(写真=Mocha)

不倫の慰謝料150万円を支払った30歳女性…ライフプランはどうなる?

人生とお金の相談ダイアリー

今回ご紹介するマネー相談事例は、ファイナンシャルプランナーの稲村優貴子さんのところに実際にあった相談事例です(個人を特定しないために一部フィクションあり)。

稲村優貴子さんは、ファイナンシャルプランナーとして家計、ローン、結婚、離婚、転職、リストラ、保険などお金のかかわる相談に15年・3000件以上応じてきました。

人生にはドラマのようなことが起こりえるもの。今回は、30歳独身女性沙織さんの事例をご紹介します。

▼沙織さん(仮名)のプロフィール

年齢:30歳(女性・独身)
職業:損害保険会社 総合事務職 手取り月28万円、ボーナス60万円×2回
住居:1LDKアパート(地方都市)
貯蓄:300万円
月の支出:28万円(うち3万円貯金)
[内訳]
家賃6万円、水道光熱費1万円、通信・交通費2万円、食費6万円、生命保険2万円、趣味(服・映画・ネイルサロン・スポーツジムなど)6万円、飲み会2万円、貯金3万円

相談内容

●6年間の不倫関係を続けた男性とお別れ。今後のライフプランについて

就職して2年目、23歳の時、同僚6歳上の上司と同じプロジェクトで意気投合した。彼は奥さんと上手くいっていないと聞いているが特に結婚の約束はしていない。

6年付き合い、沙織さんの30歳誕生日前日に大事な話があると呼び出された。

もしかしてプロポーズ?

しかし、彼から言われたのは「別れてほしい…」の一言だった。

言葉もでず黙っている沙織さんに彼は、

「結婚してからずっと不妊治療していて、だんだん夫婦がぎくしゃくしてきた。うまくいっていなかったのは事実。体外受精を何度かしていてやっと授かったと聞いた。直接触れ合う夫婦関係はなかったが、それを聞くとしっかりやり直したいと思ったんだ」と続けたそうです。

看護師だった妻は夜勤などのあるシフト制。夫婦はお互い干渉しない生活だったためこれまで沙織さんとは自由に会うことができたようです。

沙織さんは、貯金を貢いだわけでもないし、彼の意志を尊重して別れてもよいと思っているそうです。ただ、同じ勤務先だし今後どうしたらよいかわからないという相談でした。聞いている私の方がイライラしてしまったのですが、沙織さんの将来を一緒に考えるのがファイナンシャルプランナーの仕事です。冷静に今後を決めていくことになりました。

ファイナンシャルプランナー稲村優貴子さんのアドバイスは?

●働き方をどうしたいか

稲村:彼とのお付き合いは6年と長かったのですね。奥さんと上手くいっていないと聞いていたのであれば、いつか結婚したいと思う沙織さんの気持ちは当然のことだと思います。お辛かったことでしょう。友達や同僚に相談できず悩んでいらっしゃったのですね(このあたりで我慢していた沙織さんは泣いてしまいました)。沙織さんは彼とどうしたいのですか?

沙織さん:お子さんができて奥さんとやりなおしたいという彼の希望を尊重したいです。

稲村:お優しいのですね。今のお仕事はお給料など条件もよいようですが、同じ職場で顔を合わせるとなると辛いのではないでしょうか。

沙織さん:仕事はやりがいがあるし、辞めたくはありません。なんだか「負け」のような気がして。

稲村:大手企業であれば、本社のある東京などで働くチャンスもありそうですが、そのような選択はできそうですか?

沙織さん:そういえば、本社勤務トライ制度があります。私は地方エリア職として採用されたので、今はこの地域でしか仕事ができません。でも、試験を受けて合格すれば本社で働くこともできるんです。ちょっと挑戦してみようかな…。

稲村:沙織さんはまだ30歳。まだまだこれから長い人生です。やりがいを感じる仕事があること、また相手の幸せを第一に考えてあげたいと思えるくらい愛した人に出会えたこと。それは沙織さんの人生の宝物といえるでしょう。

●頑張る沙織さんにさらなる試練が

本社勤務の試験のため頑張っていた沙織さんに一通の「配達証明郵便」が届きました。彼は今までのことを妻に話して謝罪し夫婦関係を修復したかったようです(妻としては知らない方が幸せだったことでしょう。彼は懺悔してすっきりやり直したかったのかもしれませんが、それはエゴだと思います)。

奥さんは子どもも授かったので離婚するという選択にはならなかったようですが、怒りの鉾先は沙織さんに向かってきました。浮気の慰謝料150万円を請求するという手紙でした。

裁判をしても、相手が結婚していると知りながら交際していたのであれば勝ち目はありません。夫婦関係がうまくいっていないと言われていたこと、婚姻関係が破綻していると思っていたことなど、裁判で思い出したくない様々な出来事を反論として出したとしても、請求額の150万円は半分になることもないと思われます。

沙織さんは、「結婚の費用と思って貯めていたお金もあるし、それで払ってしまってスッキリしたい」ときっぱり。もう過去のことより先のことを見ているようでした。

貯金していた300万円のうち半分の150万円を反論もせず支払ったことで、彼への未練も断ち切れたとのことでした。

●新しい門出とともに家計の内訳も見直し

社内試験に合格し東京勤務になる沙織さん。しかし、このままの家計のやりくりでは破綻してしまいます。家賃相場はかなり高くなりますし、30代になると長期的な視点で考えた貯蓄(老後資金や住宅資金など)も必要になるからです。そこで、給料の手取りの2割は貯金すると決め、逆算して配分を決めることにしました。

給料 28万円
[内訳]
家賃10万円、水道光熱費1万円、通信・交通費2万円、食費4万円、生命保険2万円、趣味(服・映画・ネイルサロン・スポーツジムなど)2.6万円、飲み会1万円、貯金5.4万円
ボーナスは半分貯金する(30万円×2回)
⇒年間貯蓄額5.4万円×12か月+30万円×2回=124.8万円

今までは毎月のやりくりなどあまり考えず、自分へのご褒美として欲しいものを特に予算も決めず買っていました。海外旅行・国内旅行にもボーナスが出るとなんとなく行っていました。結果、残っていたのが300万円ということでした。

飲み会は月に1回まで。食費はなるべく自炊してお弁当を持参する。趣味は上限を決める。沙織さんはメリハリをつけてやりくりをしていくことにしました。このように目標を決めて先取り貯蓄していけば、60歳までの約30年で3744万円になります。

その30年のうちに、住宅を取得したり、ご縁があれば結婚したりすることもあるでしょう。もちろん、貯蓄を老後の資金にすることもできるでしょう。

ファイナンシャルプランナーは人生とお金の相談ができる一生涯のパートナー

お金のことは仲のよい友達にも言いにくいもの。今回の沙織さんのように不倫していた女性の場合さらに相談できる人が少なくなってしまいます。第三者であるファイナンシャルプランナーに相談することで、冷静に自分のしたいことを整理して自分の進むべき道をみつけることができたとおっしゃってくださいました。

人生には様々な出来事があります。嬉しいことをするにも、悲しい出来事を乗り越えるためにも、そして生活するためにもお金は必要です。自分だけではどうしてよいかわからないこのような時もファイナンシャルプランナーはお客様に寄り添って一緒に考えていきます。

稲村 優貴子
ファイナンシャルプランナー(CFPR)、心理カウンセラー
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行い、テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。FP Cafe登録パートナー

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