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貯金は多くなくて良い、生命保険は不要ーーお金美人が大事にするポイントは?

「お金」は美人になれる美容液(4)

この記事は久富有里加氏の著書『「お金」は美人になれる美容液 “憧れの私”になる♥美人のお金レッスン』(WAVE出版)の内容を抜粋したものになります。

【『「お金」は美人になれる美容液』シリーズ】
(1)幸せなお金美人が持っている「唯一の答え」とは
(2)本当の幸せは「インスタ映え」しない お金を掛けずにリッチになる考え方とは
(3)お金を増やそうと思ったときに決めておきたい「最も大切なこと」
(4)貯金は多くなくて良い、生命保険は不要ーーお金美人が大事にするポイントは?

※以下、書籍より抜粋

期待するのは今の自分? 老後の自分?

いつか叶えたい夢を、いつ叶えましょうか。

大切なのはお金じゃなくて、「いつ」を決めることです。

●「いざ」のお金はいつのため?

IT企業に勤める26歳のBさんから、貯金額についての相談を受けたことがあります。

今の貯金額を聞いてみると約500万円。実家暮らしで家賃はかからないというケースで、同世代の中では多いほうだと思います。

ただ、雑誌やインターネットで同世代の貯金額の平均と比べると、Bさんはまだまだ足りないと思うそうで、1000万円までの貯金をしたいとのことでした。

「なんのために貯金をしたいのですか?」と聞くと、とくにその目的は決めていないというのです。

ご両親が倹約家で、幼いときから「貯金をしなさい」としつけられてきたこともあり、貯金がないと不安になってしまうとのこと。

日本ではお金の教育をしないため、お金についての考え方はほとんどの場合、両親のしつけがもとになっています。そのため、必要以上に貯金をしないと心配になってしまうという人が多いようです。

たしかに、いざというとき、お金はきっと守ってくれます。

でも、その金額が大きすぎると、お金を使うことなく、あっという間におばあさんになってしまうかもしれません。

●安心貯金は給料6カ月分でいい

いざというときの貯金が実際いくら必要なのかですが、私は「給料の6カ月分を目安に」とお伝えしています。

なぜかというと、お金というものは仕事を続けていれば対等な対価としてもらうことができますが、その仕事が万が一なくなったとき、お金を受け取ることができなくなってしまうからです。

ただ、日本には失業保険という国の制度があり、もし仕事がなくなったらお金を受け取ることができるしくみがあります。

このしくみでお金を受け取ることを恥ずかしいと思っている人もいるようですが、失業保険というのは、そもそも自分も支払って準備しているお金です。

給料明細を見てみると、「雇用保険」という項目でお金が天引きされています。このお金と会社が支払うお金で、失業保険制度は成り立っています。

ただ、失業保険は会社都合の失業か、自己都合の失業かによって、受け取るタイミングが異なります。

会社都合では2週間後とすぐですが、自己都合だと4カ月後からの支給になります。この保険でもらえるお金は、給料の約半分です。

そのため生活をしていくうえでは、月給の6カ月分を貯金しておくと、保険のお金をもらえるまでの間が安心できるという計算です。

Bさんの場合だと、28万円×6カ月分=168万円。

もし仕事がなくなってしまったときのことを考えると、このくらいのお金を安心貯金として準備しておいていいと思います。

●その保険、本当に必要?

Bさんは将来に備えて生命保険に加入していますが、もっと保障を手厚くしたほうがいいのか悩んでいるとのことでした。

「保険とどう付き合うか」について考えてみます。

私たちの世代で、投資やお金のことをなにもしていないとはいっても、なにかしら民間の保険に加入している人はとても多いものです。

両親からのすすめや、友達が保険会社で働いていたことがきっかけになっていたり、保険に入ることはマストだと思っていたりする人も少なくありません。

でもじつは、この保険の考え方は日本だけの特殊な文化なのです。

世界の国を眺めてみると、日本はアメリカやイギリスなどと比べて、投資しているお金が圧倒的に少ないのですが、保険に加入している割合だけは圧倒的に大きいのです。

日本人の生命保険に入っている割合は、なんと男性が80.6%、女性が81.3%。(平成28年度生命保険文化センター「生活保障に関する調査」)。

しかも男女ともに20代は50%台なのに、30代になると80%台に。つまり、20代から30代にかけて、新しく保険に入る人がとても多いのです。

それだけ日本人と相性がいいのが保険、とくに生命保険なのですが、じつは必要以上に保険にお金をかけている人が多いのが実情です。

国の「高額療養費制度」を知っているでしょうか。健康保険組合や国民健康保険に加入していれば(保険証を持っていれば)誰でも対象になります。

たとえば、自分が病気になって1カ月入院し、医療費が100万円もかかったら、その分、お金がなくなってしまうと不安になりますよね。

でもこの場合、100万円を支払う必要はありません。

実際に支払う金額は、約9万円だけ。年収や年齢によって金額は少々違うのですが、日本は1カ月に自分で支払わなければならない医療費の上限が決まっていて、それを超えた分は国がかわりにだしてくれるのです。

