(画像=Nitchakul Sangpetch/shutterstock.com)

見直しで「保険料を減らす」おトクなテクニックとは?

別冊宝島2620号「生命保険 実名ランキング!」(3)

この記事は横川由理氏と長尾義弘氏の監修による『別冊宝島2620号「生命保険 実名ランキング!」』(宝島社)の内容を抜粋したものになります。

・『別冊宝島2620号「生命保険 実名ランキング!」』シリーズ
(1)営業員、ネット、来店型——保険はどこでいくら入るのが正解?
(2)終身保険は魅力ナシ、医療保険は入らなくて良い——意外と知らない保険の中身とは?
(3)見直しで「保険料を減らす」おトクなテクニックとは?

保険の見直し、これはNG!

保険の見直しは大事です。ただ、やり方を間違えると、損をしてしまいかねません。

・いまの保険と新しい保険は必ずダブらせる

保険の見直しは、年々変化する必要保障額を定期的に見直すことで過不足なく保険に加入するために行います。

保険を見直すときは、現在加入している保険を解約して、新しい保険に加入する場合も多いと思います。

そんなときには、必ず保険期間をダブらせるようにしましょう。

保険料がもったいないと、以前の保険を解約してしまうと、万一、健康上の問題などで新しい保険に加入できなかった場合に、保険がなくなってしまいます。

さらにがん保険は、注意が必要です。

というのも、がん保険には90日の待ち期間が定められており、保障が開始するまで約3ヵ月待つ必要があります。

この間にがんと診断された場合には、契約は無効となり、がん保険に加入することはできません。

・「お宝保険」を解約してはいけない理由

大手国内保険会社で見直すときに「転換」という制度を使う場合があります。

同じ保険会社の古い保険を新しい保険に変更する制度です。つまり、古い保険を解約して、新しい保険に入り直すこと。

転換する場合に注意することは、2つあります。

ひとつ目は、転換前の保険の予定利率が転換後の保険の予定利率より高い場合です。

予定利率とは運用利回りという意味なので、高いほうがおトク。これを「お宝保険」と呼んだりします。

でも、転換後の保険は必ず予定利率が低くなります。平成30年の予定利率は0.5%程度。

低金利政策の影響で、予定利率は年々低くなり、いまが一番低いのです。

特に終身保険などの貯蓄性の保険は予定利率が高いほうが、私たちの支払う保険料は安くなります。

・解約返戻金がゼロになる?!

注意の2つ目は、転換前の解約返戻金を転換後の定期保険部分へ組み入れると、せっかく貯まった解約返戻金がゼロになってしまうこと。

ちょっと難しいのですが、定期保険は掛け捨て型でしたね。

転換部分を終身保険など貯蓄部分に組み入れた場合には、解約返戻金はなくなることはありません。

最後は保険の名義について。

ここを間違えると払う必要のない高額な税金がかかることもよくあるのです。契約者と被保険者が同じ人の場合は相続税の対象。

受取人が相続人の場合、1人につき500万円の保険金が非課税となります。

しかし、契約者と被保険者が異なり、受取人が契約者の場合は所得税と住民税の対象となります。

(画像=書籍より)

よくあるのは夫が契約者、妻が被保険者、夫が受取人のパターン。

この方法だと、保険金の約半分に所得税と住民税がかかります。ほかの所得と合計するため、税金はかなり高額になることでしょう。

贈与税は高額です。こんな契約形態は絶対にNG!

見直しには4つのポイントがある

新しい保険に入り直すのではなく、いまある保険を使ってお得に見直すことも可能です。

(1)更新ごとに値上がりしていく保険料を抑える

保険を見直す方法は、新しい保険に入り直すことばかりではありません。もしかしたら、健康上の問題で新しい保険には加入できないこともあるでしょう。

ここでは、加入中の保険を活用しつつ、保険料を下げたり、他の種類の保険に入り直すことをご説明しましょう。

たとえば、定期保険特約付終身保険は、一般に特約部分を10年ごとに更新します。更新のたびに年齢が高くなりますから、保険料は必ず高くなります。

(画像=書籍より)

このとき以前と同じ金額で更新するのではなく、更新と同時に減額することで、保険料を圧縮することができます。

更新時には必要保障額が下がっているため、理にかなった方法だといえるでしょう。

(2)保険種類の変更や払済の変更という方法もある

次は保険料の払込みを中止しても、保障を続ける方法を2つご紹介しましょう。

終身保険など貯蓄性のある保険を延長(定期)保険へ変更することもできます。なにかの事情で「保険料が払えなくなってしまったけど、保障は継続したい」というわがままな希望を叶えてくれるのが延長(定期)保険です。

この方法は、変更時の解約返戻金を使い定期保険に加入することで、保険料の払込みをストップしても一定期間は変更前と同額の死亡保障が続きます。

(画像=書籍より)

