事をしています。子どもといる時は子どもに集中して仕事はしないようにしています。

とは言え、体調を突然崩すことも多い月齢なので、締め切り間近に熱を出す時もあります。そんな時には子どもをおんぶして暗室で作業することもあります。

主人も私もお互いに外せない打ち合わせがあって、2時間交代で帰ってきて子どもを見たこともありますし、綱渡りの日々です。皆さんどのようにして育児と仕事を両立しているのでしょうか。私も知りたいです。

蜷川実花さんのアシスタントとして過ごした期間 これが私の投資

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――DAILY ANDSは日常生活のあらゆる「選択」を「投資」だと考えています。お金だけではなくて、結婚、出産、進学、そしてキャリア、洋服選びなどさまざまな場面をすべて投資と考えるとMARCOさんのこれまでの人生の中で、これは「投資」だと思われる場面はありますか。

私も人生は投資の連続だというのはまさにそのとおりだと思うんです。チャレンジですよね。

私の人生の投資を振り返ると、やはり師匠(蜷川実花さん)のアシスタントをしていた4年半ですね。大学3年生の時にたまたま見つけたアシスタント募集に応募し、合格してから本当に寝る間を惜しんでずっとカメラや写真のことだけを考え続けた時間でした。アシスタントになりたてのころは大学の授業と重なっていたので配慮していただきましたが、友達と遊んだり、飲みに行ったりする時間はまったくなく、まさに仕事だけに捧げた4年半です。

何かをやり遂げたいと思ったらある程度の犠牲は必要だと思ったので、とにかくそれだけに集中していました。その時に巡り合った方もたくさんいます。

あれだけ濃密な時間をそれまで過ごしたことはありませんでしたし、師匠をはじめ育ててくださった多くの方々にはとても感謝しています。

MARCOさんのこれからの人生 フォトグラファーとしてカメラを突き詰める

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

――師匠に出会わなければフォトグラファーとしてのMARCOさんは今とは別のMARCOさんだったかもしれませんね。そんなMARCOさんは今後のご自身の活動や生き方をどのようにお考えですか。

今後も投資し続けていきたいとは思います。人生長すぎるし日々受け身だと衰退するだけなんじゃないかな、と思っているので。

今回の写真集『SOMEWHERE NOWHERE』の制作もある意味投資です。この本を出版すること自体で得られる収入という意味ではなくて、次のステップに行くための投資。この本を作ったことで自分が今までやってきたことの整理もできたし、次にやりたいこともクリアになりました。

写真以外の目標ですか?うーん。なかなか思い浮かばないですね。まだまだ10代だった自分が思い描いていた人物像にはなれていませんから。フォトグラファーとして自分が思い描く人物像・作品を撮るためにもっとチャレンジをしていきたいと思います。

★MARCOさんの写真集は今後各地で巡回を予定しているそうです。詳細は今後SNSなどで配信されるそうですが、東京だけではなくさまざまの土地でMARCOさんの写真を間近で見ることができるのは楽しみです!

今回、お話を伺ったのは

MARCO, 写真集,インタビュー (写真=髙橋明宏撮影)

MARCOさん 長野県出身。2003年慶應義塾大学在学中より蜷川実花氏に師事。2008年より活動開始。雑誌媒体をはじめ、広告、CDジャケット、タレントカレンダー、写真集、など幅広く活動中。自身の著書には「Spring Pedals by lovely hickey」(双葉社)がある。2018年8月に出版した『SOMEWHERE NOWHERE』は代官山蔦屋書店、銀座蔦屋書店、BOOKMARC、青山ブックセンター、MARCOさんのECサイトから購入できます。

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