(写真=GaudiLab/Shutterstock.com)

メルカリに当選したあなたへ!IPO株は短期と長期、どちらで売るのがいい?

初値売却で利益を得るか、長期戦で利益を得るのか

2018年6月19日にフリマアプリのメルカリ <4382> が上場することになりました。その知名度から多くの人が投資をしたいと思ったのではないでしょうか。もしも当たった場合、いったいどのタイミングで売却したらよいのかが悩みどころ。そこで今回はIPOの抽選に当選した場合、いつ売却したらよいのかをお聞きしました。

☆今回お伺いした人……阿部祐子さん
出版社勤務(雑誌編集者)を経てフリーに。2009年CFP資格取得。DAILY ANDSをはじめとするメディアで、社会・金融・ビジネス系の記事や、やさしい言葉を使ったファイナンス系の読み物などを手掛けています。

当選したIPO株、いつから売却できる?

IPO株の抽選に当選しても、上場するまでは売却手続きをすることができません。いつから売却できるのか、気になる人はいませんか。

ーー上場初日にIPO株を売却するにはどうしたらよいのでしょうか。

インターネット証券の場合は、公開日(上場初日)前日に「成行(なりゆき)」注文を受け付けている会社もあります。野村證券や大和証券のような対面証券であれば、公開日前日に売却注文の依頼をした場合、受け付けてくれるかどうかを事前に聞いておくといいですね。

IPO株を短期で売りたい!その水準は?

IPO株を売却したいと思っても、どの水準で売却したらよいのかわからない人もいるのではないでしょうか。

ーー上場して株価が上昇したら売却しようと思っている場合、公募価格(IPOで抽選で購入できる価格)からどの程度を目安にしたらよいのでしょうか。

株価が上がった!下がった!とドキドキして仕事に手がつかないという状況になるのであれば、IPOを運試しと捉えるのもアリです。その場合、前日に潔く「成行」で売り注文して、初値で売却すれば、それ以降はドキドキしないで済みます。公募価格割れしてしまったら、それは運が悪かったということで(笑)

IPO株は長期投資にも向いている?

ーー企業の成長性を応援したいと思うなら、これだと思った企業に長期投資をするのもよいということでしょうか?

IPO株を短期ですぐに売却する人もいますが、IPOに投資をする人の中にはずっとその企業を応援したいと考えている人もいるはずです。短期で儲かるともてはやされることが多いIPOですが、長期投資にも良さがあります。

少なくとも「目論見書」を読み、この企業は伸びると期待を持ってIPOに参加したのなら、「公募価格から何%上がったら」などと言わず、しばらく持ち続けてはいかがでしょう。せっかく上場を果たした企業ですから、権利確定日まで保有して権利を取り、株主総会に出て経営者の顔を見てこようくらいの余裕を持って投資してもいいのではないでしょうか。

例えば、今もっとも注目を集めているメルカリ <4382> なら、株主として上場後初の株主総会に出席することは投資家として素晴らしい経験であり、よい記念にもなると思います。

将来性の高い銘柄は長期投資の検討も

メルカリ, 初値, IPO, 株式総会 (写真=PIXTA)

ーーIPOを短期と長期のどちらで売却しようか迷ったときには、目論見書を読むとよいそうですが、どうお考えですか?

目論見書を読み、情報収集した結果、その企業の持つ特殊な技術や素晴らしいビジネスアイデアに魅力を感じてIPOに応募したのであれば、長期的な視点で株の保有を検討するとよいでしょう。

特に、メルカリのようにIPOの時点ですでに知名度が高く、ビジネスも順調で将来性が十分に感じられる企業であれば、上場後も業績とともに株価上昇も期待できます。

投資は売り時が難しいって本当?

ーー投資は買うタイミングだけでなく、売るタイミングも難しいとよく聞きます。売買のタイミングはどう見極めればいいのでしょうか?

買い時よりも売り時が難しいのは、1円だろうと人よりも絶対に損したくないという気持ちから、力みが入ってしまうからだと私は捉えています。株価は短期であるほど、よく分からない理由で上がったり下がったりするものです。

株価が上がっている途中で売却してしまい、しまった!と思っても、株価が永遠に上がり続けることはありません。落ち着いたところでまた買えばいいのです。5月16日現在で、東証一部には2085銘柄、東証の全銘柄では3617銘柄が上場しているのですから、特に1つの企業に執着しなくてもよいのではないでしょうか。

株価がまだ上昇しているのに売ってしまうことを、失敗と捉える風潮があるようです。けれども、株式市場は続きますし、投資に定年はありません。いくらで売っても勝ち負けはないのです。

売りが難しい。確かにその通りですが、短期的にランダムに動くものを予測するのは誰にとっても無理な話でしょう。得る(はずだったかもしれない)利益を悔やむ時間は無益です。次の投資戦略を考えるほうが有意義ではないでしょうか。

買うのは企業、株ではないという意識でIPOを始めよう!

今回は阿部祐子さんにIPOの売却時期についてお聞きしました。阿部さんのお話から、目先の利益を考えて短期売却を狙うのも一つの方法ですが、長期にわたって株式を保有することで、投資家としての経験値を積めるだけでなく、今後の投資にも生かすことができるのではないかと感じました。

世界的投資家のウォーレン・バフェットは「買うのは企業、株ではない」と言っています。

ウォーレン・バフェットは、良いと思った企業の株を割安な価格で購入して長期間保有するという長期投資を基本としています。そして、一度購入したら、その企業の状況が続く限り、その株を保有し続けます。ウォーレン・バフェットはこの投資方法で大成功しました。

せっかくIPO抽選に当選して、新規公開株を手に入れられたのなら、株主になるとはどういうことかを長い目で見て考えてみましょう。そして、いつ売却するのが自分にとってもっともよいか判断できるといいですね。

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