(撮影=森口新太郎)

一喜一憂すること自体が失敗。「ゆったり」が重要ー土屋清美さんの失敗のりこえ談②

デキる女の失敗のりこえ談:土屋清美さん

さまざまな分野で活躍する女性に、失敗を乗り越えた経験、略して「失敗のりこえ談」を伺うインタビューシリーズ。今回は、斬新なポイントサービス「StockPoint(ストックポイント)」を提供しているSTOCK POINTの代表取締役、土屋清美さんにお話を伺いました。

会社設立2年目に起こったリーマン・ショック。大きなピンチにぶち当たっても「起きてしまったものはしょうがない」と目の前の仕事に邁進したという土屋さん。そんな土屋さんは、投資に関してどのような考えをお持ちなのでしょうか?インタビューの後編をお届けします。

前編はこちら

将来のことは誰も分からない

投資, 失敗談, 土屋清美 (撮影=森口新太郎)

――土屋さんの資産運用状況について教えてください。

資産を分散させるのは基本なので、私はそれしか守っていません。株と、ユーロとドルの外貨、それに預金です。STOCK POINTとSound-Fintechの株を持っているので、未公開企業の株を持つというのはリスクというのかもしれません。

――資産運用に興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?

クォンツ・リサーチの設立に携わったときからです。20代の頃から、自分の資産として預金もありながら、ある程度の株や外貨を均等に分散して持っていましたが、本格的に興味を持ったのは会社にかかわってからです。

――初心者がなかなか投資に踏み出せないのは、一から十まで投資のことを知ってから始めたいという完璧主義なところがあるからだという気がしています。何かアドバイスはありますか?

将来のことは、どんな金融のプロフェッショナルでも分からないんです。もしかしたら、リーマン・ショックみたいなことがまた起こるかもしれないし、将来どうなるかを読もうなんて絶対に無理だと理解することが重要です。

そして、先ほども言いましたが、マーケットは動くものです。マーケットに連動して価格が変動するものなので、変動を前提に無理のない範囲で投資することが絶対に重要です。「投資にすべてをかけるんだ」と、自分の全財産をつぎ込むイチかバチかみたいなやり方はやめたほうがいいです。

もちろん、投資を始める皆さんは、資産を増やすことを目標にやっていくとは思いますが、減ることもある、そういうリスクもあるんだ、ということをある程度想定して、多少資産が減ったとしても生活に支障がない程度にやるほうがいいです。

あとは、時間を味方にすること。長期で考えていくことがとても重要です。自分の生活費までも含めて投資をしてしまうと、早く回収をしなくてはいけないという時間的な制約ができてしまいます。すぐに使う目的がない資金であれば、多少下がったとしても我慢することができます。

ゆったりと、資産運用を続けていこう

投資, 失敗談, 土屋清美 (撮影=森口新太郎)

――焦って結果を出そうとしないほうがいいんですね。

マーケットは大暴落もありますけど、長期的に見れば上がっていくことを期待できます。下がったからといってすぐに手放さなければいけないような状況を作らず、じっくり見ていくことが重要だと思います。ゆったりと、多少の上がり下がりに気を取られないようにしたほうがいいですね。

――土屋さんご自身は、マーケットを1日何回チェックしますか?

1日1回見る程度です。こんな感じなんだなというのを見ておけば十分だと思っています。普通に生活している人は、忙しくてそんなことに時間を使えないのが現実。1日1回見なくても、1週間に1回ぐらいでもいいのでは……と思うぐらいです。

ただ、興味を持って仕組みを自分なりに理解しておくことは必要だと思っています。STOCK POINTを立ち上げたのも、一般の人に(株への)興味を持ってもらいたいという思いがあったからです。ポイントが上がり下がりをきっかけに、株価を調べてみようと思うことが重要なんです。興味を持って「こんな仕組みなんだ」ということがなんとなく分かってくればいいと思いますよ。

株価が上がればポイントが増え、下がればポイントが減る

投資, 失敗談, 土屋清美 (撮影=森口新太郎)

——あらためて「ストックポイント」について教えてください。

多くの皆さんが、日々の生活で当たり前のようにポイントを貯めたり使ったりしていると思いますが、「ストックポイント」は、生活に身近なポイントと株価が連動して毎日ポイントの価値が変わっていくというサービスです。ご自分で企業を選び、その企業の株価が上がればポイントが増え、下がればポイントが減るという仕組みです。

私が代表を務めるもう一つの会社「Sound-Fintech」では、銀行や証券会社のコンサルティングをしているのですが、その中で「なかなか投資へと意識が向いていかない」という日本人の課題に気づきました。

わが社でも「どうしてなんだろう」とディスカッションを重ねた結果、投資には「難しい」「めんどくさい」「損をするかもしれない」「だまされるかもしれない」といったネガティブな要素がたくさんあり、多くの皆さんは、投資に関心があるにもかかわらずそれらのハードルを越えることができない、ということが原因だと分かりました。

だったら、ハードルを下げれば一歩踏み出してみようという人が増えるのではないかと考えて作ったのが、「お金は必要ない」「面倒な手続きも必要ない」というサービスです。

投資, 失敗談, 土屋清美 STOCK POINTの画面イメージ

――お金も面倒な手続きも必要ない、というのは画期的です。ストックポイントは、今後どのように進化していくのでしょう。

すでに、もう一つのビジネスモデルが動き出しています。

例えば、お気に入りのメーカーのお茶を買ったらストックポイントがもらえるとします。そのお茶を買い続けることで、知らない間にストックポイントが貯まり、いつの間にかそのメーカーの株主になれますよ、というシステムです。

商品を販売する企業側とそれを購入する生活者をストックポイントで結び付ける。これがそもそもの考え方で、私たちはこのサービスを「ロイヤリティモデル」と呼んでいます。

お茶ならここ、ヨーグルトならここと、皆さんそれぞれこだわりの企業をお持ちだと思いますが、その企業と消費者をつなげていく、ストックポイントはそんな存在になってもらいたいと考えています。

***

「一喜一憂すること自体が失敗」

土屋さんがおっしゃったこの言葉はまさに名言。今回のインタビューでは、失敗やトラブルに見舞われても、冷静に堅実に目の前のことに取り組んでいくことが次の成功への道となるということを学びました。そのためには土屋さんのように、起きてしまったことは仕方がない、トラブルがあってもなんとかなるという強い心をしっかり持っておくことも大切ですね。(土屋清美さんインタビュー、おわり)

今回取材に協力してくれたのは…

投資, 失敗談, 土屋清美 (撮影=森口新太郎)

土屋清美(つちや・きよみ)さん
Sound-Fintech代表取締役社長、STOCK POINT代表取締役/Founder。
2006年に金融ソリューション事業、不動産システム開発事業などを展開するSound-Fintechを設立。2008年のリーマン・ショックを乗り越え、最先端の新技術とサービスの提供で顧客を拡大。2016年にSTOCK POINTを設立。世界初となる「誰もがいつの間にか株主になれる」株価連動型ポイント運用システムを開発した。2017年に「DBJ女性新ビジネスプランコンペティション」「新日本監査法人Winning Women 2017」のファイナリストに選出。趣味は月に6回は行くというゴルフ。

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