(写真=WAYHOME studio/Shutterstock.com)

お金が絶対に増えない人の5つの共通点とは?

お金の増やし方の教科書(1)

この記事は書籍『銀行も証券会社もFPも教えてくれない新しい!お金の増やし方の教科書』(篠田尚子氏著/ SBクリエイティブ)の内容を抜粋したものになります。

「お金が絶対に増えない人」5つの共通点

投資信託に限らず、アナリストという職業は、本来は「黒子」です。

足で情報を稼ぎ、膨大な量のデータを入念に分析し、レポートの形態で発信するのが主たる業務です。金融機関や機関投資家など、いわゆるプロ向けの情報であれば、これで大きな問題はありません。

しかし、広く大勢に向けた情報発信となると、受け手の関心度合や理解力に差があるため、一方的な情報発信だけでは真のニーズを把握できないのです。

そこで私は、レポートやウェブコンテンツの執筆だけでなく、個人投資家の方々の反応を肌で感じられる活動に力を入れてきました。

実際にセミナーや講演会などで大勢の方と直接対話しているうちに、「お金が増えない人」には、次の5つの共通点があることがわかりました。

・共通点1 公的な保障の全容を把握していない
・共通点2 節約に躍起になって息切れしてしまう
・共通点3 「給与天引き」を躊躇する
・共通点4 資産運用の”入口”で怠けてしまう
・共通点5 組み合わせを考えずに特徴のある銘柄に飛びついてしまう

1つずつ、順番に見ていきましょう。

・共通点1 公的な保障の全容を把握していない

「どうせ年金なんてあてにならない」と嘆く前に、まず振り返っていただきたいことがあります。そもそも皆さんは、ご自分が受け取れる公的年金の金額がおおよそいくらか、ご存知でしょうか?

また、ご自分に万が一のことがあったとき、国から受けられる保障についてどの程度知っていますか?

残念ながら、これらの質問にすぐに答えられる方はあまり多くないと思います。

「公的保障」、つまり、国が運営する社会保障制度は、皆さんが納める保険料と税金によって賄われています。

したがって、皆さんには公的保障の内容について知る権利があり、もっと言えば、きちんと把握していないと、いざというときに利用できない可能性もあるのです。

まずは、毎年1回、誕生月に郵送される「ねんきん定期便」の記載内容を把握することから始めましょう。

「ねんきん定期便」とは、先ほども少し触れた「宙に浮いた年金記録」の問題発覚を受け、社会保険庁が2009年より発行・発送を行っている通知書のことです。

主な記載内容は、これまでの年金加入期間と、加入実績に基づいた老齢年金の見込額です。

この両者が重要なのは、単に将来年金がいくらもらえるかということだけでなく、障害年金や遺族年金の支払い要件・金額にも関係するからです。

民間の死亡保険や就業不能保険に加入する際は、公的な保障もあることを考慮しながら保険金額を設定するのが鉄則です。

公的保障の役割は老齢年金だけではありません。民間保険の「入り過ぎ」を防ぐためにも、公的保障について理解を深めることが重要です。

・共通点2 節約に躍起になって息切れしてしまう

資産運用の前段階で、節約を行い、無駄な支出を減らすことはとても重要です。

だからといって、お金を使えないことでストレスを溜めてしまえば、結果的にもっと無駄な高額消費を誘発する恐れがあります。

「ラテマネー」という単語をご存知でしょうか。

ラテマネーとは、スターバックスやタリーズなどのシアトル系カフェで持ち帰りのカフェラテを買うように、何気なく使ってしまう少額のお金のことです。

経済評論家のデイビッド・バックが提唱した概念で、日々の小さな出費が積もり積もって大きな金額になることを意味しています。

このラテマネーを悪者扱いする専門家も多いのですが、後述する「自動引落し」・「天引き」後に残った、自由に使えるおこづかいの範囲内であれば大きな問題はないというのが私の考えです。

