(写真=ImYanis/Shutterstock.com)

素人でもお金が増える 投資信託選びのポイントは?

お金の増やし方の教科書(3)

この記事は書籍『銀行も証券会社もFPも教えてくれない新しい!お金の増やし方の教科書』(篠田尚子氏著/ SBクリエイティブ)の内容を抜粋したものになります。

「本当にお金が増える投資信託」はどうやって選べばよいか?

「複数の資産を組み合わせて、運用リターン年率5%」を目指す際には、国内株式、海外株式などの資産タイプをどう分散させるかということに加えて、インデックス型とアクティブ型の使い分けも重要になります。

じつは、インデックス型とアクティブ型には、それぞれ資産タイプ別に特徴があります。

つまり、アクティブ型が「勝ちやすい」資産タイプと、「勝ちにくい」資産タイプがあるのです。

国内株式や国内リートなど、投資ユニバース(組入れ銘柄の候補群)が狭い資産タイプほど、優良なアクティブファンドが多く存在します。

意外に思われるかもしれませんが、国内株式のアクティブファンドには、頭1つ2つ飛び抜けた「超優良」ファンドが何本もあります。

一方、投資ユニバースが広く、さらに為替リスクも伴う海外資産(株式、債券、リート)は、総じて優良なアクティブファンドが少ないカテゴリーです。

特に、先進国債券とリートについては、運用効率の悪い毎月分配型が多く含まれるため、無理にアクティブ型を取り入れる必要はありません。

こうした特徴を把握しておくだけでも、投資信託を選びやすくなります。

インデックス型の商品の分析・評価は簡単です。

同じカテゴリーのファンドと比べて、信託報酬が相対的に低いかどうか、そして、基準価額が対象の指数と離れないで運用できているかどうかを確認すればよいのです。

なお、つみたてNISAの制度開始に合わせて、各運用会社は競うように既存のインデックスファンドの信託報酬を引き下げたり、新たに低コストのインデックスファンドシリーズを投入したりしてきました。

インデックスファンドの積立を続けてきた方の中には、新しく出た商品に乗り換えるべきか迷っている方もいると思います。

過去4~5年以内に設定されたインデックスシリーズについては、すでに価格競争が働いており、ほぼ「限界」といえる水準まで信託報酬が低下しています。

そのため、小数点第2位以下のわずかな差であれば、わざわざ積立を停止してまで「最安」のファンドに乗り換える必要はないでしょう。

アクティブ型の商品の良し悪しを見極める作業は、インデックス型ほどは簡単ではありません。

なぜなら、アクティブ型の場合、「安かろう悪かろう」では意味がなく、運用成績に含まれる「偶然」や「まぐれ」の要素も見極める必要があるからです。

拙著『本当にお金が増える投資信託は、この10本です。』の中で私は、「『本当にお金が増える投資信託』の6つの条件」として、以下の点をご紹介しました。

(1)購入時手数料がかからない
(2)決算回数が年2回以下
(3)3年以上の運用実績
(4)2社以上の金融機関で購入が可能
(5)同じカテゴリーに属する商品との比較
(6)運用手法および運用体制の評価

このつの条件のうち、(1)、(2)、(4)は、誰が見ても同じ「事実」のため、データベースを使って、ある程度機械的に絞り込むことができます。

(3)、(5)、(6)については、データ上の定量分析に加えて、運用会社に直接ヒアリングを実施するなどして、データからは見えてこない定性的な分析も並行して行うことがあります。

このとき、私が特に気を付けて見ているのは、「運用実績の推移」と、「相場の急変時の動き」です。

運用実績の上下の幅が大きすぎず、同じカテゴリー(商品の投資先の分野)に属する他のファンドと比較して成績が相対的に安定して推移しているかどうか。

そして、「相場の下落時に下げ過ぎていなかったかどうか」「上昇する局面ではついていくことができたかどうか」といった点は、長期にわたって付き合える投資信託を見極める際に極めて重要なポイントです。

なお、ファンドを評価する際には、カテゴリー自体の判断も重要です。

たとえば、国内の「中小型株」に投資する商品といっても、同じカテゴリーに入れていいのかどうか、迷ってしまうケースがあります。

そもそも、「中小型株」という言葉に正式な定義はありません。

しかも、商品によって「中小型株」の定義が異なっていることもあります。

ひとことで、「同じカテゴリーに属する商品との比較」といっても、そこには大きなハードルが存在するのです。

単純な騰落率やシャープレシオなどの数値の分析および比較は、経験を積めば、誰でもそれなりにわかるようになります。

しかし、複数の商品を「同じ土俵で比べる」ことは、じつは投資信託の商品全般にかなり深く精通していないと困難な作業です。

「ファンドアナリスト」を名乗る以上、私は、投資信託の専門家として「よい」と言えるファンドについては、恐れずに公表することが自分の役目と考えています。そこに運用会社の知名度や、世間の販売トレンドは関係がありません。

さらに、インデックス運用とアクティブ運用という、運用手法の違いによって、最初からどちらが良い悪いと判断することもありません。

現に、米国が発祥の投信評価の世界では、日本株、先進国債券、新興国株式など、投資先の資産タイプ別に設けられたカテゴリー内で相対評価を行い、ファンドスコア(レーティング)を付与しています。

評価期間やカテゴリーによっては、インデックス型がスコア上位に名を連ねることもあれば、アクティブ型が上位を占めることもあります。

このように、ベンチマークやカテゴリー平均を上回るアクティブ型については、前述の基準に基づいてより詳細な分析を行い、「本当に優良なファンド」であると判断しています。

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篠田尚子(しのだ・しょうこ)
楽天証券経済研究所ファンドアナリスト。AFP。慶應義塾大学法学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内の銀行において投資信託や個人年金保険、仕組預金など、個人向け資産運用のアドバイス業務に携わった後、2006年ロイター・ジャパン(現トムソン・ロイター・マーケッツ)入社。2013年楽天証券経済研究所に入所。現在、資産運用業界内では、ファンドアナリストとして、その情報量の多さと高い分析力から日本国内で右に出る者がいないという評価を得ている。

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