(写真=森口新太郎撮影)

はじめての株投資で損失。お気に入りの企業から学んだこと【高井ひろえさんの失敗談】

デキる女の「投資の失敗談」シリーズ:高井ひろえさん

各方面で輝く女性に投資の失敗談をお聞きする不定期インタビュー「デキる女の投資の失敗談」。今回は、投資情報サービスを提供するフィスコマーケットレポーター、高井ひろえさんにお話を伺いました。

高井さんは大学の法学部在学中から株式投資をスタート。外資系投資銀行やファンドなどでインターンとして経験を積んだあと、2017年に新卒でフィスコに入社しました。現在は、リポーターとして経済情報を発信しています。

24歳の株女(カブジョ)高井さんが初めて買った株は大好きなアパレル企業でしたが、損をしてしまって……。高井さんが投資の失敗から学んだこととは?

最初に買った株で「高値づかみ」

投資, 失敗談, 高井ひろえ (写真=森口新太郎撮影)

ーー今日は投資の失敗談というテーマなのですが、高井さんは法学部在学中から株式投資をスタートされたんですね。

そうです。法学部で勉強していたんですけど、周りに株式投資をしている人がすごく多くて。周囲の熱中度合いもすごかったです。ある会社を調べたら、その孫会社まで調べ尽くして、その会社への愛を語る、というような。ずっと株価チャートを見ている友人もいましたね。

ーー高井さんが最初に買った株はどんな企業だったんですか?

あるアパレル関連企業でした。

ーーその株はどうなりましたか?

損しましたね(笑)。

ーー(笑)。

当時、「とにかく何か株を買いたいな」と思っていたのですが、選び方がわかりませんでした。「一番身近にある銘柄を選ぶといいよ」という話を聞いて、「自分にとって身近な銘柄ってなんだろう」と考えたときに、いつも使っているパスケースがその企業のものだったんです。ボロボロになるまで愛用していましたし、その企業が展開している店舗がどんどん増えていたので、本当に少額なのですが、その企業の株を買ったんですね。

業績はそんなに悪くなかったのですが、ちょうど「高値づかみ」するような形になってしまって、それからどんどん株価が下がって、結局手放すことになってしまったんです。

ーー株を手放したときは、どういう気持ちでしたか?

「もっと早く損切りすればよかった」と反省はしましたが、その一方で、人から「この銘柄いいよ」と言われて鵜呑みにして買ったんじゃなくて、身近にある好きな銘柄っていうのを基準に買ったので、わからないなりに納得感はありました。たとえその判断が間違っていたとしても、自分で判断して買ったのはよかったと思います。

もしこれが誰かに「上がるよ」と言われて、業績や事業内容もよくわからないまま買っていたとしたら、きっと人のせいにしてモヤモヤしたと思うんです。

仮想通貨で買うタイミングを逃し後悔

投資, 失敗談, 高井ひろえ (写真=森口新太郎撮影)

ーーその後、投資の方はどうなっていきましたか?

その後の失敗談としては、フィスコは仮想通貨取引所を持っているという関係もあって、私も昨年、ビットコインなどの仮想通貨への投資を始めました。初期はそれなりにうまくいったのですが、今年の1月、TVでも大きく報じられた事件をきっかけに、ビットコインの価格がすごく下がってしまいまして、年末には一時200万円台にもなった1ビットコインあたりの価格が節目の100万円を下回ったんですよね。

100万円を割ったときに「ちょっとヤバいな」とは思ったんですけど、今までどんどん上がってきたという背景もあったので、「これもよくある事なのかな」と思って、損切りすべきタイミングがあったにも関わらず、損切りすることができませんでした。

結局、1ビットコインあたりの価格は一時60万円台まで下がってしまいました。しかし、その後リバウンドして2月には100万円台まで戻りました。

株価もそうなのですが、相場はずっと急落し続けるということはあまりなくて、急落した後は途中でリバウンドを見せる場面もあります。仮想通貨も同じで、急落したら一度損切りして、気持ちを切り替える必要があります。そして、リバウンドし始めたところを狙って、損切りした分を取り戻すことができたはずです。

ただ、仮想通貨が60万円台になったとき、投資するための余裕資金がなかったので、買い増すことができなくて、すごく悔しかったんですよ。

ーー「そのとき」に判断するのは難しいですよね。

はい。投資は1回の勝負で勝ちにこだわるんじゃなくて、自分のコントロール次第では、1回戦目で負けたとしても、2回戦目でまた利益を出して挽回できる可能性があります。1回の勝ちにこだわりすぎると、結果的には1回の勝ちにこだわりすぎたがために、全体で負けてしまうことがあるんです。

損切りやナンピン買い(価格が下がった時にさらに買い増す投資手法)など、売買のルールを自分の中で決めておく大切さを知りました。

街歩きをしながら投資先をチェック

投資, 失敗談, 高井ひろえ (写真=森口新太郎撮影)

ーー株は長期で持つことが多いんですか?

