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土地活用するなら「駐車場経営」が手軽なの?収益性や注意点を解説

収益性は?税金は?気になる点をチェック!

相続した土地や、長く所有しているだけの土地がある場合、何か活用できる方法はないものだろうかと悩む人もいるでしょう。これらの土地を活用して、アパートやマンションを経営する方法もありますが、土地活用の一つに「駐車場経営」という選択があります。

建物を建てる必要がない分、大掛かりなことを避けられそうなイメージがあり、「手軽にできるかも……」という印象を持たれがちですが、本当のところはどうなのか気になりますよね。

そこで今回は、駐車場経営とはどのようなものなのか、経営するメリット、気になる収益性などについてお伝えします。

駐車場経営とは?

駐車場経営, メリット (写真=PhilipYb Studio/Shutterstock.com)

駐車場経営とは、具体的にどのようなことなのか、運営方法や、駐車場の種類などを確認していきましょう。

・駐車場経営の運営方法

駐車場経営の運営には、「自己経営」と「運営委託」の2つがあります。

●自己運営
自己運営とは、運営会社に委託することなく、所有者が自ら駐車場の設置、運営を行うものです。委託管理の経費は削減できますが、日常的な管理や保守、防犯対策からトラブル解決まで所有者が行うことになるため、多方面の対応が求められます。

そのほか、業務の一部だけを管理会社に委託する方法もあります。例えば、不動産会社に賃貸契約の仲介を委託するなどです。

●運営委託(一括借り上げ)
運営委託とは、駐車場経営を運営会社に委託するものです。土地の所有者は、その土地を運営会社に貸して、運営会社は借りた土地を利用して、コインパーキングなどの駐車場を運営します。

土地の所有者は、賃料を受け取ることになります。安定的な収入を見込める一方で、直接的に運営しているわけではないため、収益を増やすために自ら新たな展開をしていくことは基本的に難しくなるでしょう。ただ、管理や保守、トラブル解決など手間のかかることは、すべて運営会社が行ってくれます。

・駐車場経営の種類

駐車場経営の種類には、主に次のようなスタイルがあります。

●青空駐車場
文字通り、更地の土地がそのままあるだけの駐車場で、地面が舗装されている場合もあれば、砂利の場合もあります。1台ずつ、駐車する区画をロープや白線などで表示し、番号を付けている場合もあります。

初期費用をほとんど必要とせず、日常の管理も特にないため、個人が遊休地で貸していることもあります。利用する側は、借りたい時間だけスポット的に借りるなど、自由な使い方が可能です。

●月極駐車場
月極駐車場は、1つの駐車枠ごとに、賃貸契約をするものです。1つの駐車枠に対し、1カ月でいくらと金額を決めて契約します。

このスタイルでは、土地の所有者は、管理を不動産会社に依頼していることが多いでしょう。駅の近く、企業が多い場所など立地条件がよく、つねに借り手があれば、安定的な収入が見込める可能性は高くなるでしょう。

●コインパーキング
入出庫を管理する専用のゲートやロック板などを設置して、「30分300円」など時間単位で利用する駐車場です。

時間単位の単価は、立地条件や近隣との競合などで変動しているようです。車両を感知するロック設備や精算機などの初期費用が必要となるため、所有者は土地を貸すだけで、実務は運営会社に委託するケースが多いでしょう。

上記のほかにも、立体駐車場や日貸し駐車場などがあります。

駐車場経営のメリット

駐車場経営, メリット (写真=eyeretina/Shutterstock.com)

次に、駐車場経営をするメリットには、どのようなことが考えられるかを見ていきましょう。

・建物と比べて初期投資が少ない

駐車場経営は、アパートやマンション、テナント経営と比較すると、建物を建てる必要がないため、初期投資が少なく済むことが大きなメリットとなります。例えば、現状のまま手をかけない青空駐車場の場合、用意するのは区画用のロープや白線だけなので、ほとんど経費はかかりません。

コインパークの場合は、ロック板や精算機などの設置が必要になりますが、運営会社に委託することで、設備に関する初期投資を自分で行うことなく始めることもできます。

・土地の広さや形を生かせる

建物を建てられる十分な広さがない、土地の形状がアパートやマンションには向かないといった土地でも、駐車場として利用できるケースがあります。道路から普通に入ることのできる土地であれば、活用できる可能性は高くなります。

