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ドルだけではなくユーロも重要 外為市場はこう見よう

為替が動くと、世の中どうなる?(3)

この記事は角川総一氏の著書『為替が動くと、世の中どうなる?』すばる舎の内容を抜粋したものになります。

・『為替が動くと、世の中どうなる?』シリーズ
(1)為替相場を読むうえで知っておきたい「円キャリー取引」とは?
(2)世界が不安定になると「円が買われる」その理由とは?
(3)ドルだけではなくユーロも重要 外為市場はこう見よう

※以下、書籍より抜粋

対ユーロ(1ユーロ=円)も重要

●最近は「対ユーロ」の動きも大事になってきた

日本銀行が公表する資料には、「対ユーロでの円相場」の記載もあります。

ですが、日経新聞紙上の「外為市場」欄では、東京市場の直物相場についてはドル円レートだけが示されます。

しかし朝刊の同じ面の右上の囲み「外為市場」の表の中では、ユーロ円、ユーロドルの相場も掲載されます。  

今は、対米ドルだけではなく対ユーロでの円相場も重要です。ユーロでの政治的混乱がユーロ安を招き、これがドル高となって、円安に跳ね返ってくるというケースも多く見られます。

任天堂やソニーなどは、米国よりもユーロ各国向けの輸出が主ですので、対ユーロでの相場のほうが大事になります。

●「外為市場」というコラムを見てみよう

米ドル、ユーロ以外の主要通貨についても、日経新聞ではフォローしています。

【主要通貨の対円レート】英ポンド/豪ドル/スイスフラン/カナダドル/NZドル

米ドル以外の主要通貨の対円レートが示される欄です。データを公表しているのは、東京金融取引所です。

ここで取引された英ポンドをはじめ、5つの通貨の対円相場が示されている重要なコラムです。

掲載されているのは、日本時間17時現在のレート。つまり、日本銀行がドル円、ユーロ円などを公表する基準時点と同じです。

●記事を細かく見てみる

【主要通貨の対ドルレート】英ポンド/スイスフラン/豪ドル

ここでは欧州など、主要通貨の対米ドル為替相場が示されています。

東京市場で行なわれる外国為替取引の中心は、米ドル対円なのですが、この他にも米ドルを軸に様々な通貨との売買が行なわれています。

うち代表的な3通貨についてのデータが、ここに記載されています。英ポンド、豪ドルの表示と、スイスフランの表示法が逆であることに注意してください。

前2者は1ポンド=××、1豪ドル=××という表示に対して、後者は1ドル=××スイスフランという表示になっています。このため、ポンド、豪ドルについては数値が大きくなるほどポンド高、豪ドル高、スイスフランについては逆にフラン安であることに留意が必要です。

【上海市場 米ドル/日本円】

日本時間17時30分現在での、上海市場での「人民元」の銀行間取引相場を示します。上海は日本より1時間遅れなので、現地時間16時30分です。

「1ドル=××人民元」「100円=××人民元」という表記で示されることでわかる通り、数値が大きくなるほど人民元安になります。「1ドル=110円」といったドル円相場と同じですね。

中国人民元は2005年まで、事実上、米ドルに対してほぼ固定されていました。

しかし、現在では中国政府の管理色は強いですが、需給バランスに応じてある程度、相場が変動することが認められています。

現在では、国が管理する中国人民銀行が毎日基準レートを発表するのですが、それから上下2%の範囲を逸脱した価格で取引することは認められていません。

外為市場は、小さい中にもいろいろな情報がぎっしりと詰まった、為替を見るために大切なコラムです。

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角川総一(かどかわ・そういち)
(株)金融データシステム(KDS)代表。昭和24年大阪生まれ。京都大学文学部を経て、公社債関連専門紙で8年の記者経験後、独立。その後、わが国初の投資信託のデータベースを構築するとともに、各種雑誌、新聞、テレビ、ラジオなどでの金融、マネー評論、講演のほか、企業、各種団体などでセミナーを行う。著書は「図解 資産運用を読む事典」(東洋経済新報社)「バランスシート思考のすすめ!」(PHP研究所)ほか多数。証券経済学会会員。

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