(写真=gpointstudio/Shutterstock.com)

初心者の「投資スタイル」はこう見つけよう

世界一やさしい株入門(3)

この記事は岩本秀雄氏の著書『世界一やさしい株入門』(SBクリエイティブ)の内容を抜粋したものになります。

【『世界一やさしい株入門』シリーズ】
(1)決算書は会社の「健康診断表」ーー買うべき株を見つけるポイントは?
(2)世界一やさしい株入門 ローソク足を見るポイントは「どう動いたか
(3)初心者の「投資スタイル」はこう見つけよう

※以下、書籍より抜粋

投資は連想ゲーム 「相場テーマ」がわかれば株価が読める

・株は連想ゲーム

株式投資には「連想ゲーム」という側面もあります。

たとえば、「今年は冷夏になる」というニュースが伝わったらどうでしょうか?「ビールや冷房 器具、夏物衣料は売れない」と多くの人が予想し、飲料メーカーや電機メーカー、衣料品店の株価が下がるかもしれません。

「原油価格が高騰している」となれば、燃料を大量に使う運送会社や航空会社の株が下がる一方で、石油を発掘・精製している資源開発会社の株は上がるでしょう。

株式投資で勝つポイントは、こうした「相場テーマ」をうまくキャッチすることです。

・関連株をチェックする

鳥インフルエンザが発生したり、花粉症の季節になれば、薬品やマスクを作っている会社の株が上がりますし、芥川賞・直木賞受賞者が発表されれば書店を経営している会社の株価が元気づきます。

日本人がオリンピックでメダルを取ればスポーツ関連、ノーベル化学賞を取れば化学関連の株が動き出します。

いつも世の中の動きに注意して、「もしこうなったら、こうなるだろう」とイメージトレーニングを積んでおくと儲けやすくなります。

証券会社のレポートなどで「○○関連銘柄一覧」といった情報が流れてくることがありますから、そういったリストを手元に置いておくのもいいでしょう。

リスクを減らして投資する 売買はバランスよく「分散投資」が基本

・投資先を1カ所にしない

「タマゴを1つのカゴに入れるな」。

これは欧州に古くから伝わる投資の格言です。

カゴが1つしかないと、一度カゴを落としただけで、すべてのタマゴが割れてしまいます。

株式投資も同じです。1つの銘柄に全財産をつぎ込んでしまうと、株価が大きく下がった場合、取り返しのつかないことになります。

大切なのは投資先を分散すること。複数の銘柄に分散しておけば、1つの株で失敗しても、ほかの株は無事ですから、全体の損失は少なくて済みます。

・逆の値動きをする銘柄を組み合わせる

株を複数買うときは、反対の値動きをする、異なる業種の株式を組み合わせるのがいいでしょう。

同じ業界の株は同じ方向に一緒に動くことが多いので、同業種の株を複数持っていてもリスクは避けられません。

「製造業と非製造業」、「輸出産業と輸入産業」 といったように、保有する株を別の業種に分散しておけば、たとえば為替が円高になった場合、輸出産業の株が下がっても、輸入産業は上がる、というふうにバランスをとることができます。

短期投資と長期投資 自分のスタイルに合った投資をしよう

・あなたは「短期投資派」? 「長期投資派」?

投資の際には「時間軸」を意識しましょう。

持っている株を短期間で売ってお金にしたいのか、成長をじっくり待ちたいのか。「短期投資」と「長期投資」、それぞれのメリット、デメリットを考え、自分に合った投資スタイルを見つけましょう。

株式市場でいう「短期投資」とは、一般的に1日〜数日、数週間で株を売買することを指します。短期間なので、会社の業績や市場環境の変化にはあまり気をとられず、株の値動きだけを追えばいい”単純な”手法です。