・短期間で経営を始めることが可能

もし地面を舗装するにしても、アパートなどを建てるよりも工事期間は短いため、短期間で駐車場運営を始めることができます。

・運営会社に委託して安定的な収入を得られる

コインパーキングの駐車場経営などを運営会社に委託すると、日常の保守管理やトラブル対応は、すべて任せることが可能です。一括借り上げなら、土地の所有者は、毎月定額の賃料を受け取ることになり、安定的な収入を見込めるというメリットがあります。

駐車場経営で注意すべきポイント

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駐車場経営は建物に比べると初期投資が少ない、土地の広さも形も影響があまりない、運営委託をすれば管理も楽になるなど、メリットが多そうに感じますね。ですが、注意すべきポイントもあります。確認していきましょう。

・税金負担が多い

駐車場経営は、アパートやマンション経営と比べて税金の負担が多くなることに気を付けましょう。なぜ多くなるのかというと、アパートやマンション経営は、「住宅」のために利用している土地となり、固定資産税や都市計画税の優遇を受けることができます。一方、駐車場は住宅とは違うため、固定資産税の優遇措置は受けられません。

・利用効率が悪くなる

駐車場は、道路からの出入りや旋回するスペースを確保する必要があるため、駐車区画に利用できる面積は限られます。土地の上にアパートやマンションを建てる場合と比較すると、1階の平地しか利用できない分、利用効率が高いとは言えないでしょう。

・立地条件に左右される

土地の広さや形状に問題があっても、駐車場として利用することは可能ですが、立地条件が著しく悪い場合は、収入に影響が出てくるでしょう。

例えば、企業が多くある場所や官公庁が多い場所、病院や商店街の近く、住宅街の中などは一定の利用者が見込めますが、需要がほとんどない場所では、利用者が見込めなくなります。駐車場に適している土地かどうかは、しっかりと検討することが必要となります。

駐車場経営の収益性をシミュレーション

駐車場経営, メリット (写真=Ahmet Misirligul/Shutterstock.com)

次に、駐車場経営で実際にどれくらいの収益を見込めるものなのか、1年間でシミュレーションしてみましょう。

・月極駐車場の場合

10台分の月極駐車場を、1カ月の賃料2万円で貸すと想定した場合、次のようになります。

毎月2万円×10台分×12カ月=240万円(1年間の賃料収入)

仮に、税金や管理費で年間90万円の負担があったとすると、収益は
240万円-90万円で、150万円
となります。これは、1年間つねに満車の場合の試算であり、当然、空いているときも考えられます。

もしも、稼働率が7割程度であった場合は、
240万円×0.7=168万円
となり、税金などの負担を差し引くと、
168万円-90万円=78万円
となります。

稼働率が7割まで下がると、満車のときと比べ、約半分まで収益は減ることになります。できる限り満車であることが理想ですが、土地代にローンがなく、初期投資が少ない場合は経費が抑えられるので、ある程度の収入を見込めそうです。

・コインパーキングの場合

10台分のコインパーキングを、1時間平均300円、平均稼働時間を5時間と想定した場合、次のようになります。

300円×5時間×10台分×365日=547.5万円(1年間の収入)

仮に、税金や保守・管理費で年間270万円の負担があったとすると、収益は
547.5万円-270万円=277.5万円
となります。

もしも、稼働時間が3時間程度であれば328.5万円となり、税金などの負担を差し引くと、
328.5万円-270万円=58.5万円
となります。

稼働時間が変わると収入に大きく影響するため、需要のある立地条件であるかどうかがポイントになるでしょう。コインパーキングの場合、日中に利用者が多いのか、夜間に利用者が多いのかによっても、シミュレーションは変わってきます。

・周辺との競争で稼働率に影響が出る

駐車場経営を始めた後に、周辺地域で競合他社が増える可能性もあります。競合相手がより安い賃料に設定した場合、当初の計画よりも稼働率が下回り、賃料を下げる対応が必要になることもあります。

現在の周辺状況はもちろん、将来の状況まで予測し、いろいろなケースのシミュレーションをしておく必要があるでしょう。

確定申告を忘れずに

駐車場経営, メリット (写真=xiao yu/Shutterstock.com)

駐車場経営で収入があれば、確定申告が必要になります。地面を舗装したり、機械を設置したりした費用は、もちろん経費として計上することができます。支払う税金は、固定資産税・都市計画税となり、建物のような税制の優遇は受けられません。

駐車場経営は、建物を建てる必要がなく、比較的短期間で始めることができます。しかし、立地条件や近隣との競争条件などによって、収益が大幅に変わる可能性もあります。

「遊休地にしておくよりは……」という考え方もありますが、どのくらいの稼働率が見込めるのか、経費はどのくらいかかるのか、事前にしっかりと検討しておきたいですね。

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