(画像= PiercarloAbate/shutterstock.com)

分からなくても大丈夫 経済ニュースを「効率的に」読む方法は?

1000円からできるお金のふやし方(5)

この記事は大槻奈那氏の著書『超・初心者のための投資のキホン 1000円からできるお金のふやし方』(ワニブックス)の内容を抜粋したものになります。

・『超・初心者のための投資のキホン 1000円からできるお金のふやし方』シリーズ
(1)節約したお金よりも使ってしまう「矛盾」の原因
(2)投資するリスクより「投資しないリスク」の方が大きくなる状況って?
(3)上がる株のヒントは「よく行くレストラン」「買い物するお店」が教えてくれる
(4)あなたはどのタイプ?「時間の使い方」から自分に合った資産形成を知ろう
(5)分からなくても大丈夫 経済ニュースを「効率的に」読む方法は?

※以下、書籍より抜粋

投資スキルを高めるためにまず見るものは?

投資スキルを高めるために重要なのは情報と知識です。

情報については、投資や経済環境に関する正しい情報を集めることが大切です。

そのために、まずは経済ニュースを見るようにしましょう。

「小難しいニュースは苦手」という人もいるでしょうが、情報がなければ勘で勝負するギャンブルと同じになってしまいます。料理をする人が食材やレシピを調べるように、山登りやサーフィンをする人が天気予報を調べるように、動くためには情報が必要であり、それがスキルアップにつながるものなのです。

ただし、「時間は貴重な資源」ですので、情報収集も効率が大事です。仕事などで日々忙しくしている「仕事タイム>消費タイム」の人にとっては、ぼーっとニュース番組を見たり、ペラペラと新聞をめくったりすることが時間の無駄遣いになります。

そこで活用したいのがインターネットです。

インターネット上の経済ニュースは、スマートフォンさえあれば、いつでも、どこにいても見ることができます。移動中でもちょっとした空き時間でも情報収集が可能です。

経済ニュースは「ナナメヨミ」しよう

ネットニュースの見方として、私がオススメするのは「見出し(ヘッドライン)のナナメヨミ」です。

ネットニュースのほとんどは、まずは国内、国際、経済、エンタメ、スポーツと いった「ジャンル」があり、その下に各ジャンルのニュースの「見出し」があり、クリックして「本文」を読むという三階層になっています。

その中から「経済」のジャンルを選び、「見出し」をざっと読めば、どんなニュースが注目され、話題になっているかが把握できます。

経済ニュースに慣れていない人でも、これくらいのことであれば移動中でも休憩中でも簡単にできるでしょう。

例えば、ある日の見出しを見てみると、「日経平均一時上げ幅500円超」「ベア前年超え相次ぐ」「OECD米の輸入制限に警告」「野菜相場が急落」などが並んでいました。

これらをナナメヨミするだけで、感覚的にではありますが景気がよさそうだとわかります。たったそれだけのことでも、投資や経済に目を向ける第一歩になります。

見出しの中で気になるニュースがあれば、本文を読んでみましょう。

見出しを読み、本文まで読むニュースを取捨選択するという習慣がつくことで、時間の節約になり、効率よく日々のニュースを把握することができるのです。

見出しの中には、聞き慣れない言葉や知らない単語が出てくることもあるでしょう。

そのような時も勉強を兼ねて本文を読んでみるとよいと思います。

例えば「ベアってなんだろう」「OECDってどういう意味だろう」と思うかもしれません。

そういった疑問を持ちつつ記事本文を読むことで、ニュースに対する関心も深まりやすくなります。

本文を読んでも意味がわからなかった場合は、ついでにその場で意味を検索してしまいましょう。

見出しになるということは、経済ニュースとして重要ということです。キーワードとなる単語の意味を押さえておくだけで、スキルを高めるために重要な2つ目の要素である知識も増えますし、ニュースを読み解く力が上がり、のちのちの投資に役立つ可能性も十分に考えられます。

ニュースの読み方としては、疑う視点を持つことが重要です。

例えば「GDP2.5%増」というニュースを見たとしましょう。

GDPは国の経済規模を表すもっとも重要な指数ともいえますので、2.5%増なら好景気のようだと判断するかもしれません。

実際、私が教えている学生の中にもそのように判断する人がいました。

「先生、GDPがプラスですね」「景気回復しているようですね」といったことをいうのです。

しかし、GDPのように連続性を持って測っている数値は、過去からの流れを確認しなければなりません。

例えば、今年のGDPが2.5%増でも、昨年も2.5%増だったとしたら、景気回復ではなく現状維持という判断の方が正確でしょう。昨年が3.0%だったなら景気が減退している可能性もあります。

正しく判断するためには「GDP2.5%増」といった部分的な情報を切り取るのではなく、その背景にも目を向ける必要があります。そのために「プラスなら好景気?」と疑う視点が重要になるのです。

また、経済活動は気候などにも影響を受けます。日本は輸出国ですから輸出先となる国の経済状況にも影響を受けますし、為替レートも影響します。

そういった環境的な要因により、GDPなどの数値が短期的によくなっている可能性もあるでしょう。数字を見るだけではつかめない景気の実態や経済活動の本質を見るためにも「本当に景気がいいの?」と疑ってみることが大事なのです。

疑う視点を持つと、「本当かな?」「調べてみよう」という気持ちも芽生えやすくなります。その際には書籍や雑誌など紙媒体を活用するとよいでしょう。これも自分の知識を増やすことにつながります。

情報収集で大事なもう1つのこと

情報収集に関してもう1つ重要なのは、広い視野を持つことです。アンテナを高くするほど、投資や経済環境に関する情報に敏感になり、有益な情報も入手しやすくなります。

例えば、株を買うと、その株の値動きのことが気になります。

「今日の株価はどうか」「明日は上がりそうか」といったことに意識がとらわれやすくなり、保有株に関する情報ばかり集めてしまいがちです。

しかし、市場には3600種もの銘柄が売買されています。保有している株よりも、もっと魅力的で、値上がりが期待できる株がほかにたくさんあるかもしれないのです。

そのようなチャンスを逃さないためにも、広い視野を持って市場全体を見ることが大事です。株はその時々の旬のテーマで買われることがあり、例えば、AI、IoT、EV(電気自動車)、仮想通貨といったキーワードが注目されることで、関連銘柄が買われたりします。

視野を広げれば、そのようなキーワードにも目が向きやすくなるでしょう。

知らないキーワードを調べることで知識が増えます。投資対象となる銘柄の幅が広がり、利益を得るチャンスもつかみやすくなるはずです。

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大槻奈那(おおつき・なな)
マネックス証券 チーフ・アナリスト兼マネックス・ユニバーシティ長。
東京大学卒、ロンドン・ビジネス・スクールでMBA取得。スタンダード&プアーズ、UBS、メリルリンチ等の金融機関でリサーチ業務に従事、 各種メディアのアナリスト・ランキングで高い評価を得てきた。2016年1月より、マネックス証券のチーフ・アナリストとして国内外の金融市場やマクロ環境等を分析する。現在、名古屋商科大学大学院教授、二松学舎大学国際政治経済学部の客員教授を兼務。東京都公金管理運用アドバイザリーボード委員、貯金保険機構運営委員、財政制度審議会分科会委員。ロンドン証券取引所アドバイザリーグループのメンバー。

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