(写真=PIXTA)

さくらももこさんの訃報。アラサーから考える「乳がん」

大切なのは早期発見・早期治療

人気マンガ「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんが8月15日に乳がんで亡くなっていたことが明らかになりました。享年53歳、若すぎると思わざるを得ません。

国立がん研究センターによれば、成人女性のがん死亡で最も多いのは大腸がんですが、40~50代では乳がんが最多となっています。大切なのは早期発見・早期治療です。そのために、私たちができることにはどのようなことがあるでしょうか。

がん検診とセルフチェックを忘れずに

早期発見のためには、がん検診は必ず受けておきたいですね。また、乳がんは自分でも見つけることのできるがんです。入浴時や就寝前の着替えのタイミングで、気をつけて見たり触ったりする習慣をつけておきましょう。

そして、何かあれば乳腺外科、もしくは外科を受診します。自分が行こうと思う病院で、何科を受診すればよいのかが分からないときは、病院に電話をして症状や気になることを伝えれば、適切な科を教えてもらえます。紹介状や予約が必要なのかどうかも、確認しておきたいことです。

治療が必要になった場合、心配事は次々と出てきます。治療を受ける身体のことはもちろんですが、仕事や家族のことに悩む人も多くいます。さらにお金のことも。

がん治療は高額な上に、長期にわたることが少なくありません。そんなときに助けになるのが、社会保障制度の知識と、がん保険などの保険給付金です。

治療の助けとなる2つの社会保障制度

公的な社会保障制度は、病気治療などの機会がないと知らないままになっているケースも少なくありませんが、その中でも、傷病手当金と、高額療養費制度のことは覚えておきたい制度です。

○傷病手当金

傷病手当金とは、病気やケガのため働けなくなった場合の給付金です。受給者は会社員や公務員が対象で、自営業者やフリーランスは対象外になります。

給付金の金額は、標準報酬日額の3分の2。標準報酬日額とは、社会保険の保険料を決めるときに使う標準報酬月額を30で割ったものです。つまり、受取れるおよその金額は、いつものお給料の3分の2程度になります。

支給開始は、欠勤が連続して3日続いたあとの4日目から。支給期間はひとつの疾患につき最長で1年6カ月です。 傷病手当金は、安心して治療を受けられる制度です。もしもの場合は勤務先を通じて給付金請求をしましょう。

○高額療養費制度

高額療養費制度とは、保険診療の自己負担が高額になったとき、一定金額を超えた分は払い戻される制度です。社会保険だけでなく、国民健康保険など、すべての公的医療保険の加入者が対象になります。

自己負担の限度額は、年齢と年収、かかった医療費の総額で決まります。

乳がん,さくらももこ,早期発見,早期治療 (画像=Mocha)

年収が400万円であれば、自己負担の上限は約8万100円です。

また、直近の12カ月で高額療養費制度の払い戻しを3回受けると、4回目からは「多数該当」と言って、上限額はさらに引き下げられます。年収400万円の人なら、多数該当の上限額は4万4400円。がん治療は長期にわたることが多いので、利用することがあるかもしれません。

ただし、高額療養費制度は保険診療が高額になったときの制度なので、保険のきかない差額ベッド代やウィッグ代などが高額になっても対象にはなりません。そんな時にはがん保険や医療保険を給付金が利用できます。

自分で備える、がん保険・医療保険・団体信用生命保険

民間の保険会社の保険商品は、基本的に病気になってしまってからは加入が難しくなります。また、加入ができても保険料が高額になりますので、自分で備える保険は早めに検討しておくことが大切です。

そして、医療の進歩は日進月歩です。時代に合った保険であるかどうかも重要なポイント。定期的に保険の見直しをすることもオススメします。

○がん保険

がん保険はがんに特化した保険です。がんの診断を受けたときには診断一時金があるほか、入院、手術、抗がん剤治療のための通院なども手厚くカバーするものが多くあります。

しかし、昔のがん保険のなかには、入院と手術の給付金のみというものもあります。今のがん治療は、通院で抗がん剤治療をして、入院や手術はしない場合も考えられますが、そんなときには昔のがん保険では役に立たないかもしれないのです。

がん保険は加入した後も定期的に見直しましょう。チェックしておきたいポイントは、

・診断給付金:受取れる条件と回数
上皮内新生物は給付金を受取れない保険や、複数回受取れる場合でも2年に1度など、保険ごとに受取れる条件が異なります。

・入院給付金:何日目からの給付か
がん治療に限らず、入院日数は短くなる傾向にあります。1日目からの給付にしておくと安心です。

・通院給付金:受取れる条件
抗がん剤などの治療のための通院であれば、給付金が受取れる保険があります。

・先進医療特約
高額になりがちな先進医療を受けた場合に給付金が受取れます。

○医療保険

医療保険は、がんに限らずほぼすべての病気やケガが保障の対象です。入院、手術の保障がメインなので、入院日数が短くて通院治療が多くなれば、あまり給付金が受け取れない場合もあるでしょう。

がんの保障を特約として上乗せできるタイプもありますが、加入後の見直しのことを考えると、医療保険とがん保険とは分けて加入しておくほうが見直しやすいためオススメです。

○団体信用生命保険

住宅ローンを組むときに加入する団体信用生命保険(=団信)は、ローン返済中の死亡に備える保険です。団信に加入していれば返済中にもしものことがあっても、ローンの残債(=借入金の残額)が保険で支払われるため安心です。

この団信に、死亡だけではなくがんと診断された場合にも、ローンの残債が保険で支払われ、その後の支払いは不要になるタイプがあります。

がんは治療費が高額になりがちな上に、仕事に影響が出て収入が減る場合も少なくありません。そんなときにローンの支払いがなくなれば安心ではないでしょうか。

ローンを組むときには、ぜひとも検討したい保険です。

まとめ

今や、がんは死に直結する病ではなく、早期発見・早期治療で治すことも可能になってきています。あるいは、生活の質を落とさないような治療により、それまでと同様の日常生活や、自分らしい暮らしを実現することもできるようになっています。

もしもの場合にお金のことで悩まないため、社会保険の知識と、がん保険などの民間保険は備えておきたいものではないでしょうか。

さくらももこさんのご冥福を、心からお祈りいたします。

タケイ 啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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