70歳未満で年収が370〜770万円くらいの人の場合、1カ月に支払う最大の自己負担額は約9万円です。それ以上に医療費がかかることはありません。

また、入院するときにあらかじめ手続きをしておけば、お金を一時的に建て替える必要もありません。この制度はアメリカなどの先進国にはなく、日本独自のしくみで、とても手厚い保障になっています。

ちなみにアメリカでは、高い医療費でも自分で支払う必要があるため、病院で生命保険に入っているか、つまりちゃんとお金が払えるかを治療前に確認されます。支払えそうにない場合は、緊急であっても手術をしてくれないことさえあるのです。

保険会社や銀行で、この「高額療養費制度」を説明してくれるところは限られています。

なぜなら、このしくみを知っていればある程度安心でき、保険に加入しなくても大丈夫と考える人が多いからです。

でも、この制度を知らずに、医療費負担の不安から保険に加入したり、必要以上に保障をつけたりしている人が多くいます。

ただ、この高額医療費制度は、個室のベッド代や食事代、先進医療は対象外です。 美容整形なども、保険対象外となります(これは民間保険も同じです)。

なので、もし自分の希望で入院するときに個室を指定したら、先進医療を選択しても自己負担となります。

もちろん、加入している民間保険がこの対象であれば、相応のお金を受け取れますが、本当に必要な保険なのか、一度見直したほうがいいかもしれません。

●健康に投資するのが「お金美人」

保険は、病気になってしまった、怪我をしてしまったなど、万が一の場合に保障するしくみです。

でもこれからは、保険をかけて安心するよりも、自分の「予防医学」に投資したほうが効果的だと思います。

いくら保険でお金がもらえたとしても、体調が悪くなったときのダメージや良好な体調を取り戻すエネルギーはかなり大きなもの。

仕事に影響がでたり、もしかしたら飛行機にも乗れないとか、食べものの制限が生じたりすることもあります。

とくに私たち世代は「100年ライフ」といわれるように、100歳くらいまで生きる人が増え、これから先、長い人生をすごしていくことになります。

ということは、今保険にお金をかけて安心するよりも、将来的にお金がかからない健康体をつくっていくほうがお得です。

私たちの体や心は、途中で変えたり追加したりすることはできません。

一生付き合っていく自分を美しい状態で長くキープできるように、将来を見据えた定期メンテナンスは自身でしなければなりません。

たとえば、体にいい野菜、新鮮な肉、魚をバランスよく食べるとか、筋力をつけるために定期的にジムに通うとか、定期的に健康診断を受けて体の状態をチェックするとか、心の負担になるストレスをできるだけ溜めないように生活するなどです。

とくに20代から30代は、がんばりすぎて自分をおろそかにしてしまいがちです。忙しさにかまけて、連日深夜まで仕事をして睡眠不足になったり、食事を十分にとらなかったりもします。

そのリカバリーを、保険がしてくれると思ったら大間違いです。

保険は、あくまでもなにかあったときに、お金で返してくれる制度です。

でも、取り戻せない自分自身の本当の価値は、お金には換えられないのです。

保険は私たちを幸せにしてくれる商品ではありません。あくまでも、いざというときのお守り。

そのお金が本当に必要かどうかは、自分で考える必要があるのです。

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久富有里加(ひさとみ・ゆりか)
ファイナンシャルプランナー/トータルマネーアドバイザー。株式会社マネネCOO。1986年東京生まれ。新卒で大和証券(株)へ入社し、計算が苦手ながらも社内表彰を連続受賞。その後、欧米型の独立系アドバイザーの普及に尽力する楽天証券(株)に転職し、システムや商品の企画等に携わり楽天賞を受賞。(株)キッズラインを経て、2016年にブログ『美人投資』を立ち上げ、独立。2018年より株式会社マネネCOO。

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