(画像=Anna Kraynova/shutterstock.com)

「副業不可」ならお金よりステキな「報酬」をもらおう

スモール・スタート あえて小さく始めよう(1)

この記事は水代優氏の著書『スモール・スタート あえて小さく始めよう』KADOKAWAの内容を抜粋したものになります。

※以下、書籍より抜粋

これからは「小さく素早く動ける人」の時代

●コミュニティのなかから「わくわくする種」が見つかる

コミュニティと聞くと「リア充のもの」「人間関係が面倒くさい」と思う人もいるでしょう。

でも、それはちょっと違うのではないかと僕は思っています。

もしもコミュニティ参加者にそう思わせてしまうコミュニティがあるとすれば、それはコミュニティ運営側が間違っていると思います。

一般的なコミュニティは、会社という特殊なコミュニティとは少し違います。

まず、コミュニティはあなたに給料を支払いません。

だから参加してもムダ、なんてことはもちろんありません。むしろラッキーです。

給料が支払われないコミュニティなのだから、参加するかしないかはそのときの自分の気分で決められます。誰からも参加を強要されるものではありません。

子どものころのように「今日はサッカーをするなら遊びに行くけど、バスケなら行かないよ」といった具合に、自分中心で決められます。

さらに、どのコミュニティに参加するかも、あなたの自由です。

公立の小中学校のように学区が決まっているわけではありません。会社のように入社試験があるわけでもありません。

開かれたコミュニティのどれに参加し、どれに参加しないかは完全に自由です。

だから、サッカー好きなのにプロ野球応援コミュニティに入らされることはありません。プログレッシブ・ロックが好きならプログレのコミュニティに参加すれば、そこでどれだけプログレについて語っても、ウザがられることはありません。

つまりコミュニティは、同じものを好きな人の集まりです。居心地が良くないわけがありません。

リア充と言われる人たちは、テーマが何であれ、わいわい盛り上がるのが好きな人たちです。

盛り上がることそのものがテーマと言えるでしょう。だから、リア充用のコミュニティも存在します。

でも、すべてのコミュニティがリア充のものではありません。好きなものについて好きな人同士で話していると、思いも寄らない盛り上がり方をして、一人でいるときや、会社の仲間と話しているときにはとうていひらめかないアイデアが湧いてくることもあります。

僕はそこに、スモール・スタートの大きな種があると思っています。

ただし、これは大きすぎるオマケのようなもの。

この魅力的なオマケがなくても、コミュニティには僕たちをわくわくさせ、毎日を彩る力があります。決して、面倒な存在ではないのです。

むしろ、毎日仕事ばかりで疲れてしまっている人には、「そんなのもアリか」と、新しい視点を授けてくれる、必要不可欠な存在です。

●「副業禁止」?それなら、こんな方法もある

副業を認める企業が増えています。2017年末に厚生労働省が「副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子(案)」を公表しました。

2018年を副業元年と呼ぶ人もいます。この流れは今後、加速することはあっても後退することはないでしょう。

企業側も、年功序列・終身雇用という安心セットを提供できなくなってきているので、社員には”個人で稼ぐ力“を身につけてもらおうと考えるようになってきています。

ただ、今の段階ではまだ「副業OK」と公言している企業はヤフーやリクルート、ソニーやロート製薬、花王など、限られているのが現状です。

でも「うちはまだ副業禁止だから」と立ち止まっている必要はありません。それは、超消極的な会社依存です。

会社員が会社以外で働き、報酬をもらうことは副業になります。まとまった収入を得てしまうと会社にもバレるうえに、副業禁止というルールにも抵触します。

ただ、僕は以前海の家でお店側に回ったとき、タダ働きをするのは違うと思いました。

そこで、お金ではない報酬を得ることにしました。

平日、お客さんとして通うときの交通費と飲食費を、タダにしてもらったのです。こうすると、「副業禁止」というルールのある会社であっても、”副業的”な活動をすることができるわけです。

別の思い出話もします。

やはり会社員時代に、知り合い経由で新装開店するレストランのプロデュースを仕事として頼まれました。これも、普通に受けてしまっては副業になります。

そこで僕は、報酬を「モノ」と「経験」で受け取ることにしました。

「モノ」は、ソニーのハードディスクレコーダー付き大画面テレビ。

ちょうど、家のテレビを酔って蹴っ飛ばして壊してしまっていたので、お金の代わりにもらうものとしては、僕にとっては最適でありがたいものでした。

もうひとつの「経験」とは、そのレストランで出す食材の生産者の所へ行く交通費を出してもらうことです。

別に生産者の所へ行くことは義務ではなかったのですが、それまで、訪ねる機会も話をする機会もなかったので、ちょうどいいなと思っていました。まだまだ、地域活性化とか、地方創生とかが盛んに言われるようになる前の話です。

