(写真=Daniel Krason/Shutterstock.com)

100%儲かるわけじゃない?IPO株は上場後に下がることもある!

IPOだからといって必ずしも上がるとは限らない

株式投資をするとき、上場してまだ間もない銘柄を買おうと思っている人もいることでしょう。「上場が注目された会社だから」というだけで安易に株を買うと、あとで大損するおそれもあります。

大きな期待と注目を浴びてIPOした企業の中には、初値をつけたあと大きく株価を下げてしまう、いわゆる「上場ゴール」になるケースも。そこで、今回は元証券マンでテクニカルアナリストのシンカワアツシさんに上場間もない企業に投資するときの注意点を伺いました。   

上場間もない企業の株式は値動きが激しくなる

IPO, メルカリ (写真=gopixa/Shutterstock.com)

上場間もない銘柄であろうと、他の銘柄と同様に市場で取引をすることができます。しかし、上場間もない企業の株には「ある特徴」があるのだとか。

シンカワさんによると、上場したばかりの銘柄は市場の中でも注目されやすく、すでに上場している同規模の銘柄と比較しても、1日の取引金額の総額が大きくなる傾向があるとのこと。

つまり、IPO銘柄は値動きが激しくなりやすい特徴を持っているということですね。そう考えると、ハイリスク・ハイリターンともいえそうです。

加えて、シンカワさんは次のように語ります(以下、カッコ内はすべてシンカワさん談)。

「取引が活発になり過熱すると、実際の業績とはかけ離れた株価をつけることが多くなります。こうした水準まで動いた銘柄は、反動も大きく、ひとたび逆方向に株価が動き始めると今度は逆方向に行き過ぎることがあります。こうした上昇局面でも下降局面でも価格が行き過ぎることを『オーバーシュートする』といいます。

初値をつけたあとに株価が大幅に値下がりするのは、そもそもの初値が上昇方向にオーバーシュートし、その後似た業種の株価に近づこうとした結果といえます」

IPO後に株価が低迷してしまうのはなぜ?

株式公開した後に株価が低迷してしまう理由はどのような点にあるのでしょうか。2018年に上場が話題になった企業のひとつ、QBネットHD <6571>を例にシンカワさんに見解をお聞きしました。

「QBネットHDは、10分1000円カットで有名なQBハウスの店舗拡大を急速に行った企業です。しかし、上場時にはすでに同業他社も増えていて、店舗自体が全国各地に行き届いていました。こうした背景から今後の成長性に疑問が残り、株価は低迷したといえるでしょう。

また、昨今のデフレ脱却の動きも重なり、QBネットの『安く早い』といった特徴が投資家には少し外れて映ったのかもしれません。そういう意味では、上場時期が少し遅かったという見方も考えられます。新たな事業方針等が出てきたり、景気の状況によってはまた変わってくるかもしれないので、このまま低迷が続くかどうかはわかりません。気になる人は今後の動向に注目しておくとよいでしょう」

話題性や認知度では申し分ない企業でも、投資家からは、今後の成長性や事業の堅実性などもしっかりと見られているということですね!

IPO後に株価が大きく上昇する銘柄も

IPO, メルカリ (写真=MaximP/Shutterstock.com)

逆に、IPO後に株価を上げる企業も多くあります。そういった企業は「IPO時に不人気であること」「発行株式数が多いこと」など共通点があるとシンカワさんはいいます。

「過熱感を出しづらい環境、いわゆる不人気な株式はIPO後も株価が上昇しやすいといえます。また、新規上場にあたって取引される株数が多いと、売り方(その銘柄を売りたい人)も買い方(その銘柄を買いたい人)も多数存在することになります。ちょっとやそっとの買い付け金額では株価に与える影響は少なくなるので、その結果株価は落ちつきます。

上記の傾向は、大型新規公開株やすでに勢いが落ち着いた業界の銘柄によく見られます。こうした銘柄は上場後、下方向にオーバーシュートして売買される傾向が多く、後々にゆっくりと買い戻され、やがて上昇することが多いと感じます」

上場後の年数が浅い銘柄を選ぶときに見るべき2つのコツ

投資家の中には、将来大きく株価が上がることを期待して、若い企業に投資するという人もいるでしょう。シンカワさんは上場間もない企業に投資するときには、次の2点を重点的に見るとよいと語ります。

1. 将来性

「ひとつは将来性です。株価を構成する要素は、業績はもちろんですが、旬のテーマに該当するか革新性があるのか、そして事業は伸びていきそうなのか、といった感覚的な要素です。今でいえば、フィンテックや仮想通貨がそれにあたります」

自分の直感という部分もあるのですね。センスが問われそうです。

2. 財務状況

「もうひとつは財務面です。IPO間もない企業の財務状況は上場前に発行される目論見書(もくろみしょ)で確認できます。目論見書は上場前の企業の数字で見る唯一の方法で、売上高当期純利益自己資本比率といった情報が得られます。

いかに、将来性があり業績が大きく伸びているように見えても、不動産など本業と関係ない資産を売却したことで利益を出している例もあります。特に、上場のタイミングに合わせて数字上業績が良く見えるようにしている傾向は頻繁にあります」

上場後、年数の浅い企業はこれまでの財務状況がわかりづらいので、慎重に調べた方が良さそうですね。

話題性だけにとらわれないように!

IPO, メルカリ (写真=Jacob Lund/Shutterstock.com)

相場が話題になる企業などは魅力的に映り、投資してみようかなと思う人も多いかもしれません。もちろん、将来性のある事業であれば、その会社を応援するつもりで投資するのもよいでしょう。

とはいえ、その会社の実力以上に市場が加熱してしまうと、その後大きく株価を下げるおそれもあるのです。上場間もない企業に投資をするときには、しっかりと調査を行ってから挑戦することをおすすめします。

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