(写真=RomanSo/Shutterstock.com)

今年こそやりたい「ふるさと納税」仕組みや手続きをおさらいしよう

オトクなふるさと納税をちゃんと理解しておこう

全米オープンテニスで優勝を果たした大阪なおみ選手の話題は記憶に新しいですよね。

凱旋試合である東レパンパシフィックオープンのプレミアチケット引換券を、「ふるさと納税」で手に入れたという話を聞いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

試合会場となった「アリーナ立川立飛」がある東京都立川市が、ふるさと納税の返礼品として用意していたチケット引換券は、全米オープンの優勝後、間もなく受付終了表示になりました。

豪華な返礼品が何かと話題となる「ふるさと納税」。

その仕組みや背景、手続き方法を改めてご紹介しましょう。

ふるさと納税ってどうしてできたの?

ふるさと納税, いつ (写真=GP Studio/Shutterstock.com)

地方で生まれ育ち、大人になってから都会に出て、その後の生涯を都会で過ごすというライフスタイルはよく見られるものとなっています。

ここで税収に目を向けてみると、税金は納税義務のある人自身が住む自治体に対して納めるものですから、結果的に地方の税収が減っていくのも自然なことでしょう。

そして、育ててもらったふるさとの町に対して、何かためになることをしたい、自分が収める税金をふるさとの町に使ってもらうことはできないのか、という発想から生まれたのが「ふるさと納税」制度です。

ふるさと納税は2008年度から始まり、実際にふるさと納税を利用して住民税の控除が行われたのは、その翌年の2009年度からです。

これは、住民税が前年の収入に応じて算出され、翌年支払うという仕組みになっているからです。

2018年で10年目となる制度ですが、実際に利用者数の推移が極端に増えてきたのは2016年から。2009年度の控除利用者数は3.3万人、ふるさと納税額は72.6億円でした。

ところが、2018年度(2017年1月1日~12月31日)には控除利用者数295.9万人、納税額は3481.9億円と約50倍にもなりました。でまさにうなぎ登りですね。

これには、ふるさと納税ポータルサイトの普及と、2016年度から始まった「ワンストップ特例」の影響が大きいといえます。

ふるさと納税の仕組み

ふるさと納税, いつ (写真=ITTIGallery/Shutterstock.com)

「納税」という言葉が入っていますが、ふるさと納税は「寄附」です。自分が応援したい自治体に寄附することで、所得税と住民税が控除されるという仕組みです。

ふるさと納税による控除額は、年間の寄附額から2000円を引いた額になります。

寄附を受けた自治体は、お礼として特産品などを提供するのが一般的になっているため、実質2000円の自己負担で日本各地の特産品がもらえたり、サービスが受けられる制度と捉えられているわけですね。

寄附額は収入によって限度があります。

限度額を超えてふるさと納税をすると、本当の意味での「寄附」になりますので注意が必要です。

●ふるさと納税の手続き

1.寄附をする自治体を選ぶ
興味のある自治体のホームページで確認するか、直接連絡する、もしくは、ふるさと納税ポータルサイトで寄附をしたい自治体や受け取りたい返礼品を探します。

自治体で独自のポータルサイトを作り、市区町村長が自ら、取り組みや返礼品のアピールをしているところもあります。

2.自治体に申し込む
直接自治体に申し込む場合は、自治体によって手続きの仕方がさまざまです。

クレジットカード決済、現金で持参、納付書で支払うなど、決済方法も自治体によって異なりますので、各自治体に確認しましょう。

ポータルサイトを利用してふるさと納税をする場合も、申し込み方法や決済方法を各サイトで確認してください。

ふるさと納税, いつ (写真=fizkes/Shutterstock.com)

3.確定申告を行う
寄附が完了すると、自治体から「寄附金受領証明書」が発行されます。発行までの期間は寄附の方法によって異なりますが、郵送などで送付される場合は、おおむね3週間から2カ月とされています。

