(画像=Nemanja Novakovic/shutterstock.com)

上がる株のヒントは「よく行くレストラン」「買い物するお店」が教えてくれる

1000円からできるお金のふやし方(3)

この記事は大槻奈那氏の著書『超・初心者のための投資のキホン 1000円からできるお金のふやし方』(ワニブックス)の内容を抜粋したものになります。

・『超・初心者のための投資のキホン 1000円からできるお金のふやし方』シリーズ
(1)節約したお金よりも使ってしまう「矛盾」の原因
(2)投資するリスクより「投資しないリスク」の方が大きくなる状況って?
(3)上がる株のヒントは「よく行くレストラン」「買い物するお店」が教えてくれる

※以下、書籍より抜粋

リターンに応じた戦略を決めよう

これから株式投資を始める場合は、自分がどんなリターンを狙っていくのかを決めることが大事です。

キャピタルゲインを狙って投資したいという人がいれば、インカムゲインでコツコツ利益を得たいという人もいます。あるいは、キャピタルとインカム両方狙いたいと考える人もいるかもしれません。

なぜそこが重要なのかというと、どんなリターンを狙うかによって銘柄選択の基準や売買の手法などが異なってくるからです。

例えば、キャピタルゲインを狙うのであれば、企業の成長性が銘柄選択のポイントになるでしょう。

市場には、高成長が見込めるにもかかわらず、投資家の注目度が低く、安い株価で放置されている銘柄もあるものです。そのような株を探すことが大きなキャピタルゲインを得ることにつながります。

一方、インカムゲイン狙いの投資では配当利回りが重要です。企業によっては、過去に配当の額が変わったり、一時的に配当金を中止したりしたことがある場合もあります。

配当金は中長期にわたる利益ですので、企業の事業と財務の安定性がポイントになるのです。

売買の手法については、キャピタルゲイン狙いの場合は買値と売値の差が利益になりますので、安く買えるタイミングを待ち、高くなった時に売る必要があります。

そのため、投資期間という点から見ると、インカムゲインを狙う場合より短くなり、景気の動向、株価の推移などを見ながら売買のタイミングを見計らうことが大切になります。

インカムゲインの場合は中長期で利益を積み重ねますので、売買のタイミングや景気動向について考える必要性は低くなります。ただし、配当金や株主優待の内容は変更されることがありますので、証券会社や投資先の会社のウェブサイトなどで変更に関する情報をチェックしておく必要があります。

もちろん、インカムゲイン狙いの投資でも安く買う方が投資リスクは低くなります。そのポイントを探す方法としては、配当利回りの変化を見てみるとよいでしょう。

配当利回り(%)は「1株あたりの年間配当金額÷1株購入価額×100」で計算します。

例えば、配当金が10円で株価が500円であれば配当利回りは2%、配当金の額が10円のまま変わらず、株価が400円に下がれば配当利回りは2.5%になります。

つまり、配当利回りが高いということは、配当に対して株価が安いということですので、そのタイミングを狙うことが大事ということです。

また、購入時よりも配当利回りが下がってきたとしたら、売却を考えてもよいかもしれません。配当利回り4%の時に買い、2%に下がったとすれば、株価は2倍になっているはずです。

インカムゲイン狙いの投資は長く持つことが前提ですが、売却することによってキャピタルゲインが得られる場合は、いったん売却して資金を増やし、別の配当利回りが高い銘柄に乗り換えるのも有効な方法です。

消費者としての経験を生かす

株式投資の仕組みは決して難しくありません。

実際の売買の方法も簡単で、証券会社に口座を作り、投資資金を入金したら、あとは買いたい銘柄を選んで注文を出すだけです。

難しいのは「買いたい銘柄を選ぶ」ところです。

約3600種ある銘柄の中から、値上がりしそうな銘柄や安定して保有できる銘柄などを探すことが極めて難しいのです。

「数が多すぎて選べない」「知らない企業が多すぎる」

これから投資を始める場合、そう感じることも多いはずです。

そのような時は、自分がよく知る企業の株を検討してみるのがよいと思います。

例えば、よく行くレストランや、買い物する店舗であれば、サービスや商品の良し悪しなどがわかります。よく買う日用品などについても同じで、誰もが消費者としての評価を持っています。

何気なく生活している中でも、人は「この店はいい」「この商品はだめ」といった判断をしているものです。「友人に勧めたい」と思う商品があれば「二度と行きたくない」と思う店もあります。

そういう感覚が銘柄選択で役に立ちます。無意識のうちに、人は投資判断につながる情報を蓄積しているものなのです。

テレビCMにもヒントが

銘柄判断につながる情報は、身の回りに溢れています。

例えば、通勤途中の道には色々な店があります。普段は気にすることなく通り過ぎているかもしれませんが、「あの店はどの企業が運営しているのだろう」「人気や評判はどうなのだろう」などと考えてみれば、それが銘柄選びのヒントになります。

街中の看板を見て新商品が出たのだと知ることもあるでしょうし、すれ違う人たちの持ち物などを見て、人気のブランドを知ることもあるかもしれません。

そのような視点を持つことが消費者から投資家になる第一歩です。

家でテレビを見る時も、投資家目線で見ると、どんな企業が、どんな番組のスポンサーをしているのか気になります。「普段はCMを見ない」「飛ばしている」という人も多いかもしれませんが、CMにも新商品や新サービスの情報が含まれています。

例えば、ライザップのCMは多くの人に認知されています。

「ダイエットや筋トレに興味ない」という人もいますが、儲かっているのかな、店舗数は増えているのかなといったことを気にしてみることが、投資に役立つこともあるのです。

ちなみにライザップ(RIZAPグループ)は2017年に大きく値上がりした銘柄の1つで、春先まで500円(投資金額50000円)だった株価が、年末には3000円(投資金額30万円)前後にまで上がりました。

私もライザップの株価は上がるのではないかと思い、狙っていました。

「そのうち買おう」と思っていたら、その間に株価が上がってしまい、結局買いそびれてしまいました。いまもそのことが残念ではあるのですが、似たようなチャンスはまたやってきます。

投資家の目線を持ち、身の回りの情報にアンテナを張っておけば「これはいい」「買ってみたい」と思える銘柄と出会えます。普段何気なく見聞きしている情報や、目にしている店、使っている商品などが、実は値上がりする銘柄のヒントかもしれないのです。

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大槻奈那(おおつき・なな)
マネックス証券 チーフ・アナリスト兼マネックス・ユニバーシティ長。
東京大学卒、ロンドン・ビジネス・スクールでMBA取得。スタンダード&プアーズ、UBS、メリルリンチ等の金融機関でリサーチ業務に従事、 各種メディアのアナリスト・ランキングで高い評価を得てきた。2016年1月より、マネックス証券のチーフ・アナリストとして国内外の金融市場やマクロ環境等を分析する。現在、名古屋商科大学大学院教授、二松学舎大学国際政治経済学部の客員教授を兼務。東京都公金管理運用アドバイザリーボード委員、貯金保険機構運営委員、財政制度審議会分科会委員。ロンドン証券取引所アドバイザリーグループのメンバー。

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