(写真=bunyarit klinsukhon/Shutterstock.com)

株価が上がりやすくなるタイミング 相場で勝つにはこれを知っておこう

世界一やさしい株入門(4)

この記事は岩本秀雄氏の著書『世界一やさしい株入門』(SBクリエイティブ)の内容を抜粋したものになります。

【『世界一やさしい株入門』シリーズ】
(1)決算書は会社の「健康診断表」ーー買うべき株を見つけるポイントは?
(2)世界一やさしい株入門 ローソク足を見るポイントは「どう動いたか
(3)[初心者の「投資スタイル」はこう見つけよう
(4)株価が上がりやすくなるタイミング 相場で勝つにはこれを知っておこう

※以下、書籍より抜粋

株価急騰のチャンス 自社株買いをする”株主思い“の会社を探そう

・自社株買いとは?

会社が自社の株式を買うことを「自社株買い」といいます。市場に流通している株式が減るので、1株あたりの価値が向上し、多くの場合、株価も上昇します。

たとえば、発行済み株式数1000万株の会社 が100万株の自社株買いを行ったとします。株式の10%が市場から消えるわけですから、単純に考えれば1株あたりの利益(EPS)は10%上がります。

逆に、現在の株価がEPSの何倍かを示す指標であるPERは下がります。

・継続的に自社株買いをする会社をチェック

このように、株数が減ると、投資指標が割安になるため、株価は上がりやすくなるのです。

2017年10月26日には、野村不動産ホールディングスが発行済み株式総数の2.6%の自社株買いを発表。翌日の株価は6.3%も上がりました。

自社株買いは1株当たりの利益を増やして株式の価値を高めること。そのため、株主に対して利益を還元することとなります。配当金を増やすことと並ぶ、株主に優しい利益還元策といっていいでしょう。

ちなみに自社株買いによって買い付けられたまま、保有されている株式を「金庫株」といいますが、株主還元に積極的な会社は保有したままにせず「消却」してしまうことが多いようです。

毎年、継続的に自社株買いを実施するNTTドコモのような会社もありますから、ホームページなどで調べてみてください。

株価急騰のチャンス 「市場変更」「第一部指定」で株価急騰!

・市場変更は株価上昇のチャンス

新興市場の東証マザーズやジャスダック市場に上場している会社が大きくなって、東証2部、1部で取引されるようになるのが「市場変更」。東証2部から1部に移動するのを「第1部指定」といいます。

東証1部になれば、日本を代表する企業として社会的に認められ、会社のイメージアップになります。

東証1部になった会社の株式は、変更日の翌月末から、TOPIX(東証株価指数)計算対象に組み入れられます。

TOPIX連動型のETFや投資信託にこの会社の株が組み入れられ、株が買われるので、1部指定発表後の株価は大幅高するのが一般的です。

・”降格“することもある!

逆に、会社の業績が極端に悪化すると、東証1部から2部に”降格“することもあります。1部から外れるとTOPIXに連動するETFからも除外され、株式の買い手が減ってきます。

原発事業の負債を抱える東芝は17年6月23日、1部から2部への指定替えが決まり、その後1カ月間で株価が12.7%下落しました。

一方、16年夏に2部指定替えとなったシャープ は翌年1部に復帰し、株価も回復しました。

市場変更は東証ホームページで随時発表されますから、まめにチェックしましょう。

抽選に当たればラッキー! お宝「新規公開株」をゲットする

・BBに参加しよう!

新茶、新米、初鰹……。日本人は「ハツモノ」が大好き。これは株式市場も同じで、新たに上場される「新規公開株」は大きな注目を集めます。

若くて伸びそうな会社が証券取引所に新たに上場することを株式公開、IPOといいます。

新規公開株は、上場前に投資家による投票(ブックビルディング=BB)が行われ、上場時の基準値段である「公開価格」が決められます。

新規公開株が欲しい場合、証券会社経由でこのBBに参加します。証券会社が「この株は1000~1500円で売り出す」などと仮条件を提示するので、「1300円なら買いたい」などと希望価格を提示して参加します。

・抽選に当たれば公開株が手に入る

ただ、BBへの参加希望者は多く、証券会社が提示する仮条件の上限(この場合1500円)を提示しても、抽選になるのがほとんどです。

抽選に当たれば、公開株をゲットでき、公開価格上限の1500円を払ったとしても、上場後にそれ以上値上がりすれば利益となります。

IPOでは、短期間で株価が数倍になる“お宝”銘柄が続出します。

2017年12月25日にジャスダック・名証2部に上場したABホテルは、公開価格1500円に対して、上場日には3060円で初値(最初の値段)をつけ、年末には一時6300円まで跳ね上がりました。

なぜか上がる・下がるタイミングがわかる アノマリーに注目する!

・必ず株価が上下するタイミングがある!?

株式市場では「アノマリー」と呼ばれる、根拠がはっきりしないけどよく現れる現象があります。

・1月第1週目は上がる

この時期海外の銀行や生命保険会社などの機関投資家が、前年末に売った株を買い戻すため(?)。1月14日は過去50年間で見て日経平均が37回上昇。上昇率74%という経験則もあります。

・節分に上がり彼岸で下がる

2月上旬まで株高、以降は反動で下がる。3月の年度末に利益確定のために売られ、4月の新年度入りから新規の買いが入るため?

・GW前後は値動きが激しい

ゴールデンウイーク前後は3月期決算企業の多くが決算発表を行い、これを受けた売買が活発化する。あるいは、大型連休中に海外市場が荒れるのを警戒して、連休前にいったん株を売っておく人が多いため?

・夏は閑散

7月、8月は売買が低調で株価も冴えない。国内外とも投資家が夏休みを取るのが原因?

・8月後半は円高、株安

毎年8月15日に米国政府が国債の金利を支払い、日本政府はドルで受け取った利息を円に転換。市場で円の需要が増え円高、これが株価の重石?

・10~11月の株安

海外の投資ファンドの多くは決算期がこの時期。年間の収益を確定するため売りが増えて下がるのか。

いろんなジンクスがあり、相場で儲けるには経験と記憶だという人もいるようです。

株, 初心者, 投資 (画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

岩本秀雄(いわもと・ひでお)
株式会社ストックボイス副社長CCO。1951年東京都生まれ。中央大学法学部卒業。1975年証券記者となり、40年以上にわたり、証券、金融、上場企業に関する取材、報道、証券市場ウォッチャーとして市場の動向を見続ける。日本証券新聞取締役編集局長を経て現職。東京証券取引所アローススタジオからインターネットTVで株式市況を実況放送する『東京マーケットワイド』のメインキャスター。著書に株式投資関連の著書多数。

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