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民泊オーナーってどうしたらなれるの?新法民泊のポイントを解説

すそ野が広がった新法民泊に注目!

「民泊」という言葉を普段からよく耳にするようになりました。不動産投資物件や空き家の活用として「民泊オーナー」になる方も増えてきています。

民泊というと、なんとなく「日本に観光に来た外国人が泊まるの?」といったイメージを持つ人が多いかもしれませんね。興味はあっても、利用したこともなければ、始め方や運営システムなど知らないことがたくさんありそうです。

そこで今回は、民泊とはどのようなものか、また、民泊オーナーになるにはどのようにすればよいかを紹介していきます。

民泊とは?

民泊, 運営, 新法 (写真=Daxiao Productions/Shutterstock.com)

民泊とは、一般的には空いているマンションや一軒家、自宅の空いている1室などを、不特定多数の人に有償で宿泊させる形態の貸し出しを指しています。

民泊と聞いてパッと思い浮かぶのは、外国人観光客の方が普通の民家などに宿泊する姿では?都内や関西の観光地では、ガラガラとスーツケースを引きながら住宅街などを歩く外国人家族の姿を見かけることも多くなりました。

実際、民泊の利用者として多いのは外国人観光客であり、民泊の数も、首都圏や大阪、京都といった外国人観光客が大勢訪れる地域で特に多くなっています。

民泊が急速に増えてきた背景には、大型観光地での宿泊先不足の問題が関係しています。外国からの観光客は増えているにもかかわらず、宿泊先の確保がその増加に追いついていないのです。このような宿泊先不足を緩和するためにも、民泊は重要な受け皿となっています。

民泊で不動産投資のリスクを軽減

民泊, 運営, 新法 (写真=oatawa/Shutterstock.com)

民泊先として多く利用されているのは、マンションやアパート、戸建てなど、ごく身近にある住宅用の空間です。最近は、不動産投資用の物件を民泊として運営する方も増えているようです。

その理由の一つとして、賃貸住宅の空き家率が高まってきていることも挙げられるでしょう。アパート・マンション経営、投資用の物件を所有している人は、今後の入居率に対して不安を抱えていることも多いようです。

なかなか入居者が見つからず、収入が見込めないとなれば、ローンの支払いや維持管理費で赤字になってしまう可能性もありますよね。このような状況を解決するために、空いている物件を民泊にする人が増えているのです。

空き家を活用する手段としての民泊

民泊, 運営, 新法 (写真=Breadmaker/Shutterstock.com)

空き家になった実家を所有している人にとっても、民泊は新たな活用方法と考えられています。空き家が増え続けていることは、防犯の問題、倒壊などの物理的な危険性の問題、所有者不明の問題などがあり、そこから今後起こり得るさまざまな課題が取り上げられています。

しかし、設備や内装を新しくするなど、リフォーム費用をかけて通常の賃貸として出すのは負担が重い場合もあります。そのため、これまでとは違った空き家の活用方法として、短期滞在の民泊を選択している人が多くなっているのです。

初心者が民泊を始めるには?

民泊, 運営, 新法 (写真=Alexander Raths/Shutterstock.com)

民泊を運営するとして、どのようなイメージをお持ちでしょうか。「手がかからずに簡単に始められるのでは?」と考えている方も多いかもしれません。では、初心者が民泊を始めるには、具体的にどのようにすればよいか詳しく見てみましょう。

・民泊の種類

民泊には種類があります。

・旅館業民泊(簡易宿所)
営業日数などの制限を受けずに、ごく一般の宿泊所と同じように営業できます。その代わりに、住宅地の中など自由な場所での営業は難しく、また、建物に関する厳しい条件もあります。本格的な民泊運営となるため、初心者にはハードルが高いといっていいでしょう。

・特区民泊(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)
国が指定する「国家戦略特区」という特別な地域で、条例に従って営業できるのが「特区民泊」です。ある一定の宿泊日程(2泊3日以上、地域により異なる)なら、あまり規制を受けずに営業できます。地域限定の制度であり、2018年5月現在では東京都大田区、大阪府、大阪市、北九州市、千葉市、新潟市に限られています。

そして、2018年6月からは、民泊サービスをよりいっそう普及させることを目的に「民泊新法(住宅宿泊事業法)」が施行されます。大きな改正点は以下の2つ。

  • 一般的な住宅を民泊用に貸し出すことができるようになる
  • 住宅街のような場所でも営業可能になる

初心者でも運営しやすくなるポイントですね。しかし、民泊新法での営業には日数制限があり、年間180日未満となっています。1年中営業ができるわけではないことを理解しておきましょう。

つまり、民泊にはすでにある2種類に加え、この6月からは新たに民泊新法を適用した「住宅宿泊事業」、いわゆる「新法民泊」も加わるというわけです。初心者が民泊を始めるなら、新法での民泊が一番取り組みやすい要件となりそうです。

・新法民泊で営業するときに必要な手続き

ここからは、新法民泊の手続きや制度について紹介します。2018年6月施行の民泊新法では次のような制度が設けられました。

  • 都道府県知事への届け出が必要
  • 住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置(衛生確保措置、騒音防止のための説明、苦情への対応、宿泊者名簿の作成と備え付け、標識の表示など)が義務付けられる
  • 家主不在型の場合は、上記措置を住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられる
  • 都道府県知事等が、住宅宿泊事業者にかかる監督を実施する

