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30代女性の婚活は難しいって本当?結婚の実態を調べてみた

30代ハイスペ女性は敬遠されるの?

最近では、婚活していることをオープンにする女性が増えてきたように感じます。

婚活について世の中に溢れているのが「30代女性の婚活は難しい」という情報。筆者の年下の友人も、そんな愚痴をこぼしていました。とはいうものの、実際は20代より30代で結婚する女性の方が多いのではないでしょうか。

本当に30代になると女性の婚活は難しいのでしょうか?さまざまなデータから探ってみたいと思います。

そもそもどの年齢層が未婚化しているのか?

30代, 女性, 婚活 (写真=Roman Samborskyi/Shutterstock.com)

「30代女性は結婚が難しい」。その根拠の一つに、日本の未婚率データが関係しているようです。まずは国立社会保障・人口問題研究所が公表しているデータから未婚の状況を把握してみましょう。

「未婚率」とは「一度も結婚したことのない人の割合」のことで、「生涯未婚率」と「年齢別未婚率」の2種類に分かれます。年齢別未婚率は数歳ごとに区切り年齢別の未婚の人の割合を示したもので、生涯未婚率は50歳時で未婚の人を将来的にも未婚であると仮定し、生涯独身である人の割合を示す統計指標として使われているものです。

・生涯未婚率の推移:1980年~2015年

最初に、1980年から2015年までの生涯未婚率の変化を見ていきましょう。

1980年の生涯未婚率は、男性2.6%、女性4.45%です。ほとんどの人が結婚しており、特に男性は、一生に一度は結婚する社会であったことが読み取れます。

では、2015年はどうかというと、男性23.37%、女性14.06%と35年間で生涯未婚率は大きく上昇しています。

非婚化が進んでいることを裏付ける数字ですが、上昇率が高いのはむしろ男性の方で、この結果だけでは女性の非婚化が進んだとは言い切れません。

・年齢別未婚率の変化:1985年~2015年

次に、5歳ごとに区切った年齢別未婚率の変化を見てみましょう。こちらは1985年から2015年の推移です。

男性の年齢別未婚率は

  • 25歳-29歳:(1985年)60.6%→(2015年)72.7%
  • 30歳-34歳:(1985年)28.2%→(2015年)47.1%
  • 35歳-39歳:(1985年)14.2%→(2015年)35.0%

女性の年齢別未婚率は

  • 25歳-29歳:(1985年)30.6%→(2015年)61.3%
  • 30歳-34歳:(1985年)10.4%→(2015年)34.6%
  • 35歳-39歳:(1985年)6.6%→(2015年)23.9%

ここで注目したいのは、1985年時点ではどの年齢層においても、男性の未婚率が女性の2倍以上という点です。この傾向は2015年でも変わりません。

しかし、女性の未婚率の上昇幅は男性よりも大きくなっています。この30年間で、女性の未婚率が男性に追いついてきたと考えられるのではないでしょうか。また、女性の年代別に未婚率を比較すると、20代の方が30代よりかなり高いことがわかります。

このデータから、30代女性の未婚化が進んでいる傾向は読み取れません。むしろ、20代よりも30代で結婚する女性が多い晩婚化傾向と、すべての年代でまんべんなく進む非婚化の傾向が伺えます。また、生涯未婚率、年齢別未婚率のいずれも、未婚が多いのは男性ということがわかります。

本当に若い女性の方が結婚しやすいのか

30代, 女性, 婚活 (写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

では、なぜ「30代女性は結婚しにくい」と言われるのでしょうか。考えられる理由を整理すると、次の二つが挙げられます。

  • 男性は若い女性の方を好むので、30代女性より20代女性が選ばれている
  • 30代女性はキャリア真っただ中。高学歴・高収入・バリキャリの女性は男性から敬遠される

でも、これは本当なのでしょうか?