たとえば、余命宣告をされた場合など保険料を払わなくとも、保障を得られるのです。

保険料の払い込みをやめても保障が続く2つ目の方法は、払済保険に変更することです。

払済保険の場合は、変更前の解約返戻金に応じた保障額に変更されます。つまり、これまで支払った保険料に見合う保険金に減額する方法です。

保障額は以前より低くなることに注意をしてください。

予定利率(保険の運用利回り)が高い契約の場合は、当時の高い利率で運用が続くことになります。

次は収入保障保険の弱いところを克服する方法をご紹介しましょう。

収入保障保険のメリットは保険料が安いこと。

デメリットは満期が近づくにつれて、保障額が少なくなること。

長生きをすればするほど、保険金の総額は少なくなります。

こんなケースを考えてみましょう。

ある日夫ががんにかかり、余命は数年だと宣告されました。夫にはできるだけ長く生きてもらいたいものの、長生きをすればするほど保険金が少なくなります。

そんなとき、一部の保険会社の収入保障保険は、定期保険などほかの保険種類に変更することができます。

追加での保険料は発生しますが、毎月毎月保障が減っていくという収入保障保険のデメリットを克服することができます。

どうにかして保険料をへらしたい!得する見直しには、こんなやり方がある

保険料の負担を減らせば、それだけ家計は助かります。そんなテクニックを紹介します。

(3)健康状態や喫煙の有無によって入り直す手も

保険商品の中には、血圧やBMIなどの健康状態、そして喫煙の有無によって保険料に違いを設けているものがあります。

禁煙して1年経った(保険会社によっては2年)なら、健康状態や喫煙の有無で保険料に違いのある商品に入り直すのもよい方法です。

たとえば、現在35歳の男性が、30歳で健康体の区分がない定期保険3000万円に毎月7500円の保険料を支払っているとします。

年齢は5歳上がっているのにもかかわらず、非喫煙優良体だと同じ保障に月額5520円で加入できます。

一方、「タバコも吸うし血圧もちょっと」、という場合は月額1万1970円とかなり高くなってしまいます。

そんなときは、喫煙の有無や健康体の基準を設けていない保険会社で試算をしてみてください。

保険料が高くなるようなら、加入中の保険を必要保障額に合わせて減額するなどの方法を検討してみましょう。

2018年4月より、死亡保険の保険料が引き下げられています。

保険を見直すチャンスだといえるでしょう。

・健康になれば保険料が戻ってくる商品も登場

通常、禁煙をしたり、健康状態がよくなった場合には、保険に入り直す作業を行うわけですが、以前の保険に加入したまま健康体の区分を変更できる制度ができました!

その名も「健康☆チャレンジ!制度」は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命が行っています。

この制度は、適用する保険料率を契約日にさかのぼって見直すことで、契約時からの保険料分を「健康チャレンジ祝金」として返してくれるもの。

契約日から2年以上5年以内の間に、3回チャレンジするチャンスがあります。チャレンジできるのは、収入保障保険と定期保険となりますが、細かい規定はご確認ください。

・マイホーム購入は保険料減額のチャンス

保険の見直しはライフイベントごとに行うことが鉄則。特に大きなライフイベントは住宅の購入です。住宅ローンを組んだときは、必ず保険を見直してください。

というのも、住宅ローンを組むときは、団体信用生命保険に加入することが条件(フラット35を除く)。一般の銀行では、団体信用生命保険に加入しないと住宅ローンを貸してくれません。

団体信用生命保険は、住宅ローンの残高分の金額で加入します。

住宅を購入する前は、家賃も必要保障額に含めて計算をしましたが、団体信用生命保険へ加入することで必要保障額が少なくなります。

(4)年払いで割引、クレカ払いでポイントをゲット

あとは生命保険料の支払い方法の見直しです。毎月の支払いを月払いから年払いや半年払いに変更しましょう。

まとめて支払うことで、割引が適用されます。口座振り込みをしている人は、クレジットカード払いに変更する方法もよいでしょう。

支払った分のポイントがつきます。

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横川由理(よこかわ・ゆり)
FPエージェンシー代表、CFP®、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)、千葉商科大学大学院客員准教授。お金の知識を広めることをライフワークとして、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。著書に『別冊宝島1890 50歳から役に立つ「お金のマル得術」』『老後にいくら必要か?』『別冊宝島2029 アベノミクスで変わる「暮らしのお金」の○と×』(すべて宝島社)、『改訂版 保険 こう選ぶのが正解!』(実務教育出版)など多数。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
AFP、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆活動を行っている。著書に『コワ〜い保険の話』(宝島社)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『保険払いすぎ見直しBOOK』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』(すべて河出書房新社)など多数。

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