(写真=Nick Starichenko/Shutterstock.com)

失敗を恐れた「マネー貧乏さん」と「リッチ投資女子」の違い

しくじり女子に学ぶ、お金のキホン(1)

資産づくりのはじめの一歩を踏み出すサポートをさせていただいているこの数年で、ある変化を感じます。それは、40歳代後半~50歳代後半の方の相談が増えたこと。

今でこそ年金不安、NISAやiDeCoの普及によって20代、30代の若いうちから資産運用について考える女性も多くいますが、比較的景気が良かった1990年代初頭に20代、30代を過ごしてきた彼女たちの中には投資初心者も多くいます。

今回は、筆者より人生においては先輩にあたる彼女たちの、「やっておけば良かった」「やっておいて良かった」から学ぶべき、資産運用の基本をお伝えしたいと思います。

年収が高く、老後まで頭が回らず……58歳、宏美さんのケース

資産運用, 基本, 失敗 (写真=pathdoc/Shutterstock.com)

58歳の宏美さん(仮名)はご主人と2人暮らし。お子さん2人はすでに社会人となっており、夫婦二人の老後資金について相談するため、筆者の元を訪れました。

▽宏美さんの家庭の資産データ

  • 世帯年収:1200万円
  • 預金額:1000万円
  • 保険商品の資産:200万円
  • 株式・投信などの投資:経験なし
  • 住宅:埼玉県郊外の持ち家(ローン残18年)

状況を見て筆者が最初に感じたことは「収入に対して、比較的資産が少ないな……」ということです。

世帯年収は1200万円あるので収入は比較的高水準です。しかし、50歳代後半で資産が年収1年分しかないのです。なぜこのような状況になってしまったのでしょうか?

宏美さんご夫婦はこれまである程度収入が安定しており、経済的に困った経験はほとんどありませんでした。しかも、宏美さんはバブルを経験していますから、「投資は怖いもの」と思い込んでいます。資産が目減りする可能性がある以上、リスクを負うという選択肢は宏美さんにはなく、預金性商品でしか資産形成をしてきませんでした。

しかし、宏美さんご夫婦に「老後」までそれほど多くの時間は残されていません。今まで宏美さんが行ってきた「預金の積立」をこのまま続けていたのでは、資産を増やすことができないどころか、やがてお金の価値はインフレに負けてしまう可能性もあります。

宏美さんは投資性商品の購入を決めました。購入する商品は、リスク許容範囲を加味し、比較的ボラティリティ(価格変動)の少ない商品を選びました。

58歳にしてはじめての投資でしたが、彼女の口から出てきた言葉は、

「もっと早く始めていればよかった」

でした。これには筆者も同感です。

失敗できない人は、成功もできない

資産運用, 基本, 失敗 (写真=Evgeniy Zhukov/Shutterstock.com)

つくづく筆者が思うのは、目先の失敗を恐れて、投資による資産形成に踏み出せない人は、成功を手にする可能性も低いということです。

たとえ話で時々、自転車に乗る練習について話します。

今でこそ、意識しなくても自転車に乗れるかもしれませんが、皆さんもかつては何度も転び、ひざを擦りケガをした経験があったのではないでしょうか?そして、はじめて補助輪なしで自転車をこいだ時には大喜びしたことでしょう。

最初からやすやすと自転車に乗れる人はいません。挑戦し、失敗する可能性を受け入れられる人だけが、成功を手にするのです。

次に、宏美さんとは対照的に、若いうちから投資を実践した恵理子さん(仮名)のケースを紹介します。

配当金で旅行に出かける44歳、恵理子さんのケース

資産運用, 基本, 失敗 (写真=Ditty_about_summer/Shutterstock.com)

44歳の恵理子さんは独身一人暮らしで食品関係の会社に勤めています。すでに株式投資をしており、今後のライフプランを含め、新たな投資先と資産ポートフォリオのご相談で筆者の元を訪れました。

▽恵理子さんの資産データ

  • 年収:500万円
  • 預金額:200万円
  • 株式・投信の資産:2200万円
  • 株式・投信などの投資:経験10年
  • 住宅:大阪市内の持ち家(ローン残8年)

宏美さんが58歳になるまで資産運用にまったく手をつけてこなかったのとは対照的に、恵理子さんは30代のうちから株式投資を始めており、合計2400万円の金融資産と持ち家があります。株式の配当金はその年は合計50万円ほどあったそうで、「配当金で旅行に行くのが恒例になっているんです」と楽しそうに話していました。

この年齢でこれだけ貯めていれば、老後もそう問題はないでしょう。ただ、独り身であるがゆえ、自身が働くことで得ている収入が、今後途絶えるようなことになった場合のリスクがありますので、その点についてアドバイスしました。

結婚も出産も人生の目標ではなかった

資産運用, 基本, 失敗 (写真=Tiko Aramyan/Shutterstock.com)

恵美子さんが資産運用を始めた直接のきっかけは友人の勧めだったそうですが、その背景には恵理子さん自身が「自立していたこと」が大きく影響していたと筆者は思います。

恵理子さんは結婚も出産も、人生における目標にはしていませんでした。自分の生活や将来は自分自身で築いていくものであるという思いがあり、その礎になるお金について真剣に考えていました。そして恵理子さんはお金のことを知る努力をし、リスクを承知でほんの少しの勇気を持って一歩を踏み出し、経験を通して学び続けました。

女性を中心としたマネー相談業務の毎日、全ての年代で共通しているのは、「投資を始めたいが、何から始めれば良いのか分からない」「怖くて踏み出せない」という悩み。何かに興味を持ったとしても、行動に移すことのできる人は、株式投資に限らず世の中案外少ないものです。そして、自分で決めたことを実行に移せる人は、大抵「他人の責任」にしたりはしない「自立した人」なのです。

「自立した人」にだけ、大きなリターンがもたらされるものです。まずはセミナーや本で勉強する、何か金融商品を購入する、など何でも良いので一歩を踏み出してみませんか。勇気を出したその先に「明るい未来」という大きなリターンが待っています。

●今回の教訓

・失敗を恐れて一歩を踏み出せない人は成功を手にする可能性も低い
・一歩を踏み出せるのは何が起きても他人の責任にしない「自立した人」
・行動を起こした人には大きなリターンがもたらされる

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