(画像=GaudiLab/shutterstock.com)

あなたはどのタイプ?時間の使い方から自分の資産形成を知ろう

1000円からできるお金のふやし方(4)

この記事は大槻奈那氏の著書『超・初心者のための投資のキホン 1000円からできるお金のふやし方』(ワニブックス)の内容を抜粋したものになります。

・『超・初心者のための投資のキホン 1000円からできるお金のふやし方』シリーズ
(1)節約したお金よりも使ってしまう「矛盾」の原因
(2)投資するリスクより「投資しないリスク」の方が大きくなる状況って?
(3)上がる株のヒントは「よく行くレストラン」「買い物するお店」が教えてくれる
(4)あなたはどのタイプ?時間の使い方から自分に合った資産形成を知ろう

※以下、書籍より抜粋

自分の時間の使い方を知ろう

自分の時間の使い方について考えてみましょう。

なぜ分けるかというと、どちらの時間が多いかによって、資産形成の方法が変わってくるからです。

時間の使い方のタイプは2つだけです。

1つは、仕事タイムが長く、消費タイムが短い人です。

具体的には、出勤時間が早い人、終業時間が遅い人、残業が多い人、休日出勤が多い人、休日が少ない人、仕事以外に家事などやらなければならないことが多い人がこのタイプです。

もう1つは、仕事タイムが短く、消費タイムが長い人です。

出勤時間が決まっていない人、残業が少ない人、休日が多い人、自由に使える時間が多い人、趣味などに使っている時間が長い人がこちらのタイプです。

日々の時間配分を見る上で、現状としてどれくらい収入や貯金があるか、どれくらい支出しているかなどはあまり関係ありません。

収入などの額にかかわらず、仕事時間が長い人(消費時間が短い人)には長い人向けの増やし方、仕事時間が短い人(消費時間が長い人)には短い人向けの増やし方があるのです。

ポイントは、仕事や家事などに使っている時間(仕事タイム)と、遊びなどで消費している時間(消費タイム)を分けてみることです。

次に、資産をどれくらい積極的に増やしたいかを考えます。

これも2タイプしかありません。

1つは、できるだけリスクを抑え、いまの生活パターンを守り、現状維持しながら増やしていきたいと考えるタイプ。

もう1つは、あらゆる方法を試し、それなりのリスクもとりながら、積極的に増やしたいと考えるタイプです。

4つのタイプ別資産形成の注意点

自分の時間の使い方がわかったら、それぞれのタイプごとに資産形成の注意点とポイントを考えてみましょう。

・タイプ1【仕事タイムの方が消費タイムより長い、現状維持】

まずは、仕事タイムの方が消費タイムよりも長く、「現状維持しながら増やしたい」と考えている人です。

このタイプの人は「なんとなく貯金」になりやすいタイプと言えます。

日々の仕事が忙しく、資産形成のために使える時間が少ないため、給料やボーナスなどが銀行の口座に放置されたままになりやすいのです。

私の知人で官公庁に勤めている人もこのタイプで、毎日仕事に追われています。

そのため、資産形成について考える時間がなく、口座にいくら入っているかも知らないといいます。

これは非常にもったいないことです。

なぜなら、預金は数ある資産形成の方法の中で、もっとも効率が悪いものの1つだからです。

預金は元本割れリスクがないのがメリットですが、預けていても増えないというデメリットがあります。

参考までに預金利回りを見てみると、大手銀行の普通預金は金利が0.001%で、定期預金でも0.01%です。仮に100万円預けたとしても、1年後に受け取る金利は普通預金で10円、定期預金で100円です。このペースではいつまで経っても資産は作れないでしょう。

増えないだけならまだしも、減る可能性も考える必要があります。

口座がハッキングされるなどして誰かに引き出されるおそれがあるという意味ではありません。

「ちょっと贅沢しちゃおう」「これほしい」なとど思った時に、自分で自分の口座から引き出してしまうということ。そして、その際にコンビニなどにあるATMを使うことで、手数料が引かれるということです。

大手銀行の場合、コンビニなどにあるATMで引き出す際の手数料は108円かかります(2018年4月現在)。

仮に節約を頑張って500円貯めたとしても、5回コンビニのATMを使えばマイナスです。100万円を1年間定期預金して得られる利息(100円)は、たった1回の引き出しで消えてしまいます。