長期が多いです。職業柄、株を購入するのに事前申請と承認が必要、ということもありますし、性格的にもすごくのんびりしているので。長い目で見て「この企業は今後、成長してくれるかな」という視点で銘柄を選ぶことが多いかもしれないですね。

ーー個別株だと、どういう方針で銘柄を選ぶんですか?

いろいろありますよ。友人がその企業で生き生き働いていると聞いて、そこから自分でその企業について調べることもあります。

学生時代、ある化粧品メーカーのPR大使を務めていた経験があり、お化粧品を自作するくらい好きということもあって、化粧品メーカーも見ます。最近は、オーガニック志向が高まっているので、そうしたトレンドを取り入れた商品を見たときは、その企業に注目しますね。

あと、オフィスが表参道にあるので、街を歩いて行列ができているお店を見て、「今、パンケーキが流行っているな」とか「ローストビーフ丼をよく見るな」とか、そういったところから企業を調べることもあります。街中の企業も案外、上場しているんですよ。

ーーいいなと思う企業があったとして、その企業のどういったところを調べるんですか?

外食産業の場合だと、自分で実際に行ってみて、「もう1回行きたくなるかどうか」を考えます。また、日本食は海外ですごく人気があるので、例えば海外在住の知り合いに「どう?」って聞いてみて、「毎日行列できているよ」という情報を得ることもあります。他にも、お客さんがどの程度回転しているかも、食事をしながら気にしています。

ーーなるほど。

あとは自分の注目している事業がその企業にとってどのくらいの割合を占めているのか、ということも重要です。例えば商社ですと、とてもたくさんの事業を展開していますよね。自分の好きなお店に商社が絡んでいるとわかったとしても、それが株価に反映されるかというと、あまりそうでなかったりもします。その他には、株価のチャートを見て、「今は買い時かな?」というのも当然チェックしますね。

あとは投資家の皆さんがしていることなのですが、PER(☆)を見たりもしていますね。PERって聞くと、私も最初は全然分からなかったんですけど、株を選ぶときって洋服を選ぶときと同じだと思っています。

☆PERとは?
その株が割高か割安かを判定するための指標。数値が大きいほど「割高」となる。(参考:株の◯◯がこれで分かる!初心者向け「PER」「PBR」徹底解説

洋服を選ぶように、企業を選ぶ

投資, 失敗談, 高井ひろえ (写真=森口新太郎撮影)

ーー洋服を選ぶときと同じ?

例えば私が今着ているのは、ウォッシャブルのスーツなんですが、「安くて質の良いウォッシャブルスーツが欲しいな」と思ったとき、いろんな企業の商品を見ると思います。このとき、価格は安くても、あまり品質がよくなかったりすると、「値段の割には品質がよくないな」ということで「割高だな」と思いますよね。つまり、スーツの価格と品質を比較して、その商品が割安なのか割高なのかを判断しているということです。

株を選ぶときも、実はこれと同じで、同じ業界の中でも株価が割高なのか割安なのかを比べるための数値が「PER」なんです。PERは数値が大きいと「割高な可能性がある」とわかります。私は文系なので数字だけを見るのがあまり得意ではないので、金融や経済で出てくる数字をできるだけ自分の身近なものに置き換えて理解するようにしています。

あと、これは「おまけ」の条件ですが、その企業の時価総額がそんなに大きくないとよりよいと思います。その方が、商品がヒットしたときに、株価の上がり幅も大きいと思うので。ただ、時価総額が大きくても「上がりそうだな」と思ったら買うこともあるので、時価総額はあくまで「おまけの条件」という感じですね。

ーー注目している事業がその企業にとってメインの事業かどうかということは重要だと思います。例えばコンビニで、ヒットしそうな美味しいお菓子を見つけても、それを作っている企業が冷凍食品の製造を主力とする企業だったりすると、株価と連動しなかったりして……。

はい、どうしても、自分の得意分野でキラリと光る商品を見つけて、それが「売れる」と思うと、その企業の株を買いたくなってしまうんですけど、その企業の売上に占める割合が低かったら残念だなと思って諦めます。