実は、このことについて検証を試みた研究があります。まずご紹介するのは、ニッセイ基礎研究所の論文『「年の差婚」の希望と現実-未婚化・少子化社会データ検証-データが示す「年の差」希望の叶い方』(天野馨南子、2017)です。男性と女性の「結婚相手との希望の年齢差」と「実際に結婚したカップルの年齢差」を分析したものです。

・男性と女性のターゲット年齢のミスマッチ

まずは、未婚男女が希望する「結婚相手との年齢差」を見てみましょう。データは、国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査(独身者調査)」(2015年)から取っています。

ここから「希望する年齢差」の割合を算出してみると、ほぼ6割の男女が1-2歳差の相手を希望していることがわかります。この6割同士なら、年齢で選んだ時にマッチングするのですが、ミスマッチが起こるのは5歳以上の年の差を希望する場合です。

男性では5-6歳年下希望が14.5%、7歳以上年下希望が8.5%存在するのですが、女性では5-6歳年上を希望するのは12.0%、7歳以上年上を希望するのは5.6%しかいないのです。

つまり、5-7歳年下の女性を希望する男性23%と、1-2歳年上の男性を希望する女性の出会いが多くなると、「若い女性にばかり行く」というような状態になってしまうわけです。

・実際の成婚カップルの年齢差では意外な実態が

しかし、希望の年齢差がそのまま結婚につながるとは限りません。次に、実際の成婚カップルの年齢差を見てみましょう。こちらは、厚生労働省2015年「人口動態調査」のデータを基に、その年に婚姻届を提出した初婚カップルの年齢差を算出したものです。

成婚カップルの年齢差と未婚男女が希望する年齢差を比べると、男性が4歳年上というケースが、希望でも現実でも約6割を占める結果となっています。また、男性が7歳以上年上の結婚は、男性側の希望をやや上回る結果となりました。

希望と現実との間に大きな開きが生まれたのは、「女性が年上」の結婚です。希望の年齢差を見ると男女とも1割を切る最もマイナー層だったのですが、成婚カップルを見ると24%にも達しています。男性側の希望が14.5%に上った4-5歳の年の差は、実際の結婚ではわずか4.5%でした。

結婚における年齢差の長期推移を見てみると、1975年から2015年の40年間の間に、夫が年上タイプは約8割から約6割へと大きく減少しています。一方で、妻が年上の結婚は10.3%から24.0%まで増えています。

この研究結果から、希望の段階での年齢的ミスマッチは必ずしも実際の結婚には反映されない、という事実が明らかになりました。

本当にハイスぺ女性は敬遠されるのか

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次にご紹介したいのは、同じくニッセイ基礎研究所の論文『夫婦調査に見る「学歴上位妻の台頭」-生涯未婚データ考-男性が背負わない結婚、という選択』(天野馨南子、2017)です。先述の「年の差婚」の研究に続くもので、「女性が高学歴化したから結婚が難しくなったのではないか」という印象論を検証した論文です。

・女性の高学歴が結婚に与える影響は読み取れない

この研究は、2005年以降に結婚したカップルについて、妻と夫の最終学歴を調べたものです。データの出典は社会保障・人口問題研究所「第14代出生動向基本調査(夫婦調査)」(2010年)です。

最終学歴のデータを整理すると、一見高学歴の女性のほうが結婚していないような数値となります。しかし、進学した年齢と結婚した年齢のタイムラグを考慮して、進学当時の進学率のデータも加えると、女性の短大・大学などの進学率と短大卒以上の妻の割合は、ほぼ一致する結果となりました。

つまり、女性の進学率が上がるのと連動して高学歴妻も増えているということがデータで示され、「高学歴女性は結婚に不利」というイメージは、事実ではないことが明らかになったのです。

