(画像=Artem Postoev/shutterstock.com)

目指すはお金から開放される人生——まず自分が明確にするポイントは?

30代のための年金とお金のことがすごくよくわかって不安がなくなる本(5)

この記事は佐藤麻衣子氏の著書『30代のための年金とお金のことがすごくよくわかって不安がなくなる本』日本実業出版社の内容を抜粋したものになります。

【『30代のための年金とお金のことがすごくよくわかって不安がなくなる本』シリーズ】
(1)30代は本当に年金がもらえないのか?その不安を分かりやすく解決しよう
(2)なぜ高齢者の年金が無くなると私たちが困るのか
(3)資産作りを「後押しする制度」でお金を守ろう
(4)私たちの年金が始まる「2050年」の社会保障はこう変わる
(5)目指すはお金から開放される人生——まず自分が明確にするポイントは?

※以下、書籍より抜粋

普通に働いて、普通に備えておけば、なんとかなる!

●従来よりも生活費は少なくて済むようになる

これからどう日本が変わるのか。日常の生活費について考えてみましょう。

現在の高齢夫婦世帯の生活費は月額で約23.7万円とされていますが、長く働くことと同時に、この毎月かかる生活費を抑えられるのであれば、将来のライフプランを考えるうえで、大きなメリットになります。

たとえば、老後を65歳から100歳までの35年間だとして、月に23.7万円かかる生活費を5万円下げて18.7万円にできれば、5万円×12か月×35年=2100万円のコストダウンとなるわけです。

もちろん、コストを下げることで栄養のある食事ができないとか、清潔が保てないなどの影響が出てしまうのでは本末転倒です。

あくまでも、生活費を少なくしても生活の水準を下げないようにすることが大切です。

そう考えたときに、ポイントになるのがシェアリング・エコノミーです。

Airbnbなどによる民泊サービスやUberなどが提供する配車サービスなどに代表されるもので、他の人が所有している遊休資産を、ウェブサイトやアプリなどを通じて貸出しの仲介をするサービスです。

貸主は遊休資産の活用によって収入を得ることができて、借主は所有することなく、かつ所有するよりも安価に利用ができるというメリットがあります。

これにより、購入費や維持費、保管スペースだけでなく、経年劣化による損失などのリスクもなくなるため生活コストを減らすことができます。

反対に、自分自身が保有している遊休資産があれば、それをお金に換えることもできます。

過去30年を振り返ってみても、私たちの生活は低コストでさまざまなことができるようになり、とても豊かになりました。

いまはスマホ1台であらゆることができますが、少し前までは、海外にいる友達と話すことや、写真を撮ること、読書、音楽やビデオ鑑賞など同じことをするのにたくさんのお金や労力を使っていたはずです。

そういったことを振り返ってみれば、これからの30年についても、さらに少ないコストで豊かな生活ができようになる可能性が高いといえます。

●自立していくことを目指そう

少子高齢化により調整が進み、老齢年金の給付が減ってしまうことが見込まれる私たち30代が、将来に向かって前向きな生活設計をしていくためにはどうしたらよいのでしょうか。

それはずばり、老齢年金が少なくなったとしても不満がなく、生活にも困らないでいられるように現実的なビジョンを持つことだと思います。

ありがたいことに、モノやサービスが充実しているという土台があり、テクノロジーの恩恵により生活コストが減っていく可能性があることや、人生における選択肢が広がり「選ぶことができる」時代になったという大きなプラス材料があります。

まずはそういったいままでなかった要素を生活設計に組み込んで、人生の大まかな枠組みを個々で設計し、できるだけ自立できるようにしていくことです。

また、お金という有形資産だけに頼るのではなく、健康やキャリア、地域のコミュニティなどの無形資産にも目を向けて、無理なく自立していくことがポイントになります。

昨今は労働法の改正等も含め、働き方改革が推進されていますが、自立して生きていくためには、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができるようになることも大きなポイントです。

仕事と生活を両立させるためには、長時間労働や固定化されたオフィス、長い通勤は支障になってしまいます。

柔軟な働き方を可能にするために、政策的にも長時間労働の規制、在宅勤務(テレワーク)や育児や介護との両立のための制度整備、短い時間や有期契約で働く人が不当に低い報酬とならないための法整備などが検討され、働く環境はどんどん変わってきています。

さらに、肉体労働など女性であることや高齢者であることがネックになるような仕事は機械に代替されて減っているほか、多様化するニーズに合わせて新しい価値を生み出す視点が求められるといった変化もあります。

年齢や性別にかかわらず社会に参加しやすくなり、とくに女性や高齢者において、いままでは不可能であった人生設計が実現できる時代になっているのです。

安心できる高齢期を迎えるためには、「変わっていること」を知り、「選べるようになっていること」に気づいて、「こうあるべき」という壁を取り払いながら、自立することに向き合っていくことが大切です。

●自分でライフプランを立てて行動しよう

ここで、今後の高齢期の人生を設計するために、ファイナンシャルプランナーとしての大切な考え方である「ファイナンシャルフリーダム」という概念についてお伝えします。

これは、「お金の不安から解放され人生を自由に選択できる状態」のことを指します。

ファイナンシャルプランナーはそのために、家計の現状や将来のビジョンなどをヒアリングしてキャッシュフロー表という一生涯の資金繰り表をつくりながら、夢の実現へのお手伝いをします。

学校へ行き、就職して真面目に生きていくことができれば、国や企業が面倒をみてくれるという時代は過去のものとなっています。これからは、自分でライフプランをデザインして、行動していく力が求められる時代です。

自分の価値観を知り、自分に合ったライフプランをつくり、それに沿って行動できれば、将来の年金が減ることに対する不安を解消し、自分の足で歩けるようになります。

これは国や企業が安定した人生のレールを引くか、自分がそのレールをつくっていくかの差です。

自分がつくったレールに確信や自信が持つことさえできれば、生きる希望やモチベーション、将来への安心感を得ることができます。

まずは、自分がどうしたいのかを明確にすることが大切です。

少子高齢化と人口減少で先行きの不安に飲まれてしまいそうになることもありますが、そんな時代だからこそ、自分の将来設計を早めに立て、普通に働いて、普通に備えておけばなんとかなるという気持ちを取り戻してほしいと思います。

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佐藤麻衣子(さとう・まいこ)
1981年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒業後、上場企業の経営企画室にて主にIR業務を担当。その後、信託銀行へ転職。在職中、リーマンショックを経験したことで知識不足を痛感し、CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。信託銀行を退職したのち、税理士事務所、社会保険労務士法人等に勤務をしながら、社会保険労務士試験に合格。ウェルス労務管理事務所を開業。

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