つまり、預けていても増えず、使うたびに減ります。

そういった環境にお金を置いておくことで、資産形成がどんどん苦しくなっていくのです。

何事においても、一歩目を正しく踏み出すことが大事です。

まずは「なんとなく貯金」の発想から離れましょう。

手間をかけず、リスクを避けるにしても、例えばリスク分散型の投資信託などであればもう少し効率よく増やすことができます。

毎月積み立て型にしたり、預けっぱなしにしたりすることもできますから、時間がなくても問題ありません

・タイプ2【仕事タイムより消費タイムが長い、現状維持】

次に、消費タイムの方が仕事タイムよりも長く、「現状維持しながら増やしたい」 と考えている人です。

このタイプの人は、「とりあえず節約」の落とし穴にハマりやすいタイプといえるでしょう。

リスクを抑えようとすると、どうしても保守的な意識になるため、手持ちのお金を守る節約に目が向きやすくなるのです。

節約して貯めるという考え方は、デフレ(デフレーション)の時にはとても有効です。

デフレは、モノの価値が下がり、お金の価値が上がる状態のことで、日本はバブル経済が崩壊した90年頃からずっとデフレが続きました。

デフレの時は物価が下がります。去年は100円で売っていたものが、今年は80円になり、来年は60円になります。

ということは、手持ちの現金が多い人ほど、より多くのものを安い値段で買えるようになります。そういう状況では、節約して手元の現金をできるだけ増やすことが重要だったのです。

しかし、いまは状況が変わりつつあります。

景気が回復し、デフレからインフレ(インフレーション)に向かおうとしています。

インフレはデフレの逆の状態で、モノの価値が上がり、お金の価値が下がります。

物価が上昇し、去年まで100円だったモノが、100円では買えなくなっていきます。

仮に今年1年間の生活費が300万円だったとしても、物価が上がれば300万円では足りなくなるでしょう。追加のお金が必要になるか、300万円で収まるように生活レベルを落とさなければならないのです。

節約という観点から見ると、1万円節約するための努力が、9000円や8000円にしかならなくなるということです。

それが、「とりあえず節約」の落とし穴なのです。

これが何を意味しているかというと、デフレの時には正解だった「節約して貯金する」という方法を変えなければならないということです。

・タイプ3【仕事タイムの方が消費タイムより長い、積極的に増やしたい】

仕事タイムの方が消費タイムよりも長く、「積極的に増やしたい」と考えている人は、投資を考えてみるとよいでしょう。

すでに仕事が忙しく、余っている時間がない人は、仕事タイムを増やすことができません。そのため、自分ではない誰かに働いてもらう必要があります。

その「誰か」がお金です。投資とは、お金に働いてもらうことなのです。

リスクをとって積極的に増やすのであれば、例えば株や投資信託といった選択があります。

まずは興味を持つことと、始めることが大事です。

「投資は怖い」「危ない」と思っている人もいるでしょうが、仕組みがわかれば怖くはなく、リスクも管理できるようになります。

現在のインフレ傾向を踏まえれば、むしろ危ないのは預金の方で、コツコツと節約したり、せっせとパートやアルバイトして貯めたりする努力が報われなくなってしまう怖さがあります。

「余裕がない」のであれば、まずは少額で始めてみましょう。

月1000円ずつの投資でも、スタートしなければ永遠に増えませんし、スタートした人の資産は着実に増えます。

また、貯めることが習慣づいていくと「次は2000円にしよう」「5000円にしてみよう」という気持ちが生まれ、お金が増えるスピードが上がります。

そういったよいサイクルを作っていくためにも、何よりもまずはスタートを切ることが大事。来月からではなく今月から、来週からではなく今日から始めることが重要なのです。

・タイプ4【仕事タイムより消費タイムが長い、積極的に増やしたい】

最後に、消費タイムの方が仕事タイムよりも長く、「積極的に増やしたい」と考えている人です。

このタイプの人は、4つのタイプの中でもっとも投資向きで、資産形成もしやすいといえるでしょう。

仕事タイムの時は、タイプ3の人と同じようにお金に働いてもらうことができます。また、消費タイムが長く、時間そのものが余っていますから、投資の勉強をすることもできますし、スキルアップや成長を目指し、知識や技術を身につける自己投資に励むこともできるでしょう。

時間は貴重な資源です。たくさん時間がある「時間リッチ」の人ほどお金を増やすことができますし、時間を効率よく使うことで増やすスピードを上げていくこともできます。

また、消費タイムは、お金の面から見るとマイナスの時間です。その時間を減らし、お金を生み出す仕事タイムに変えることが時間管理の鍵です。

資産家の人に話を聞くと「忙しくてお金を使うひまがなかった」「使う機会がなかったので自然に貯まっていた」という人がたくさんいます。

時間そのものに目を向け、自分で自分を忙しくさせることが、資産形成の有効な方法といえるのです。

資金, 資産形成, 投資 Webサイトより※クリックするとAmazonに飛びます

大槻奈那(おおつき・なな)
マネックス証券 チーフ・アナリスト兼マネックス・ユニバーシティ長。
東京大学卒、ロンドン・ビジネス・スクールでMBA取得。スタンダード&プアーズ、UBS、メリルリンチ等の金融機関でリサーチ業務に従事、 各種メディアのアナリスト・ランキングで高い評価を得てきた。2016年1月より、マネックス証券のチーフ・アナリストとして国内外の金融市場やマクロ環境等を分析する。現在、名古屋商科大学大学院教授、二松学舎大学国際政治経済学部の客員教授を兼務。東京都公金管理運用アドバイザリーボード委員、貯金保険機構運営委員、財政制度審議会分科会委員。ロンドン証券取引所アドバイザリーグループのメンバー。

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集