民泊新法ができる前までは、民泊運営の明確な法律が確立されていなかったこともあり、無断で営業するヤミ民泊やゴミの放置などから、近隣トラブルも多く発生していました。今後は民泊新法の制度に則った、トラブルのない健全な民泊運営が期待されています。

ただし、マンションで民泊を営業する際に、まず気をつけなければならないのは、そのマンション独自のルールなどがある場合です。

例えば、マンションには自分の住居となる専用部分がありますが、住宅以外には使用を認めないという規定が設けられていることもあります。その場合、民泊は営業できません。事前にしっかり確認しておきましょう。

初心者は民泊運営のシステムを活用しよう

民泊, 運営, 新法 (写真=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)

では、実際に民泊運営をするとして、営業開始までの流れをみて見ましょう。

民泊の届け出をしたら、宿泊者を募ります。民泊を運営するシステムとしては、Airbnb代行会社など専門の会社に任せる方法があります。民泊の紹介から予約の管理、24時間での外国語対応もしてくれるため、自分で予約を受け付けたり、外国語で対応したりする必要がありません。管理も含めて任せることができるため、初心者でも安心して運営することができるでしょう。

なかには、収益アップのサポートまでしてくれる会社もあります。どのサービスを利用するかは、比較しながらしっかりと検討しましょう。

また、民泊紹介サイトにはたくさんの情報が発信されているので、宿泊者が興味を持つようなアピールも大切です。

民泊運営で気をつけたい問題とは

民泊, 運営, 新法 (写真=photka/Shutterstock.com)

運用代行サービスを使用すれば、意外に手がかからないように思える民泊ですが、民泊新法での営業では住宅街の中に宿泊先が存在することが多くなるため、トラブルが多くなるのも実情です。

例えば、朝方や夜遅くにガラガラとスーツケースの音を立てながら移動する団体は、民泊の近くではよく目にする光景です。大きな声を出して民泊の場所を探している人を見かけることもありますね。このような行動が近隣の住人から歓迎されることは少ないでしょう。

また、ゴミの放置なども問題として取り上げられています。日本のマナーやルールになじみのない外国人が多いため、自分が宿泊先で出したゴミを外にそのまま放置するケースもあるようです。

民泊は、届けを出してきちんと制度を守れば誰でも運営できるものですが、もともとその地域の住民である人々にも理解してもらえるような配慮が必要です。ルールをしっかりと守ることは大前提ですが、トラブルが起きたときは、大きな問題に発展する前に解決する心構えが大切です。

民泊運営に設けられる自治体の厳しい独自規制とは?

民泊, 運営, 新法 (写真=PopTika/Shutterstock.com)

民泊新法の施行で、民泊営業のすそ野が広がることを期待されるはずなのですが、過去のさまざまなトラブルから、自治体が独自に規制をすることが明らかになっています。

本来は、届け出をすれば180日未満なら誰でも営業可能とされているのですが、例えば東京23区では、大田区が生活環境の悪化を防止するなどのため「住居専用地域は全面禁止」、目黒区は「区全域で日曜正午~金曜正午まで営業禁止」など、大幅に規制する条例を設ける区も少なくありません。

また、民泊が観光客の大きな受け皿となっている京都市では、
・住居専用地域では、営業期間を1下旬~3月上旬(上限約60日)に限定する(京町家利用は例外で年間180日まで)
・原則、営業者もしくは対応管理者は、苦情対応などの際に民泊届出住宅まで10分以内に駆け付けられる場所(おおむね半径800メートル以内)に駐在すること
など、非常に厳しい独自規制が設けられているのです。

この駐在の要件を満たすには、自宅近くに物件を所有している人が運営するか、管理サービス担当者が近くに駐在するといった措置が必要になります。

民泊新法により民泊をさらに広げていきたいと考えている政府としては、これら自治体の独自規制に対して「(営業日数ゼロ日など)実施そのものを制限するような制限は不適切」としていますが、強制力はありません。

観光客の多い東京や京都のように独自規制を検討している自治体は多く、民泊の拡大を目指す政府と、地元住民のトラブルを考える自治体の方向性に、多少のズレがあるようにも感じられます。

民泊を検討する際には、地域の規制についてもしっかりチェックしておきましょう。

しっかり運営できれば、あなたも民泊オーナーに

民泊, 運営, 新法 (写真=lzf/Shutterstock.com)

民泊新法の施行、そして2020年の東京オリンピックに向けて、民泊は観光客宿泊の重要な受け皿となることは確か。今後、需要はますます伸びていくことが期待されます。

特に、新法民泊はしっかりとした手順で進めれば、初心者でも運営することができるもの。投資物件の空室や空き家で悩んでいる人にとっては、新たな活用方法として検討しない手はありません。

一方で、民泊はトラブルが多いのも現実です。自分でトラブルに対処できるか、または、運用代行サービスに任せることで解決できるのかといったことも、事前に想定しておくとよいでしょう。

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