ただ、頻繁に株価をチェックしなくてはならないため、日中に会社勤めをしている人には向いていません。

・本来は長期投資がおすすめ

一方、「長期投資」とは、数年単位で株式を持ち続けること。じっくりと大幅な値上がり益を楽しむだけでなく、保有期間中の配当金や株主優待を重視する人が選ぶやり方です。

長期投資で利益を上げるには、決算書を見て会社の業績を分析したり、業界全体の動向を読んだりと、こまめな”勉強”が欠かせません。

ただ企業というのは本来、長生きするもの。株式投資ではこうしたジックリ型が大きな成果につながります。

欲しい株を長~く増やす 「ドル・コスト平均法」でリスクを下げる

・株は一度に買わない

もし、ある株を500株買うと決め、一気に500株全部買ったあと、株価が下がったら……。「もっと安く買えたのに」と後悔することになりますね。

当たり前の話ですが、株価は常に動いています。

「一度に売買する」という発想だと、どうしても、値段が高いところで買ったり、安いところで売ったり、というミスが起きやすくなります。

では、株価が高いときには株数は少なめ、安いときには多め、というふうに、何回かに分けて毎回同じ金額ずつ買ったらどうでしょうか。

その間の株価の変動を平均的に「ならす」ことになりますから、これだと一番高いところで買ってしまう、というミスを避けられます。

・株価横ばい・下落相場で有効

こうした投資の仕方を「ドル・コスト平均法」と呼び、株を買うタイミングがつかみにくいとき、この方法は有効です。ただ、株価上昇が続いているときは、時間が経つほど高値で買わなければなりませんから、この方法は不利になります。

一方、株価が横ばい圏で往来相場を繰り返しているようなときには、「安い値段で株数を多く買う」ことができるため、投資手法として有効です。下落相場でも効果を発揮します。

あなたは積極派? 慎重派? 売買手法には「順張り」「逆張り」がある

・「順張り」「逆張り」とは

株価の上昇、下落の流れにそのまま乗って投資することを「順張り」、流れに逆らって儲けようとすることを「逆張り」と呼びます。

順張りとは、「いまの株価の方向は正しい」と考えて株価と同じ方向で売買すること。株価が上昇傾向にあるときは「まだ上昇が続く」とみて買い、下落傾向なら「まだ下がる」とみて売りに出ます。

一方、逆張りは「いまの株価は行き過ぎ」と考えて反動を予想し、株価と逆の方向に動くとみて売買することです。上昇局面では「もう上がらない」とみて売り、下落局面では「もう下がらない」とみて買いに出ます。

順張り派は株価が動いている方向に乗るため、心理的には楽ですが、その分、市場の雰囲気に流されてしまいがち。逆に、逆張り派はクールですが、ストレスが多くなりがちです。

・流れを予測して選択する

どちらの場合も、チャートや株式の需給関係を丁寧に分析し、いまの株価の上昇、下落が「今後も続きそう」なのか、「ここで止まりそう」なのかをつかむことが大事なポイントです。

一般的に、楽観的な投資家は順張りを好み、慎重な投資家は逆張りを好むとされます。

機関投資家やヘッジファンドなどの”プロ”は順張り、個人投資家は逆張りが多いようです。

撤退も作戦のうち 「損切り」でダメージを最小限にする

・損失拡大回避には早目の損切りを!

株式投資では損失が発生することもあります。そのときは慌てず騒がず、いかにしてダメージを最小限に抑えるか、を考えましょう。

値上がりを期待して買った株でも、ときと場合によっては、買値より安く売らなくてはなりません。これを「損切り」といいます。

損失を膨らませないためには、勇気を持って早めに損切りするのが基本。とは言うものの、なかなか簡単にいかないのが人情です。

もともと「絶対上がる」と思って買った株ですから、現時点では下げていても、「いつか上がる」と淡い期待(?)を抱いてしまいがち。自分から決断するのはなかなか難しいものです。

・「損切り価格」をあらかじめ決める

ただ、手をこまねいていると、ズルズルと時間だけが過ぎ、売るに売れない値段まで下がってしまうというのもよくあるパターンです。

そうならないように、株を買う際には、ここまで下落したら売る、という「損切り価格」をあらかじめ決めておきましょう。

その際には、損切りライン(下落率)は 利食いライン(上昇率)より 低い数値にしておくこと。不幸にもその水準まで下落したら、早めに処分して気持ちを切り替え、次の戦いに備えるのが賢明です。

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岩本秀雄(いわもと・ひでお)
株式会社ストックボイス副社長CCO。1951年東京都生まれ。中央大学法学部卒業。1975年証券記者となり、40年以上にわたり、証券、金融、上場企業に関する取材、報道、証券市場ウォッチャーとして市場の動向を見続ける。日本証券新聞取締役編集局長を経て現職。東京証券取引所アローススタジオからインターネットTVで株式市況を実況放送する『東京マーケットワイド』のメインキャスター。

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