(写真=nayladen/Shutterstock.com)

事実婚にする3つのメリット。子どもができたらどうなる?

最近では某ドラマの影響も手伝ってか、女性から事実婚について聞かれることが増えました。まだまだ日本では婚姻届を役所に出す「法律婚」が基本ですが、一体、事実婚にすると、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

今回は、「婚活FP」として活動する筆者が、事実婚のメリット・デメリットや同棲との違い、子どもができたときの扱いなどについて解説します。

事実婚の3つのメリット

事実婚, メリット,デメリット,子ども (写真=TypoArt BS/Shutterstock.com)

名字の変更が不要

事実婚のメリット1つ目は「名前(名字)の変更不要」です。法律婚をすると、一般的に女性が男性の名字を名乗ることになり、それに伴って銀行口座や免許証、パスポートなどのさまざまな書類の名義を変える手続きが必要になります。しかし、事実婚なら面倒な手続きは一切不要です。

特に、この手続きは結婚したときだけでなく、離婚したときや再婚したときにも必要です。離婚しやすい現代ではメリットといえるでしょう。

別れても戸籍がキズつかない

2つ目は「別れても戸籍がキズつかないこと」です。事実婚をするときは、一般的に某ドラマのように夫婦間で「事実婚契約書を交わす」「単純に住民票の異動」などをします。つまり、法律婚のように婚姻届で戸籍を動かすわけではありませんから、仮に別れたとしても一切戸籍はキズがつきません。婚活中という方の中には、やはり一定数、相手のバツの有無を気にする方もいますから、この点もメリットといえるでしょう。

親の同意が不要(未成年の場合)

最後に、これは未成年の方限定のメリットですが「親の同意が不要なこと」です。一般的な法律婚をする場合は、未成年の方はどうしても親の同意が必要になります。しかし、この事実婚ならば、ひとまず住民票を動かすだけですし、親の同意は不要です。ただし、住民票を動かすだけでも、一般的に未成年の場合は、親が代行または同意するよう定められていることも多いので、注意が必要になります。

事実婚の3つのデメリット

事実婚, メリット,デメリット,子ども (写真=HBRH/Shutterstock.com)

「配偶者の地位」を第三者に説明しにくい

事実婚のデメリットの1つ目は「配偶者の地位を第三者に説明しにくいこと」です。社会的信用を得にくいともいえます。日本社会は、法律婚が一般的ですから、事実婚の場合は、第三者に配偶者(家族)だと認めてもらえず、さまざまな不利益が発生するのが実情です。実際に事実婚をしてみて、不利益が多いと感じたときには、婚姻届を提出する方がいいかもしれません。

親権共有ができない

2つ目は「親権共有ができないこと」です。事実婚で子どもができたら、子どもは妻の戸籍に入ります。妻の名字を名乗り、非嫡出子、または婚外子になるのです。そして、父親は認知の手続きが必要です。この点が、事実婚の最大のデメリットといえます。法律婚が一般的な日本では、父と子どもの名字が違うということで、いじめの対象になる可能性もあることも考えておきましょう。

相続権がない

最後のデメリットは「相続権がないこと」です。事実婚の場合は相続権がありませんから、別途「遺言書」を用意しておくことが重要になります。特に、血縁の子がいない(認知届を出していない)場合は、なおさら重要です。不慮の事故が起こらないとも限りませんから、しっかり備えましょう。ただし、遺言書があっても相続税の控除対象としては計算されません。同様に税金計算上、所得税の配偶者控除や医療費控除の合算も対象外になりますから、注意が必要です。

事実婚と同棲は「婚姻の意思」が違う

事実婚, メリット,デメリット,子ども (写真=VGstockstudio/Shutterstock.com)

事実婚と同棲は「婚姻の意思」が違います。事実婚というのは、婚姻届はないものの、「婚姻の意思」と「同居の実体」がある結婚です。

しかし、同棲は、あくまで「同居の実体」があるだけの関係性であり夫婦とはみなされません。あくまで恋人関係であり、週末婚などもこちらの部類にはいります。

ただし、事実婚は行政でも判断根拠が明確になっておらず、時には同居が強めに解釈され、婚姻状態だと判断されることもある曖昧な状態になっています。

法律婚と事実婚の共通点とは?

事実婚, メリット,デメリット,子ども (写真=phloxii/Shutterstock.com)

事実婚でも、法律婚と同様に認められている権利・義務などは、以下の通りです。

  • 貞操の義務(浮気などは不貞行為となる)
  • 婚姻費用(生活費等)の分担義務
  • 同居・協力・扶助義務
  • 日常家事債務の連帯責任
  • 夫婦別産制と帰属不明財産の共有推定(どちらのものかハッキリしない財産は等分される)
  • 事実婚解消の財産分与と事実婚の不当破棄への慰謝料
  • 第三者の不法行為に対する救済

ただし、法律婚に比べると、そもそも「婚姻状態ではない」と見なされる可能性も残るため、その分、確実性は低くなるかもしれません。

事実婚の割合、日本と海外の違いはあるの?

事実婚, メリット,デメリット,子ども (写真=CHEN MIN CHUN/Shutterstock.com)

明確な事実婚に関する統計はありません。代わりに婚外子(法律婚していない男女から生まれた子)で比べられるので、掘り下げてみましょう。

日本の「人口動態統計」とアメリカ商務省の資料を元に厚生労働省が作成した資料によると、2008年に出生した子どものうち婚外子の割合は日本では2.1%です。一方、フランスは52.6%、アメリカで40.6%(2006年)となっています。

国によって結婚制度も違うため、一概に比べられませんが、少なくとも日本に限っていえば、まだ法律婚が圧倒的に主流だといえます。

離婚しやすくなった今なら事実婚もアリ!?

事実婚, メリット,デメリット,子ども (写真=silalena/Shutterstock.com)

総じて事実婚は、現代の日本に当てはめると、夫婦に子どもができるまでの「お試し結婚」といえるかもしれません。

総務省の2016年の人口動態統計調査によると、2016年の婚姻件数が62万531組に対して離婚件数が21万6,798組と、結婚しても2分26秒に1組が離婚しています。そして、同調査から内容を読み取ると2016年の離婚のうち、一番離婚件数が多いのは、「同居期間5年未満の夫婦」で約6万組です。約28%が5年未満という短い期間で離婚しています。

こういった背景を踏まえると、まずは事実婚でようすをみることも一つの方法になるでしょう。事実婚の認知が進むにつれて、子どもができるなど頃合いをみてから婚姻届を出す流れが主流になるかもしれませんね。

文・婚活FP山本(山本FPオフィス代表)

この記事をシェアする

個性的な連載で「投資」を身近に

一つのテーマを深掘り、おすすめ特集