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地震、台風、水災ーー自然災害が起こったら?保険会社に連絡する前にやるべきこと

保険を検討する前にしっておきたい知識

一年を通してさらされる自然災害の脅威。四季折々の自然の美しさは、世界に誇れる日本らしさではありますが、さまざまな自然災害が発生するというリスクもあります。

水害、地震、大雪、竜巻……。あらゆる災害に備えて、すべてを保険でカバーするには保険料も多額になってしまいます。そこで、どのようにリスク管理を考え、実行すれば良いのかをまとめました。

リスクに備える基本の4ステップ

災害, 保険 (写真=oatawa/Shutterstock.com)

日常生活の中には自然災害にかかわるさまざまなリスクがあります。

  1. リスクの確認(どんなリスクがあるのか?を考える)
  2. リスクの測定(リスクが起きたらどのくらいの損失になるのか?を割り出し)
  3. リスクの対処法を検討(どんな対処ができるのか?を想定しながら対処法を振り分け)
  4. リスク対処後の見直し(リスクに見舞われた後の対処法の見直しをする)

この4ステップで「自分に合ったリスクマネジメント」を見える化しておきましょう。

ここで大切なのは、3の対処法の振り分けです。

ここまでの金額なら貯金で対応できる、リスクを見越して住宅ローンに自然災害の特約(後段で解説)を付けておくなど、大きな被害は保険でカバーするしかないといった目安が分かっていれば、保険の入り方や家計管理の仕方も自分に合ったものになり、安心につながるのではないでしょうか。

自然災害の種類と保険

災害, 保険 (写真=alphaspirit/Shutterstock.com)

あなたが真っ先に思い浮かぶ自然災害は何ですか?それは自分にとって起こり得るだろうと日頃から気になっている災害です。

万が一、災害に巻き込まれてしまったとき、頼りになるのが各種損害保険です。

一般的に考えられる自然災害と対応できる保険は次のようになります。

●地震や地震による火災

火災保険に付帯する地震保険が適用されます。

住んでいる地域や建物の構造によって保険料が決まるので、条件によっては火災保険と同等の保険料になる場合もあります。

●台風や大雨による水害

火災保険の水災補償が適用されます。

保険会社により水災補償が基本補償になっている場合と特約として追加しなければいけない場合があり、保険料を抑えるために水災補償を制限するタイプで加入する方もいらっしゃるようです。

ご自身の地域の行政機関が作成しているハザードマップなどを確認しながら、必要な補償を付けることをおすすめします。

●異常気象による雹(ひょう)や竜巻、大雪の被害

火災保険の風災補償が適用されます。

基本補償に含まれていることがほとんどです。

免責金額を設定することで保険料を抑えることができますので、被害に関してここまでなら貯金でまかなえるという金額を把握しておくことで、風災に限らず保険料負担を減らすことも可能です。

●落雷による被害

火災保険の火災補償が適用されます。

落雷による通電で家電製品に被害を受けた場合は、家財に対しての火災保険でカバーできます。

建物と家財、両方に保険をかけると保険料が高くなってしまうのでは?と思われがちですが、家財に関しては保険金額の目安を参考に調整したり、免責金額を設定したりできますので保険料の提示額を見ながら検討してみてはいかがでしょう。

●隣家や近所への被害拡大

各種特約が適用されるケースがあります。

火災に関しては「失火責任法」により重大な過失がない限り、隣家への類焼に対する賠償責任がないため賠償の義務はありません。ただ、その後も住み続けるとなると、ご近所との関係は気になるもの。

そんなときには、火災保険に「類焼損害補償特約」を付けておくことで復旧のお手伝いをすることができます。

また、屋根に積もった雪が滑り落ちてお隣のカーポートなどを壊してしまった場合、賠償責任が発生するものであれば「個人賠償責任保険」で補償されますので特約として付けておくと安心です。

水災補償の落とし穴

災害, 保険 (写真=Goga Shutter/Shutterstock.com)

各損害保険会社の火災保険では水災への対応も補償されていますが、補償の付け方は保険会社によってさまざまです。

基本補償として組み込まれているものもあれば、特約として追加するもの、基本補償ではあるが補償を縮小する特約を付けられるものなどがあります。

各社のパンフレットやホームページなどで、タイプによる補償の違いを確認しておくといいでしょう。

保険加入時には少しでも保険料を安くするために「海や川の近くじゃないから大丈夫!」と自分を納得させてしまうことがあります。

しかし、土砂崩れによる被害や大雨でマンホールの水があふれたことによる浸水などは、水災補償になりますので油断は禁物です。

もしも被害に遭った場合は、浸水した場所の写真を撮っておくなど、被害状況が分かるようにしておきましょう。

保険加入するときに把握したい知識とは

災害, 保険 (写真=Kunal Mehta/Shutterstock.com)