・夫よりも妻の学歴が高い「学歴上位妻婚」は増えている

次にこの研究が検討したのは、夫と妻の学歴差の関係です。同じ調査データから、夫よりも妻の学歴が高いカップルの割合を算出しています。

すると、2005年以降では4組に1組以上の割合で、夫よりも妻の学歴が高い「学歴上位妻婚」が成立していることがわかりました。また、大卒妻の約3割が高卒以下の学歴の夫と結婚しています。少し年代を遡ると、1980年代後半からすでに5組に1組が学歴上位妻婚だったこともわかりました。

別の研究ですが、ここ10年ほどの間に未婚男性が結婚相手に重視する要素として「経済力」「職業」を上げる割合が増えてきているという指摘もあります(『デキる女がモテる時代-独身男女が結婚相手に臨む条件の変化-』北村安樹子、第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部、2017)。

「女性の学歴や経済力が結婚に不利になる」という考えから脱しつつあるといえるのではないでしょうか。

30代からの幸せな結婚って?

30代, 女性, 婚活 (写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)

「傾向はわかった。でも、身近でそういう出会いがないんだけど!」と思われるかもしれません。確かに「30代は婚活難」という思いは、婚活中の人や婚活をくぐり抜けた人のリアルな感想なのかもしれません。。

そこで、30代女性の婚活実践ロールモデルになりそうな例をご紹介します。

・幸せな晩婚カップルのリアル

最初にご紹介するのは、『人は死ぬまで結婚できる-晩婚時代の幸せのつかみ方』(大宮冬洋著、講談社+α新書、2018)です。著者の大宮冬洋さんは、35歳以上で結婚した「晩婚さん」100人以上にインタビューを重ねて記事を書き、その連載をこの本にしました。

30代後半から50代に至るまでのさまざまな晩婚さんの、それまでの人生と遅めにつかんだ幸せな結婚のストーリーが語られています。自分の状況を見つめ、受け入れるべきを受け入れて行動した結果の結婚。それぞれのリアルなストーリーにぜひ触れてみてください。どういう場面で出会いをつかんだのか、きっと参考になるはずです。

・キャリア女性のための婚活サービス

キャリア女性の出会いに特化した婚活サービスも存在します。そのサービスの一つが「キャリ婚」です。働く女性のための人材コンサルティング会社を経営し、女性の婚活をサポートするワークグループ「魔女のサバト」の主催者でもある事業家、川崎貴子さんが立ち上げたサービスです。

男性会員は無料で、女性の有料会員が男性会員にアプローチをするというユニークなシステム。男性会員は入会前に川崎さんらスタッフと必ず面談をし、結婚に対する姿勢や女性のキャリアを尊重する意識が問われます。

自分のキャリアを大事にしつつ、支え合うパートナーをどうやって見つけるか。「キャリ婚」での婚活のイメージをつかみたい方は、キャリ婚サイトの「カップルレポート」を読んでみてはいかがでしょうか。

30代のあなたが出会うべき人は今のあなたを好きになる人

30代, 女性, 婚活 (写真=Rido/Shutterstock.com)

「30代は結婚が難しいんだろうか……」そう思って不安になる時、一度立ち止まって心の中を見つめてみてください。あなたの重ねてきた年齢、学歴、キャリア、経験、そういったものは今さら無くしようもないものですし、また、否定する必要のない素晴らしいものなのです。年齢であなたを判断して結婚相手から除く人たちの中には、あなたと一緒に幸せな人生を進むパートナーはいません。

ご紹介した論文の著者、ニッセイ基礎研究所の天野さんは、結婚が叶うか叶わないかの境界線に「結婚観のダイバーシティの壁」が見え隠れする、と述べています。あなたの気持ちにモヤモヤを持ち込むのは、その「ダイバーシティの壁」なのかもしれません。

結婚の実態は多様化しています。従来の結婚観が自分に合わないと感じるのなら、自分に合う場所を探しましょう。自分の中の「ダイバーシティの壁」も見つめ直しつつ、居心地のいい場所に自分を置きましょう。あなたの未来のパートナーは、きっとそこにいるはずです。

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