海の家とレストランのプロデュース業は、僕にサードプレイスと、新しい仲間と、そして、カッコいいテレビを与えてくれました。

そしてそれだけでなく、「実績」と「自信」ももたらしてくれて、イベントのプロデュースやコミュニティの運営、地域活性化のお手伝いなどをする会社を立ち上げるヒントにもなりました。

それは、どれだけ情報誌を読んでも見つけられなかったヒントです。

いつか自分で新しいことを、起業をと思っている人がいるなら、最初は会社の外での仲間作り、サードプレイス作り、コミュニティ作りをするべきではないかと僕が思うのは、この経験があるからです。

●お祭りは「お店側」のほうが実は楽しい

僕は、愛媛県の出身です。隣の徳島県は阿波踊りで有名です。

その阿波踊りをうまく表現した言葉に”踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損、損”というものがあります。

まさにその通りだと思います。

お祭りごとは、見物するお客さんとして参加するより、当事者側に回ったほうがずっと楽しいからです。持つなら、サードプレイスも悪くないけれど、コミュニティはもっといいということです。

僕は音楽が大好きで、フェスも大好きです。

じゃあ、僕が大好きな音楽フェスをもっと楽しみたいからといって、ミュージシャンとしてステージに上がれるかというと、それはちょっと才能的に厳しそうです。でも、たとえば、そのフェスにカレーの店を出してみるとか、フェスそのものを企画してミュージシャンを呼んでお客さんに楽しんでもらうとか、そういった当事者になることはできます。

そしてこれは、僕だけでなく、誰にでもできることです。

ただ、経験がゼロなのにいきなりフェスのトップに君臨するフジロックの事務局に問い合わせて「カレーの屋台を出したいです」と言っても、それは叶わないと思います。その理由は、まず、実績がないから。

裏を返せば、どんな小さなフェスであっても、出店すれば、それは「実績」になります。

それに、より小さな規模のフェスで経験をして、失敗をして学び、ガンガンに現場を回せるようになっていないと、フジロックに押し寄せるお客さんを長時間待たせることなく滞りなくカレーを作り売り続け、さらに、衛生面に気を配って食中毒を出さないなんていう離れ業は、不可能だからです。

それは、そういう目で見ればわかると思います。フジロックで一番賑わう屋台は、複数の業者から冷蔵車や冷凍車まで手配しています。大変な準備が必要なのです。

屋台で料理したり売ったりしていれば、ステージを観たりするお客さんとしての楽しみは味わえません。

それでも僕には、お客さんよりも屋台を出している人のほうが、楽しそうに見えます。

実際に、長い間、お祭りは見物して楽しむ側だった僕も、店を出したりお祭り自体をプロデュースしたりするようになって、その楽しさを十分に味わいました。

お客さんとして関わるより楽しいというよりも、お客さんとして関わるのとは別の種類の楽しさを味わえると言ったほうが正しいかもしれません。

そういった立場を経験していれば、シンプルにお客さんとして参加するときも、より一層楽しめます。

なので、これまで、お花見も盆踊りも、豊作を祝うお祭りも酉の市も、そして、あらゆるイベントごとを、お客さんとして楽しんできた人には、ぜひ、当事者の楽しさを実感してほしいと思います。

会社の中でも同じです。新規プロジェクトなんて自分とは無関係、ああいうのはそういうのが好きな一部の人のものなんて決めるのはもったいないことです。

会社員という安定した立場にいながら、お祭りを見学するのではなく、主催する側に回れるなんて、最高に恵まれています。

もちろん、主催者には大変なこともあるけれど、それよりもずっと、得るもののほうが多いです。

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水代優(みずしろ・ゆう)
good mornings株式会社代表取締役。2002年より、株式会社IDEEにて新規出店を手掛ける。2012年に、good mornings株式会社を設立。現在は、都内に各々のコンセプトを有する3拠点を企画運営、その他にも、企業や行政と共にエリアプロデュースやプロダクトディレクションを手掛ける。近年はブックディレクターとしても活動し、日本橋浜町に自身がセレクトする本屋「Hama House」を出店。

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