(写真=Nikola Stanisic/Shutterstock.com)

メルカリ上場で初値はどうなる?「IPO」投資をおさらいしよう

気になるメルカリの初値予想は……?

フリマアプリのメルカリ <4385> が2018年6月19日に東証マザーズへ上場することが決まりました。ネット関連で知名度も高く、今年最大のIPO(新規公開株)として注目されています。

IPOブームの今メルカリのIPOはどうなるのか、過去のIPOを見ながら予想してみましょう。

メルカリは日本期待のユニコーン企業

未上場のスタートアップで企業価値が10億ドルを超える企業を「ユニコーン」と呼びます。

メルカリも日本では数少ないユニコーンの1社で、シェアリングエコノミーのスタートアップとして、配車サービスの「Uber(ウーバー)」や民泊の「Airbnb(エアビーアンドビー)」などとともに、世界的にも注目されています。

ちなみに、2018年のグローバルIPOでは、音楽配信の「Spotify」(NYSE/スポティファイ・テクノロジー )やオンラインストレージの「Dropbox」(NASDAQ/ドロップボックス )などがユニコーンでした。

ヒートアップするIPO投資

2018年はIPO人気が前よりも高まっているようです。

4月に新規上場したAI(人工知能)開発のHEROZ <4382> はその象徴ではないでしょうか。公開価格4500円に対して、初値は10.9倍の4万9000円でした。もしHEROZ(ヒーローズ)株を抽選で入手できていれば、初値で売った場合、400万円を超える利益になったのです。

この初値上昇率は、現行IPO制度では過去最高です。

2000年頃のITバブル時や2006年頃のスタートアップブーム時にもIPOブームがありましたが、これほどの上昇率はありませんでした。

2018年は4月27日までにIPOが24銘柄あり、3倍以上になったものはHEROZを含めて8銘柄もありました。3銘柄に1つが3倍以上、平均上昇率は2.9倍です。公開価格を割ったのは東証1部、2部に直接上場した2銘柄だけでした。

IPO人気はセカンダリー投資にも波及

メルカリ, 上場, IPO (写真=GTbov/Shutterstock.com)

IPO銘柄には急成長している企業も多くあり、まだ企業価値が定まっていない企業では初値後に大きく上昇する銘柄があります。

ただIPOは利益が大きくても倍率は数百倍のため、宝くじのようなもの。

そのためセカンダリー(上場したばかりの企業に投資すること)でも買いたいという動きがあるようで、その需要が初値を押し上げているのです。

ちなみに、「QUICK IPOインデックス(過去1年間に上場した企業の単純平均指数)」は今年の4月、2006年5月以来12年ぶりとなる高値をつけました。IPO銘柄は初値が高いだけでなく、IPO後1年以下の銘柄はセカンダリーでも高値で取引されているということです。

最近のIPOの初値には過熱感もあります。また、IPO直後は株価の変動が激しいため初心者にはすすめられませんが、セカンダリー市場で初値後の押し目(株価が下がったところ)を狙う個人投資家も増えているようです。

IPOで人気が高かった銘柄3社

それでは、実際にIPO前に人気が高かった銘柄の動きを見てみる事にしましょう。

1.HEROZ <4382> (2018年4月/マザーズIPO)
将棋AIの開発を通じて蓄積したディープラーニングによるAI技術に強みがあります。2017年、同社の将棋AIが名人に勝利したことは一躍話題となりました。

藤井聡太七段による将棋人気に加え、AIの将来性の高さで人気IPOとなった同社ですが、個人向け将棋ゲームへの課金収入から法人向けのAIサービスに拡大中。

ただし、2009年に創業したばかりで、売り上げは2018年4月期計画で11億円とまだ大きくありません。

4万9000円の初値で上昇率は10.9倍後、10営業日で約6割下落して1万9880円をつけてから、現在(2018年5月25日)は2万3620円まで戻しています。

2.RPAホールディングス <6572> (2018年3月/マザーズIPO)
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のリーディングカンパニー。機械学習・AIなどを活用し、事務業務を効率化するソフトを提供しています。

2000年設立で、業績予想は2019年2月期の計画で56億4700万円と急成長中。初値上昇率は4倍の1万4280円。初値後、さらに1万9900円高値まで4割上昇し、現在(2018年5月25日)も1万5170円と初値を上回っています。

3.PKSHA Technology <3993> (2017年9月マザーズIPO)
PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)は東京大学発のAI開発ベンチャーで、2012年に設立されたばかりです。自社開発した7パターンのアルゴリズムを利用して、ユーザー企業向けにAIをカスタマイズしてクラウド経由で提供しています。

2018年9月期の売上計画はまだ14億円ですが、株主でもあるNTTドコモやトヨタなど大手企業との取引が多く、急成長中企業です。

初値は5480円で上昇率2.2倍超。初値後も人気が継続し、1万6730円の高値まで初値から3倍になりました。現在(2018年5月25日)も1万2180円と初値からは2倍以上の水準です。

メルカリの初値予想は?

高人気となるIPOの条件は、IT系やネット関連、成長するテーマ分野があり、資本が小さく、ベンチャーキャピタル(VC)保有が少ない会社などです。

メルカリは、大型IPOで公開時の資金吸収額が大きく、それなりにVC保有も多い企業です。国内は黒字ですが、海外の赤字が大きいようで、上場前の2017年6月期は赤字でした。IPOブームといっても数倍になることはなさそうです。

参考になるのは2016年のIPOだったLINE <3938> ではないでしょうか。

LINEは日本発のユニコーンとして日米同時IPOで話題になりました。初値上昇率はアメリカで28%、日本では48%でした。ただ、メルカリはLINEほど人気IPO化しないとの見方が有力のようです。

メルカリのIPOに注目

メルカリはIPOで約500億円を調達し、この資金でフリマのプラットフォームを世界に拡げる計画のようです。

公開価格は仮条件で2200円~2700円が提示されており、決定は6月11日。上限の2700円で試算した時価総額は3600億円を超えます。

マザーズの時価総額トップはミクシィ <2121> の約3000億円ですから、メルカリがマザーズ時価総額トップに躍り出る可能性は高そうですね。

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