ーーそこは諦めるんですね。

そうですね。もちろん企業が新しく事業を始める場合や、市場で人気の事業であれば、売り上げに占める割合が小さくても評価されることはありますが。ただ、投資がたとえうまくいかなかったとしても、知識や自分の視野は広がります。その企業について詳しくなるというだけではなく、例えばその企業が海外展開していたら、為替の動向もどんどん気になるようになります。1ドル何円というニュースが自分事として思えるようになるのがすごく楽しいです。

失敗したときは、もちろん悔しいっていう気持ちはあるんですけど、余裕資金で投資するというルールを守っていれば、たとえ損失を抱えても耐えられますし、挽回するチャンスもきっとあります。そうすると、傷は浅く、人生は豊かになるのかなって思います。

お金は「自分の分身」

投資, 失敗談, 高井ひろえ (写真=森口新太郎撮影)

ーー私も株主優待が好きでいくつか株を持っているのですが、株の話って女友達にはしづらくありませんか?

そうですね。あまりしないです。ただ、関心ある方はすごく多いと思います。

女性って、ライフイベントで人生が大きく変わりますよね。結婚して、旦那さんが転勤したら仕事を辞めるかもしれませんし、出産したら休業しなければいけなくなるかもしれません。そうなると自ずと「将来、お金どうしようかな」と先々のことを考える人は多くて、最近だと「つみたてNISAをやってみようかな」という声もよく聞きます。

ーー「投資に興味はあるけれどどこから始めたらいいかわからない」という人には、どういうアドバイスをしていますか?

時間がなかなかとれなくて、株価をずっと見ているのも辛いという人には、投資信託から始めるのが一番いいのかな、とは思います。例えば「つみたてNISA」であれば、金融庁が設けた基準を超える投資信託やETF(☆)しか買えないシステムになっています。

また、お金は「自分の分身」とも言われます。投資信託を通じて間接的にアメリカの株や債権を購入し、お金に海外へ”行ってもらう”ことで、自分も海外に興味を持つことができるようになったりします。

株の場合だと、その企業の株を買うことで株主としてその企業の一員になったような気持ちにもなると思うので、もしそういう気持ちで投資をしたいのであれば、ちょっぴり損をしても後悔することはないのではないかと思います。

☆ETF(イーティーエフ)とは?
Exchange Traded Fundsの略称で、国内外の取引所に上場し、通常の株式と同様に市場で売買される投資信託のこと。信託報酬などの運用コストが比較的低いのも特徴。(参照:SMBC日興証券「ETF [上場投資信託]」)

自分が楽しめる投資をしてほしい

投資, 失敗談, 高井ひろえ (写真=森口新太郎撮影)

ーー高井さんは、何のために資産運用をしていますか?

何のためでしょう……。周囲に楽しそうに投資をしている人が多いので自分もやっている部分が大きいかもしれません。自分で注目した企業の株価があとで上がったりすると、「私、世間の先を行っているじゃん」みたいな気持ちにもなりますし、世の中のトレンドを追うようにもなります。社会で生きているという実感もわきますし、いろんな人とも会話ができるようになるので、可能性が広がってすごく楽しいです。株の取引も楽しいのですが、どちらかというと自分の人生を豊かにする「手段」の一つである気がします。

ーー素敵なことですね。私も資産運用は楽しいよ、と色んな人に伝えたいのですが、「楽しいからやった方がいいよ」と人に勧めてその人が損をしてしまったら責任は取れないので難しいな、と思います。普段、情報発信をするときに気をつけていることはありますか?

当然の話にはなってしまうのですが、投資はあくまで自己責任なので、「絶対儲かる」と言うことはできません。あとはリスク要因を説明するようにしています。例えば仮想通貨ですと、株とは違って、システム関係のトラブルなど特有の事情によって価格が変動することもある、というようなことです。

ただ、投資は自己責任ということは大前提として、個人的にはどうしても、「損をしても自分が楽しめるような投資をしてほしい」と思います。そのためには、繰り返しにはなってしまいますが、誰かのアドバイスを鵜呑みにして買うと損をしたときに後悔すると思いますので、自分で判断して投資をしていくことが大切だと思います。もしアドバイスを受けるとしても、「アドバイスを信じたのは自分」という風に考えられるかが大事だと考えています。

ーーありがとうございました!

今回、取材に協力してくれたのは…

投資, 失敗談, 高井ひろえ (写真=森口新太郎撮影)

高井ひろえさん
首都大学東京法学系卒業。2014年にミス首都大学東京グランプリ、ミスコン全国大会でスポンサー賞を受賞。学生時代の2016年からフィスコで活動開始。2017年にフィスコ入社。金融主要メディアや機関投資家への情報配信を行うかたわら、株式投資や仮想通貨についてのセミナーにも講師や司会として多数登壇中。また、各種投資教育講座のアシスタントも務める。

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