自然災害の被害に遭ったときは、「保険に入っていて良かった」と思えるのですが、年間の保険料を考えるとちょっと憂鬱になりますよね。

保険で備える最大のメリットは、貯金でまかなえない大きな金額を受け取ることができることと、災害に遭った後の生活再建への第一歩を踏み出す大きな安心につながることです。

一方、デメリットもあります。被害状況と保険内容によっては100%の生活再建ができる状態になるかは分からないということです。

そのためにはまず、行政機関が作成している「ハザードマップ」を確認し、日常生活での災害リスクを把握しておきます。

また、保険以外での振り分け方にも敏感になること。

例えば、住宅ローンを組むときに、金融機関によっては「自然災害時返済一部免除特約」などを付けることで、全壊時には残高の50%が免除されたり、損害の状況に応じて一定期間のローン返済額が免除されたりします。

地震保険と組み合わせることで、住宅ローンの負担をゼロ円にすることも可能です。

大規模災害などで「罹災証明書」を発行してもらうことで、国の「被災者生活再建支援制度」の支援を受けることもできます。

そして、貯金から負担できる金額を把握すること。

なんのために保険に加入するのかを明確にし、免責金額や補償額、補償の範囲などを調整することで、保険料を考慮しながら加入を検討することができます。

自然災害の被害例3つ

災害, 保険 (写真=Zastolskiy Victor/Shutterstock.com)

では、実際の被害例を基にした保険での対応をご紹介します。

例1:土砂災害で建物と家財に被害を受けた

土砂災害で大量の土砂が自宅に流れ込んだために建物と家財に被害を受けたケースです。建物の修理金額が保険金額を上回ったため全損扱いとなり、保険金額全額+αの支払いとなりました。

この例は、水災補償での支払いとなります。

水災補償の条件は、床上浸水もしくは地盤面から45cm超の浸水、または再取得価額の30%以上の損害です。

土砂の流入が45㎝を超えていなくても、再建費用が再取得価額の30%以上であれば支払い対象になります。

さらに、火災保険の支払いは実損額に応じて保険金が支払われるため、全壊などの被害がなくても修理費用が保険金額を上回った場合には保険金額を限度に全額支払われます。

また、火災保険には「費用保険」が付帯されていたり「臨時費用特約」などを追加したりすることで、残存物の片付けや追加費用が上乗せで支払われます。

例2:震度6弱の地震により棟部分が崩れ、建物基礎に亀裂が生じた

地震保険により一部損認定を受けたケースです。

この例は、地震保険での支払いとなります。一部損認定により、加入している地震保険金額の5%が支払われます。

例3:落雷により自宅のパソコンが壊れた

家財に付帯した火災保険で支払われたケースです。

この例は、建物だけではなく家財に対しても火災保険がかけられている場合に補償されます。

以上のように、自然災害による被害はさまざまですし、加入している保険の内容によっても支払い条件は異なります。

中でも、水災や家財への加入の有無は保険料を考えると躊躇しがちです。

せっかく加入するのであれば、いざというときに使える内容にしておくことで大きな安心につながるでしょう。

自然災害が起こってしまったら?

災害, 保険 (写真=sakhorn/Shutterstock.com)

実際、自然災害に遭遇したときは、何から手を付けていいのか分からず、慌ててしまう方も多いでしょう。

まずは、ご自身やご家族のけがや精神的な不安に対処することを考えてください。

そして、少し落ち着いたら保険の対象かどうかに関わらず、加入している保険の代理店、もしくは保険会社に連絡しましょう。

それから、部屋を片付ける前に必ず、被害状況の写真を撮っておいてください。

2011年に発生した東日本大震災では、航空写真による判定で全損一括認定地域を認定するなど、迅速に保険金支払いを進めるべく業界が協力したとも言われています。

しかし、大規模な自然災害では保険会社もすぐに対応しきれないことも考えられます。

被害状況がすぐに分かるようにしておくことで、迅速な対応につながります。細かな傷や浸水の跡、倒れた家具の状況など、写真に残しておくことを忘れないでください。

リスクを回避するための保険料の支払いを自分にとって価値のあるものにするには、生活環境におけるリスクを理解して、どんな方法で備えるのかを考えましょう。

そして、少なくとも、加入している保険内容を更新のタイミングで見直しすることが大切です。

保険内容は、頻発する自然災害などを受けて随時改定されています。

代理店の担当者や保険会社から情報収集しながら、自分の環境に合った保険に加入することが最適なリスク回避の方法といえるのではないでしょうか。

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