ふるさと納税で寄附金控除を受けるには、確定申告の際に受領証明書を添付して、翌年の3月15日までに確定申告を行います。

また、確定申告の必要のない「ふるさと納税ワンストップ特例(以下、ワンストップ特例)」という制度もあります。

4.所得税からの控除
ふるさと納税による寄附金控除の額は確定申告で算出され、所得税分はその年の所得税から控除されます。

通常、確定申告から1~2カ月後に還付されます。

5.住民税の控除
寄附金控除の住民税分は、翌年度の住民税から減額される形で控除されます。給与所得者であれば、給与明細書で、差し引かれる住民税額を前年度と比べて確認しましょう。

給与明細書の中身をしっかり把握することは、税金に対する意識を高めることにもなります。

●「ワンストップ特例」ってどんな制度?

ふるさと納税, いつ (写真=Diego Cervo/Shutterstock.com)

確定申告をする必要のない給与所得者の方にとっても、ふるさと納税が身近になったきっかけとなったのが「ワンストップ特例」です。

これは、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄附金控除が受けられる制度で、条件は次の2つです。

  • ふるさと納税先の自治体が1年間で5団体以内である(同じ自治体に複数回寄附しても1と数える)
  • 各ふるさと納税先の自治体に、特例の適用に関する申請書を提出する(納税の都度提出)

この2つの条件を満たせば、確定申告をしなくても控除が受けられます。

ワンストップ特例の申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)を自治体に提出する期限は、ふるさと納税をした翌年の1月10日です。

申請書の届け出に変更があった場合や、年末ギリギリにふるさと納税をした場合は、遅れないように注意しましょう。

1年間の納税先自治体が5団体を超えた場合は、超えた分に関して確定申告を行います。

控除額の計算方法と限度額の目安

ふるさと納税, いつ (写真=kenny1/Shutterstock.com)

控除額は、収入、家族構成、ほかの控除(医療費控除や住宅ローン控除)によっても変わります。詳細については自治体の窓口で確認しましょう。

総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」や、先に紹介した各ポータルサイトでもシミュレーションできますので、利用するとよいでしょう。

●世帯収入と家族構成別限度額

控除額はふるさと納税をした額から計算します。気付かないまま、全額控除の上限を超えてふるさと納税をしていることもありますので、事前に限度額の目安が分かっていたほうがいいでしょう。

【全額控除されるふるさと納税額目安の一例】※()内が限度額の目安

・独身または共働き、子どもがいても中学生以下の場合
年収400万円(4万2000円) 年収500万円(6万1000円) 年収600万円(7万7000円)

・専業主婦と夫の夫婦で、子どもがいても中学生以下/共働きで、子供のうち高校生が1人いる場合 
年収400万円(3万3000円) 年収500万円(4万9000円) 年収600万円(6万9000円)

・専業主婦と夫の夫婦で、子どものうち高校生が1いる場合
年収400万円(2万5000円) 年収500万円(4万円) 年収600万円(6万円)

上記の「共働き」の額面は1人分です。夫婦がそれぞれふるさと納税をした場合は、記載の2倍の金額になります。

ふるさと納税, いつ (写真=Yuganov Konstantin/Shutterstock.com)

●控除額の計算方法

1.所得税の控除額
(ふるさと納税寄附金額-2000円)×(所得税の税率×1.021)

2.住民税の控除額(基本分)
(ふるさと納税寄附金額-2000円)×10%

3.住民税の控除額(特例分)
(ふるさと納税寄附金額-2000円)×(90%-所得税の税率×1.021)
※住民税所得割額の20%を限度とする

1+2+3が控除額となります。

今後のふるさと納税にも注目

近年、都会に移り住んでいても、ふるさとを大事にしたいという考えを持つ人は増えているのではないでしょうか。

「寄附をすると寄附した金額以上の返礼品がもらえる」というおトクさだけに注目が集まりがちですが、実はあなたが寄附した金額によって地方が活性化するかもしれないきっかけになる大事なものでもあります。

地方だけでなく、ご自分の住む自治体のふるさと納税にも目を向けてみるのも良いかも知れませんね。

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