特に女性の場合、少額の消費は、それ自体が一種のストレス解消となっていることも多いからです。重要なのは、節約に成功したという事実ではなく、節約できたお金をその後どのように活用するかです。

・共通点3 「給与天引き」を躊躇する

これは、特に今後資産形成を始めたいという若い方に多くみられる傾向です。

何があるかわからないからと、自由に使えるお金をできるだけ手元に残しておこうとする方は、預金から次のステップになかなか進めず、いつまでたっても前述の「資産形成のピラミッド」をつくることができません。

資産形成の大鉄則は、毎月銀行口座に振り込まれるお給料などのキャッシュフローから、自動的に一定額を引き落とす「自動引落し」や「天引き」で半ば強制的にお金を積み立てていくことです。

とりあえずの目安は、手取り給与の2割と考えてください。

手取り給与が30万円の場合、毎月6万円を投資信託で積み立てると、「10年で1000万円」の実現がぐっと近づきます。

社会人歴が浅い20代の方の場合は、手取り給与の割をひとまず貯金する形でも問題ありません。

1年間頑張って50万円程度貯めてから、その資金を初期投資額として投信積立を始めるとよいでしょう。

・共通点4 資産運用の“入口”で怠けてしまう

「近所の○○さんも買っていたから」、「人気ランキングで上位だったから」などの理由で金融商品(特に投資信託)を購入してしまう人は、その後上がっても下がっても、周りの行動が気になって主体的に行動できなくなります。

金融商品は、家電製品のように、性能の高さが一律に売り上げや利用者の支持につながるとは限りません。

なぜなら、人生の選択や、現在置かれている状況は人それぞれ異なるからです。単純なリターンの大きさだけでなく、そのリターンを得るために負うリスクの大小も考慮に入れる必要があるのです。

資産運用、資産形成において、「平均」や「人気」などの指標は意味がないということを肝に銘じておきましょう。

また、金融機関で勧められるがまま金融商品を購入してしまう人にも、同様の傾向が見られます。

金融機関やファイナンシャル・プランナーが提案する「おすすめ商品」はたいていの場合、「売れ筋」、「低コスト」、「(直近の)好成績」といった、誰にでもウケそうな切り口で選ばれています。

資産運用で肝心なのは、入口の商品選びと組み合わせ方です。老後資金をつくるために「しっかり増やしたい」のか、それとも、退職金などのまとまったお金を「減らしたくない」のか。資産運用の入口で資金の性格を明確にし、それに合った商品を組み合わせることができれば、大きな失敗は防げます。

・共通点5 組み合わせを考えずに特徴のある銘柄に飛びついてしまう

銘柄についてきちんと理解をしないまま購入してしまうという(共通点4)で述べたタイプと似ていますが、こちらはおもにマーケットを読むことが好きな、株式投資の経験がある人に多くみられる投資信託の失敗です。

「次は○○がきそう」と、特定のテーマ・業種、地域に偏った投資信託の商品ばかり集めてしまった結果、極めてコスト効率が悪く、リスクの高いポートフォリオができ上がってしまうことがあります。

特徴のある、尖った銘柄というのは、いってしまえば、派手な色柄の洋服と同じです。

それ自体が悪いのではなく、目的と組み合わせ方を間違えると、資産運用自体の失敗につながります。

手持ちの服(=金融資産)や、自身の体形(=リスク許容度)に合っているか、冷静な判断が必要です。

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篠田尚子(しのだ・しょうこ)
楽天証券経済研究所ファンドアナリスト。AFP。慶應義塾大学法学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内の銀行において投資信託や個人年金保険、仕組預金など、個人向け資産運用のアドバイス業務に携わった後、2006年ロイター・ジャパン(現トムソン・ロイター・マーケッツ)入社。2013年楽天証券経済研究所に入所。現在、資産運用業界内では、ファンドアナリストとして、その情報量の多さと高い分析力から日本国内で右に出る者がいないという評価を得ている。

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