(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

男性とは異なる女性の資産形成 2つのポイントは?

お金の増やし方の教科書(2)

この記事は書籍『銀行も証券会社もFPも教えてくれない新しい!お金の増やし方の教科書』(篠田尚子氏著/ SBクリエイティブ)の内容を抜粋したものになります。

資産運用における男性と女性の違い

女性が資産形成するにあたって、男性と決定的に異なるのは、平均寿命の長さと、ライフプラン変更時の対応という大要素を考慮に入れないといけない点です。

厚生労働省の調査によれば、女性の平均寿命は、男性よりも約7歳長い87.14歳(2016年時点)です。

今後もこの長寿化の傾向は続くとみられ、昨今話題の「人生100年時代」の到来はもうすぐそこまできています。

寿命が長く、人生の選択肢が多いからこそ、特にお金については「自分のことは自分で」を大原則として心がけていただきたいと思います。

また、晩婚化が進む中、将来に対する不安が増大すると、まずは資産を確保しておこうと、安易に多額のローンを組んで、ワンルームマンションを購入してしまう女性が目立ちます。

不動産信仰が強い親世代の影響もあるでしょうが、負債を負ってまで不動産を手にするよりも、まずは金融資産をきちんとつくることが先です。

十分な金融資産をつくっておけば、不動産はいつでも買うことができます。

ここでは、すぐに実践できる、女性のライフプランと資産形成の2つのポイントをご紹介します。

・ポイント1 iDeCoで自分名義の年金を準備しておく

iDeCo(確定拠出型年金)は、働き方や被保険者の区分に関係なく、自分の名義で年金資産をつくることができる制度です。

さらに、結婚や出産を機に一時的に働き方を変えるようなことがあっても、年金の「持ち運び」ができるので、年金資産を増やし続けることが可能です。

専業主婦(第3号被保険者)が加入できる点もまた大きなポイントで、女性に特にオススメしたい制度です。

・ポイント2 ニーズに合わせて医療保険の加入も検討する

乳がんや子宮頸がんといった、女性特有の病気の罹患率は、現実として増加傾向にあります。

婦人科検診を含め、近年は自治体や健康保険組合の補助も充実してきましたが、公的制度の対象とならない部分については、医療保険でカバーする必要があります。

その代表例が、希望して個室に入院した場合などに発生する差額ベッド代(正確には「特別療養環境室料」といいます)です。

差額ベッド代は、健康保険の対象外で、全額が自己負担となります。

女性の場合は特に、療養時のプライバシーを確保したいという声が多いため、ニーズに合わせて医療保険でカバーすることも検討したほうがよいでしょう。

ただし、医療保険に加入する目的は、あくまでも医療費の保障だということを忘れないでください。

生存給付金が受け取れる、貯蓄性を重視した保険は、保険料が割高に設定されているため、ここでもやはりオススメはできません。

「ふるさと納税」は賢く使う

「守る」「増やす」のどちらの器にも入らない、「ふるさと納税」について解説します。

ふるさと納税とは、都道府県・市区町村への「寄附」のことです。

本来ならば、現在住んでいる自治体に支払う住民税を寄附金制度の特例という形で、自分が選んだ自治体に実質的に支払うことができるというものです。

元々は、「生まれ育ったふるさとに貢献する」ことを目的として創設されましたが、実際には、生まれ故郷でなくても、好きな自治体を選んで寄附ができます。

人気が急騰した背景には、寄附のお礼として、各自治体が寄附金額に応じて提供する「返礼品」の種類が増えたことと、節税効果という2つのポイントがあります。

返礼品は、その自治体の特産物を中心に複数種類用意されています。

肉、コメ、果物類、魚介類、お酒、スイーツなど、自治体によっては幅広くお礼の品を用意していて、寄附者は、カタログギフトのように選べるようになっています。

さらに寄附者にとっては、寄附額から2000円を引いた額が所得税・住民税から控除されるという税制上のメリットがあります。 そのため、「実質負担2000円で特産品がもらえる」と、人気を集めているのです。

もともと確定申告の必要のない給与所得者の方で、1年間の寄附先が5自治体以内であれば、確定申告不要でふるさと納税による寄附金控除を受けられます(ワンストップ特例制度)。

確定申告が必要な個人事業主の方や、寄附先が6自治体以上の方は、確定申告をすることで、やはり控除を受けられます。

控除対象となる年間の寄附金上限額の目安は、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」の簡易表で確認できるほか、「ふるさとチョイス」や、「さとふる」など、民間企業が運営する仲介サイトのシミュレーションツールを使って算出できます。

手元に源泉徴収票を用意して、シミュレーションツールに必要事項を入力していけば、より正確な上限額を知ることもできます。

「ふるさと納税」を行う方の給与水準と家族構成によっては、控除対象となる年間寄附金上限額が10万円を超えるケースもでてきます。

しかし、「ふるさと納税」の本来の目的が、「自治体に対する寄附」であるということは、決して忘れないでください。

本章冒頭でご紹介した「守る」と「増やす」のどちらの器にも「ふるさと納税」が入っていなかったのは、単純に、どちらにも当てはまらないからです。

返礼品がもらえて、翌年に控除も受けられるというお得感はありますが、寄附金相当額の現金は、いったん手元から出ていきます。

「資産形成のピラミッド」で「ふるさと納税」を最上段に置いたのも、資産形成の土台を作ることを最優先にしていただきたいからです。

「ふるさと納税」自体は、個人の資産形成を後押しするためにつくられた制度ではありません。

必ず、家計内の余裕資金で行うようにしてください。

ちなみに、私が返礼品として選ぶ食品は、家庭で消費できる分だけのお米が中心です。

その他、肉や魚介などの生鮮食品を選ぶ際は、ある程度日持ちがする冷凍配送のものをいただくようにしています。

また、「ふるさとチョイス」や、「さとふる」などの仲介サイトを使うと、返礼品の種目別に自治体を検索できたり、クレジットカード・コンビニ決済ができる自治体を選ぶことができたりと、とても便利です。

返礼品を受け取らずに、豪雨、台風、地震などの被災自治体に対する支援を行うこともできますので、余裕資金の有効な使い道として検討してみてください。

【『新しい! お金の増やし方の教科書 銀行も証券会社もFPも教えてくれない』はこちらから】

新しい! お金の増やし方の教科書 銀行も証券会社もFPも教えてくれない Webサイトより※クリックするとAmazonに飛びます

篠田尚子(しのだ・しょうこ)
楽天証券経済研究所ファンドアナリスト。AFP。慶應義塾大学法学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内の銀行において投資信託や個人年金保険、仕組預金など、個人向け資産運用のアドバイス業務に携わった後、2006年ロイター・ジャパン(現トムソン・ロイター・マーケッツ)入社。2013年楽天証券経済研究所に入所。現在、資産運用業界内では、ファンドアナリストとして、その情報量の多さと高い分析力から日本国内で右に出る者がいないという評価を得ている。

▲TOPページへ

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集